漿液性網膜剥離と治療
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漿液性網膜剥離の黄斑の症状と視力低下
漿液性網膜剥離(とくに黄斑部が持ち上がる状況)では、視力低下だけでなく「変視症」「小視症」「中心暗点」など“見え方の質”が変化しやすく、問診で取りこぼすと主訴が曖昧になります。
黄斑部が浮腫・隆起すると、軽度の遠視化が起こる場合があるため、患者が「最近ピントが合わない」「片眼だけ度が変わった」と表現することがあります。
片眼発症が多いとされ、両眼同時発症は一般には多くないため、片眼の症状訴えでも反対眼の自覚が乏しいケースを想定し、左右眼を別々に評価します。
医療従事者向けの説明では、「漿液性網膜剥離=裂孔原性網膜剥離の緊急疾患」ではなく、CSCなどでみられる“限局性の漿液性剥離所見”である可能性が高い点を先に共有すると、院内連携のミスコミュニケーションが減ります。
漿液性網膜剥離の原因とストレスとステロイド
中心性漿液性脈絡網膜症(CSC)では、脈絡膜循環の障害→網膜色素上皮(RPE)の二次的障害→網膜下への液体滲出→漿液性網膜剥離、という病態の説明が臨床的に理解しやすく、患者説明にも転用できます。
誘因としては精神的・肉体的ストレスが挙げられることが多く、生活背景の確認(睡眠、勤務、緊張状態)を“検査と同列の情報”として扱うと再発予防の提案が具体化します。
また、ステロイド(内服・吸入・外用を含む)はCSCの発症・悪化要因として知られ、既往薬の棚卸しが初診時の重要タスクになります。
意外に見落とされやすいのは「ステロイド関連CSCは、典型的な“働き盛り男性・片眼”像から外れる」点で、多施設検討ではステロイド関連例は高齢者が多く、両眼性が多く、より重症で再発も多い傾向が示されています。
漿液性網膜剥離の検査とOCTと蛍光眼底造影
OCTは、網膜下液の貯留=漿液性網膜剥離を断面像で確認でき、外来で経時変化を追いやすいのが強みです。
一方で、OCT所見だけでは鑑別が難しい状況があり、とくに年齢が上がると加齢黄斑変性(新生血管型)との鑑別が臨床上の分岐点になります。
そのため、蛍光眼底造影で漏出点や病変活動性の情報を取りに行く設計が重要で、レーザー治療の計画(漏出点同定)にも直結します。
医療者視点の“あまり知られていないポイント”として、PDTや抗VEGFなど治療分岐が絡む症例では、最初の段階で「新生血管の有無」を意識して検査を組むと、後から検査をやり直すコストが減ります。
(漏出点の検出(蛍光眼底造影)と、レーザー治療の考え方の前提)
(脈絡膜循環障害→RPE障害→網膜下液→網膜剥離、という病態と自然軽快/介入の考え方)
疾患から診療科を探す(当院で診療可能な疾患か否かは、事前にお…
漿液性網膜剥離の治療とレーザーと光線力学的療法
CSCは自然治癒することも多い一方、慢性化・遷延例では視力低下が残ることがあるため、症例選択を前提にレーザー治療などを検討します。
漏出点が中心窩を外れている場合にレーザー光凝固を行い、水漏れを止める方針が紹介されており、短期改善を狙う一方で照射部の機能低下リスクも踏まえた説明が必要です。
再発性・難治性(慢性)では、ベルテポルフィンを用いた光線力学的療法(PDT)が治療選択肢として言及され、一般的に「慢性CSCや再発を繰り返す症例に有効」と説明されます。
医療従事者向けに重要なのは、PDTが“レーザー治療”という言葉で一括りにされがちでも、薬剤投与(ベルテポルフィン)と特定波長レーザー照射の二段階で成立し、適応判断には病変情報を集めて慎重に決める、という点です。
(PDTの手技の全体像(ベルテポルフィン投与→レーザー照射、適応判断の考え方))
漿液性網膜剥離の再発と生活習慣(独自視点)
再発を繰り返すCSCは、治療の“技術選択”だけでなく、再発要因の棚卸しが再燃の回数に影響し得るため、外来フォローの設計が重要です。
精神的ストレスや緊張がコルチゾール上昇につながり再発要因になり得る、という説明があり、医療従事者は「休養」「睡眠」「業務負荷」の具体策まで落として提案すると実装度が上がります。
独自視点としては、患者が“眼の病気”としてしか捉えていない場面で、吸入・外用を含むステロイド歴の再確認を「再発予防の処方監査」と位置づけると、他科・薬局連携が回りやすくなります。
さらに、ステロイド関連CSCは両眼性・重症化・再発が多い傾向が示されているため、「典型例ではない=説明が難しい」ほど、薬剤歴と発症タイミングを年表化して共有する工夫が有効です。

実例でよくわかる!目の病気 ~緑内障・白内障・加齢黄斑変性・網膜剥離~ (生活シリーズ NHKチョイス@病気になったとき)