光線眼症と症状
光線眼症の原因:紫外線と角膜
光線眼症は、短時間に過剰な紫外線を浴びることで角膜の細胞(角膜上皮)が傷つき、炎症が起きる病態として説明されます。
臨床的には「紫外線角膜障害」「雪眼炎(雪目)」「電気性眼炎」といった呼び方で遭遇し、背景が雪面反射か、人工紫外線(電気溶接・殺菌灯など)かで問診の取り方が変わります。
太陽光だけでなく、人工光源の紫外線が関与する点が重要で、患者は「まぶしかった」程度の自覚しかないまま曝露していることが少なくありません。
患者説明では、皮膚の日焼けと同じく「紫外線=やけど」に近いイメージで理解されやすい一方、角膜は痛覚が鋭敏なため症状が派手になりやすいことを補足すると納得されやすいです。
参考)https://www.semanticscholar.org/paper/f2bc1511b9e24512cfdc394167b414212aaa99f0
特に雪山・海岸・高山など反射や照度が強い環境は、曝露量が増えやすい典型シチュエーションとして整理できます。
参考)https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC2571692/
「ゴーグルを外した時間が短い」「一瞬見ただけ」といった表現でも成立し得るため、状況聴取は“時間”より“防護の有無”を軸に掘るのが実務的です。
光線眼症の症状:痛み・流涙・充血
主症状は、異物感、充血、激しい痛み、流涙、まぶしさ(羞明)で、まぶたが開けにくい(開瞼困難)こともあります。
視力障害を訴える例もありますが、これは角膜上皮障害による見えにくさや強い羞明での見づらさが背景になり得ます。
患者は「目に砂が入った」「コンタクトがずれた」など外傷や異物を疑う訴えになりやすいので、曝露歴が取れないときほど鑑別で迷いやすい点に注意します。
特徴として、紫外線曝露の“直後は無症状”で、数時間程度経ってから発症することが多く、就寝中に痛みで目が覚めることもあります。
潜伏期間は30分~24時間を取り得るとされ、昼間に曝露して夜間救急で受診するパターンが起こり得ます。
この時間差は、患者が原因を紫外線と結びつけにくい最大要因なので、医療者側から「日中の屋外・雪面・溶接・殺菌灯」などの具体例を挙げて確認すると情報が出やすくなります。
光線眼症の検査:細隙灯顕微鏡と点眼麻酔
診断は、細隙灯顕微鏡で眼表面を観察し、表層角膜炎(角膜上皮障害)や結膜炎所見を確認して確定していく流れが基本です。
痛みで開瞼できないことが多く、診察のために点眼麻酔を行うことがある点は、現場での受診導線(「痛くて開けられない=診てもらえないのでは」不安)を下げる説明に使えます。
一方で、治療として点眼麻酔薬を使うと角膜炎の悪化や治癒遅延を助長するため処方は禁じられている、という注意点は医療者向けに強調すべきポイントです。
鑑別の実務では、強い痛み+充血という共通項で、感染性角膜炎、角膜異物、アレルギー性角結膜炎などと混同され得ます。
光線眼症は曝露歴と時間差が鍵なので、「いつ、どこで、どんな光を、保護具なしで見た/浴びたか」を系統的に聞くことで、検査に入る前の仮説精度が上がります。
また、両眼性になりやすい状況(雪面反射、殺菌灯のある部屋に滞在など)も多いので、左右差の情報も問診で拾うと整理に役立ちます。
光線眼症の治療:点眼・眼帯・鎮痛剤
治療は、感染予防として抗生物質の点眼・軟膏を用い、可能なら眼帯をする、という説明が一般向け情報として示されています。
疼痛が強い場合は鎮痛剤を内服することがあり、角膜の再生に伴って通常1~2日程度で改善することが多いとされています。
ただし、角膜障害がある間は痛みが数日続くことがあり、鎮痛剤が効きにくい特徴があるため、安静(目を閉じて休む)をセットで指導することが重要です。
生活指導として、入浴や飲酒など体が温まる行為は炎症を悪化させるため控えることが望ましい、という点は患者の「早く治したい」ニーズに直結します。
コンタクトレンズ装用者では「痛くても明日には仕事なので装用したい」と言われがちですが、角膜上皮障害の局面では刺激を減らして上皮修復を優先する、という大原則を丁寧に言語化するとトラブルが減ります(装用再開は眼科の指示が前提)。
また「自然に治る」と自己判断されやすい一方、改善しない場合は眼科専門医を受診すべきとされているため、フォローの受診目安(痛みが増悪、見え方が悪化、片眼のみ強い、目やにが強い等)を現場の運用で明確化しておくと安全です。
治療の“意外な落とし穴”としては、点眼麻酔で一時的に楽になる体験が、患者の自己使用ニーズを生みやすい点です。
このため、救急外来や電話相談では「もらった麻酔の目薬を続けてよいか」という質問が出た時点で、角膜障害を疑って受診誘導するなど、運用上のフラグとして扱うと事故予防になります。
同様に、痛みが強いほど患者は目をこすりがちなので、掻破で上皮障害を拡大させないための説明(“触らない・暗所で安静・保護”)をセットで伝えると実効性が上がります。
光線眼症の予防:サングラス・ゴーグル・遮光眼鏡
予防は「紫外線から眼を守る保護具を装用すること」が第一で、スキー場・雪原・海岸・高山といった環境だけでなく、電気溶接や殺菌灯など人工紫外線の場面でも同様に重要です。
一般のサングラスやゴーグルに加え、作業環境では遮光眼鏡など用途に合った保護具を選ぶ必要がある、という整理が患者指導・産業保健の両方で役立ちます。
特に雪面反射は「下からの紫外線」になるため、顔にフィットして側方や下方からの光が入りにくい形状を選ぶ、という具体論に落とすと実装(行動変容)につながりやすいです。
医療従事者が見落としやすいのは、「季節」と「天候」のバイアスです。
雪眼炎は晴天の雪原が典型ですが、患者は冬季以外でも海岸や高山、あるいは室内の紫外線光源で同様の病態になり得るため、時期だけで除外しない姿勢が大切です。
また、学校行事・イベント・施設(殺菌灯の設置、特殊照明)など“日常から外れた光源”が原因になるケースもあるので、問診では「ふだんと違う光に目がさらされたか」を聞く項目を定型化すると拾い上げが改善します。
・紫外線角膜障害(雪眼炎、電気性眼炎)の症状・治療・予防(潜伏して数時間後に発症、点眼・眼帯、予防具の要点)
・雪眼炎の医学的解説(潜伏期間30分~24時間、細隙灯顕微鏡、点眼麻酔の扱い、入浴・飲酒の注意、遮光眼鏡の位置づけ)
https://www.saiseikai.or.jp/medical/disease/snow_ophthalmia/

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