中心窩下脈絡膜新生血管を伴う加齢黄斑変性 略語
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中心窩下脈絡膜新生血管を伴う加齢黄斑変性 略語:nAMDとMNVとCNV
医療者間の会話で最も重要なのは、「何を略しているか」より「どの病態を指しているか」を揃えることです。中心窩下脈絡膜新生血管を伴う加齢黄斑変性は、一般に新生血管を伴う加齢黄斑変性(nAMD)として知られている、という整理がまず実務的です(製薬企業の適応疾患説明でもこの言い方が採用されています)。
一方で“CNV”は歴史的に頻用されてきましたが、黄斑部の新生血管は脈絡膜由来だけでなく網膜血管由来も含み得るため、国際的には「黄斑新生血管(MNV)」へ用語が移行している、という点が近年のポイントです。
つまり、病名レベルでは nAMD、病変(新生血管)レベルでは MNV(旧CNV)と理解しておくと、ガイドラインの表記と現場の略語がつながります。
【実務での“言い換え”例(カルテ/紹介状の齟齬を減らす)】
- 「中心窩下CNVを伴うAMD」→「新生血管型AMD(nAMD)、MNVあり(中心窩近傍)」
- 「滲出型AMD」→ 現行では「新生血管型AMD」という用語を用いる流れ(滲出の有無と新生血管の有無が一致しないことがある)
中心窩下脈絡膜新生血管を伴う加齢黄斑変性 略語:診断とOCTとOCTAとFA
新生血管型AMDの診断と活動性評価は、視力・眼底所見に加え、眼底写真、FA/ICGA、OCT、OCTA、FAFなどの多モダリティで行うことが示されています。
ただしFA/ICGAはアナフィラキシーなどのリスクがあるため、他の検査でMNVが明らかなら、必ずしも造影を行わずに新生血管型AMDと診断してよい、という安全面の実務指針も明記されています。
活動性はMNVからの滲出性変化(網膜内液IRF、網膜下液SRF、sub-RPE fluid、出血、フィブリンなど)で判断し、現在は非侵襲的なOCTで判定することが多い、という流れが現場の“標準”になっています。
【意外に差が出る:OCT所見の「呼び方」を統一する】
- SHRM(subretinal hyper-reflective material):出血やフィブリン等が“同じように高輝度”に見え得るため、病態の断定はOCTAの血流シグナルや臨床像と合わせて行う。
- 3型MNV(RAP)では、眼底で捉えにくく、OCT/OCTA/FA/ICGAで存在確認する、という“見逃しやすい前提”をチームで共有すると診断遅延を減らせます。
中心窩下脈絡膜新生血管を伴う加齢黄斑変性 略語:抗VEGFとtreat-and-extend
新生血管型AMDの第一選択は抗VEGF薬の硝子体内注射である、という位置付けはガイドラインでも明確です。
国内で使用可能な薬剤として、ラニビズマブ、アフリベルセプト、ブロルシズマブ、ファリシマブ(VEGFとAng-2を標的とする抗体)が挙げられ、代表的臨床試験で視力改善が示されています。
維持期の投与法は、固定投与、PRN、treat-and-extendがあり、PRNは長期で視力が低下し得る報告がある一方、treat-and-extendは毎月投与と同程度の視力改善・維持が得られる報告や、日本人を含む試験での成績が示されています。
【臨床の独自視点:略語が治療設計を“短絡”させる落とし穴】
- 「nAMD=毎月注射」ではありません。導入期(通常連続3回、薬剤により4回)と維持期の設計を分けて説明しないと、患者の理解が“永久に毎月”で固定され、通院中断のリスクが上がります。
- 「中心窩下」という言葉が入ると、医療者側も心理的に“常に最重症”と捉えがちですが、実際の活動性(fluidの有無、出血、SHRMなど)をOCTで都度評価し、持続可能なレジメンに落とすのが長期成績に直結します。
中心窩下脈絡膜新生血管を伴う加齢黄斑変性 略語:PDTとPCVと併用療法
PDT(光線力学的療法)は、現在では抗VEGF薬との併用が安全性・視力改善の点から推奨される、という位置付けになっています。
特にPCV(ポリープ状脈絡膜血管症)は新生血管型AMDの重要なサブタイプで、抗VEGF薬/PDT併用療法が治療選択肢の一つとして残っている点が臨床的に重要です。
またPDTは長期的に黄斑萎縮を増悪させる可能性があるため、脈絡膜が薄い症例や既に黄斑萎縮がある症例では避けるのが望ましい、さらに3型MNVには推奨されない、という“適応の線引き”も押さえるべき注意点です。
【意外と知られていない:PCVの“見落としポイント”】【症例検討で使える】
- 漿液性PEDのノッチ部位に、1型MNVやポリープ状病巣があることが多い(OCT/OCTAやICGAで拾いやすい)。
- 大量出血があるとICGAでMNVが確認できないことがあり、画像モダリティの限界を理解した上で治療判断する(“見えない=ない”ではない)。
有用:新生血管型AMDの用語(CNV→MNV)、診断(OCT/OCTA/FA/ICGA)、治療フローチャート(抗VEGF、PDT併用、PRN/T&E)
https://www.nichigan.or.jp/Portals/0/resources/member/guideline/nvAMD.pdf
有用:中心窩下脈絡膜新生血管を伴う加齢黄斑変性が「nAMD」として説明されること、ファリシマブの作用機序(VEGF-A/Ang-2)と投与間隔(最長16週)の概説
https://www.chugai-pharm.co.jp/news/detail/20220525150000_1218.html