黄斑部出血 原因
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黄斑部出血 原因:加齢黄斑変性と脈絡膜新生血管
黄斑部出血(とくに黄斑下出血)の原因疾患として、加齢黄斑変性は代表格であり、黄斑の直下に出血が貯留して急激な視力低下を来し得ます。
滲出型では、脈絡膜から伸びてくる病的な新生血管(脈絡膜新生血管)が破綻しやすく、出血や滲出を繰り返すことで黄斑機能を傷めます。
背景因子としては、加齢に加え、光障害、喫煙、食事、遺伝的素因などが関与し得ることが各種解説で繰り返し述べられています。
臨床での注意点として、患者の訴えが「急な視力低下」「変視症(ゆがみ)」「中心暗点」に集中する場合、単なる“眼底出血”の一言で片付けず、黄斑病変の関与を疑ってワークアップを組み立てます。
参考)http://xbyxb.csu.edu.cn/zh/article/doi/10.11817/j.issn.1672-7347.2024.230488/
問診では以下の整理が実用的です。
- 片眼か両眼か(加齢黄斑変性は片眼発症→対側もリスク、という文脈で説明されることが多い)
- 変視症の有無(Amslerで自覚と所見をすり合わせる)
- 喫煙歴・日光曝露(リスク説明と再発予防の材料になる)medicalnote+1
検査・治療の流れを「原因→層→活動性」で考えると現場で迷いにくくなります。
- 原因:加齢黄斑変性が疑わしければ、脈絡膜新生血管の評価を意識する。
参考)(滲出型)加齢黄斑変性|やの眼科|大阪市城東区JR鴫野駅 眼…
- 層:OCTで出血の位置(網膜下、内境界膜下など)を押さえる。
- 活動性:活動性が高い病変では抗VEGF治療が治療戦略に入る。
参考:黄斑下出血の定義・症状・治療(血腫移動術、硝子体手術、tPAや抗VEGF併用の考え方)
黄斑部出血 原因:強度近視と後部ぶどう腫形成
強度近視では、後部ぶどう腫形成により黄斑周囲の組織が引き延ばされ、網膜の土台(網膜色素上皮-ブルッフ膜-脈絡膜)に負荷がかかることが黄斑部出血の原因になり得ます。
この機序として、伸展に耐えられなくなったブルッフ膜が裂け、脈絡膜側からの出血が起こることが解説されています。
さらに、ブルッフ膜の裂け目を通って脈絡膜新生血管が生じると、出血だけでなく滲出も伴い、中心暗点が遷延しやすい点が要注意です。
強度近視由来の脈絡膜新生血管に対しては、抗VEGF薬の硝子体内注射で新生血管の活動性を抑える治療が説明されています。
同様に、強度近視(病的近視)では異常血管(脈絡膜新生血管)からの出血・浮腫が視力低下を加速させ得るため、抗VEGF治療が視力維持に役立つとする臨床向け解説もあります。
参考)抗VEGF硝子体注射
医療従事者向けに整理すると、強度近視の黄斑部出血は「少量で自然吸収しやすい型」と「CNV合併で再燃・瘢痕化しやすい型」に分けて説明すると伝わりやすいです。
見逃しやすいのは、視力低下が軽いケースでも“中心暗点が残る”“歪みが持続する”といった訴えがある場合で、OCTを撮ってCNVの兆候(網膜下の滲出や形態変化)を拾いにいく姿勢が重要になります。
参考:強度近視における黄斑出血の原因(後部ぶどう腫、ブルッフ膜の裂け、脈絡膜新生血管)と抗VEGF治療の位置づけ
黄斑部出血 原因:網膜細動脈瘤破裂と高血圧・抗血栓薬
黄斑下出血の原因として、加齢黄斑変性と並んで網膜細動脈瘤破裂が代表的であることが示されています。
また、高血圧のある人や、脳梗塞・心筋梗塞の既往などで抗凝固薬・抗血小板薬を内服している人は発症しやすい傾向がある、と臨床向けに整理されています。
眼底写真で「細動脈瘤破裂に伴う黄斑下出血」の例示もあり、原因推定と説明に使いやすいポイントです。
実務では、抗血栓薬内服中の出血を見たときに「薬を止めれば良い」という短絡に陥るのがリスクになります(血栓イベント再発と視機能保護のバランスが必要)。
この場面では、①出血の層・範囲、②原因疾患(細動脈瘤破裂なのか、加齢黄斑変性の再活性化なのか)、③全身リスク(抗血栓薬の適応疾患)を分けて評価し、眼科と内科・循環器で方針を合意するのが安全です。
患者説明で使える表現(やや意外性のある臨床ポイント)として、「出血そのものが消えても、視細胞障害→瘢痕で視力が戻りにくい」点を先に共有すると、早期治療・通院継続の納得度が上がります。
再発についても、原因疾患である網膜細動脈瘤が再破裂したり、加齢黄斑変性が再活性化して再出血することがあると説明されています。
黄斑部出血 原因:網膜静脈閉塞症と黄斑浮腫(鑑別の要点)
網膜静脈閉塞症では、動脈硬化などで静脈が圧迫され、血栓形成から血流が滞り、眼底出血や黄斑浮腫につながるという病態整理が一般向けにも提示されています。
黄斑浮腫が前景に立つと「黄斑の見え方が急に悪い」訴えになり、黄斑部出血との鑑別が臨床的に問題になります。
特に網膜中心静脈閉塞では黄斑を含め網膜全体に出血・浮腫が及ぶことがあるため、眼底所見の分布であたりを付けます。
実際の現場では、黄斑部出血の“出血の層”と、静脈閉塞の“血管イベント”を分けて考えると整理しやすいです。
- 黄斑下出血:黄斑直下に血液が貯留し、視細胞障害が時間依存で進むことが問題になる。
- 静脈閉塞:静脈うっ滞に伴う広範な出血・浮腫、虚血の評価が問題になる。
参考)網膜静脈閉塞症(眼底出血) |川越駅徒歩1分の小江戸眼科内科…
紹介・連携の観点では、いずれも放置で視力低下につながり得るため、眼底出血が疑われた段階で眼科受診が推奨され、眼底検査やOCT等で原因精査を行う流れが示されています。
参考)眼底出血が疑われる場合、何科を受診したらよいですか? |眼底…
医療機関内の導線としては、眼科で原因を同定しつつ、高血圧や糖尿病など背景疾患が疑われる場合に内科評価を併走させる、という案内が現実的です。
黄斑部出血 原因:視細胞障害の時間依存性と「初期対応」の独自視点
黄斑下出血は、出血により視細胞が障害され、出血が消えても瘢痕病巣を形成して重篤な視力障害が残り得る、という点が明確に説明されています。
さらに、実験的には「24時間以内に視細胞障害」「3日で網膜外層に強い障害」が生じることが知られており、緊急疾患として早急な治療が必要とされています。
この“時間依存性”は検索上位の一般記事では流れがちですが、医療従事者向けにはトリアージの根拠として極めて有用です。
独自視点として提案したいのは、「黄斑部出血=原因疾患の治療」だけでなく、初期対応を“視細胞保護の時間稼ぎ”として設計することです。
たとえば、外来・救急外来での初動は次のように標準化できます。
- 🧭 症状の時間軸:発症時刻(気づいた時刻ではなく、見え方が変わった時刻)を分単位~時間単位で確認する。
- 🔍 画像の優先順位:まずOCTで出血の層(内境界膜下か網膜下か)を押さえ、治療選択(血腫移動術/硝子体手術など)の議論に乗せる。
- 🧪 全身情報:高血圧、抗血栓薬、既往(脳梗塞・心筋梗塞など)を短時間で整理し、眼科治療と全身管理の衝突を減らす。
治療の概略としては、黄斑下出血に対して血腫移動術(ガス±tPA±抗VEGF)や硝子体手術による血腫除去術が説明されており、出血の程度・発症からの期間・年齢や全身状態で術式選択が行われます。
また、治療適応と判断された場合は「1週間以内(できれば2~3日以内)」の早期治療を勧めるという整理もあり、ここでも時間因子が重視されています。
参考:眼底出血が疑われる場合の受診科(眼科)と、眼底検査・OCTなどで原因を確認する流れ