再発翼状片 手術 羊膜移植 MMC 結膜弁 複視

再発翼状片 手術

再発翼状片 手術:臨床で迷う点を先に整理
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術式の軸は「再発抑制」と「眼表面・結膜囊の再建」

再発翼状片は瘢痕化・瞼球癒着・眼球運動障害が増え、単なる切除より再建(羊膜移植や結膜弁)が重要になります。

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再発が多い時期を共有する

再発は術後6か月以内が多い一方、2年以上での再発も報告され、短期だけで「治った」と断言しない姿勢が必要です。

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複視は重症度・術式選択のヒント

瞼球癒着や眼球運動障害が強い症例では、複視の有無が術式選択(MMC併用など)を考える実務的な指標になり得ます。

再発翼状片 手術の術式:羊膜移植 結膜弁 MMCの位置づけ

再発翼状片は、初発よりも「再発しやすい」「既往手術による瘢痕化・結膜囊短縮があり、眼球運動障害を伴いやすい」という前提から出発します。これにより、手術の目的は再発防止だけでなく、眼表面と結膜囊の再建(瞼球癒着の解除を含む)へと拡張します。再建を要する文脈で、羊膜移植(AMT)や結膜弁(有茎/遊離)が組み合わされる理由が明確になります。

羊膜移植を併用する利点は、切除範囲が広くなっても欠損を被覆でき、さらに線維芽細胞増殖や血管新生を抑える方向に働きうる点です。加えて羊膜は抗原性が低く拒絶反応が問題になりにくいとされ、冷凍保存して使用できる運用面のメリットも述べられています。一方で、縫着手技の習熟が必要、手術時間の延長、上皮化に約1週間を要し感染予防が必要、長期データの限界など「現場で困る欠点」も同じ文脈で整理されており、術前説明の材料になります。

参考)https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12401000-Hokenkyoku-Soumuka/0000105981.pdf

MMC(マイトマイシンC)は再発抑制の武器になり得る一方、無菌性角膜潰瘍や強膜壊死などの重篤な合併症リスクがあり、安易に使用すべきでないという立場が明記されています。したがって「全例MMC」ではなく、重症例の層別化(後述:複視、瞼球癒着、眼球運動障害など)に沿って“必要十分に選ぶ”のが、医療従事者向けの説明として筋が通ります。

参考)https://www.nichigan.or.jp/Portals/0/JJOS_PDF/107_316.pdf

また、再発率は術式で大きく変動し、単純切除のみは再発率30~72%、結膜片移植を行うと0~26%とまとめられています。再発翼状片に限定しても、MMC術中塗布併用で12.5%、MMC+有茎弁で15.6%などが引用されており、患者への説明では「再発しやすい病態であること」「術式選択で再発率が変わること」を同時に伝えやすいです。

再発翼状片 手術の評価:再発率 再発時期 Grade 複視

再発の定義を曖昧にすると比較も説明も崩れるため、「血管を伴う病的増殖組織が角膜輪部を越えたもの」を再発と定義し、角膜侵入量でGrade 0~3に分類して評価した枠組みは、カルテ記載の統一にも役立ちます。再発の程度が“ある/なし”だけでなく、“大きさがどう変化したか”まで含めて追える点が実務的です。

再発時期は多くの報告で「術後6か月以内が多い」ことが示唆され、実際に再発例の多くが半年以内に再発していました。ここで重要なのは、長期観察で「術後2年以上経過して再発した症例も1例あった」と明記されている点で、短期フォローだけで再発リスクを過小評価しない説明ができます。

加えて、重症度を語るときに“複視”を軽視しないことが臨床的に効きます。MMC非併用の羊膜移植+結膜弁移植術の長期成績報告では、術式選択の指標として「瞼球癒着・眼球運動障害の程度判定に加え、複視の自覚もあわせて指標となりうる」と述べられており、患者訴えを“症状”としてだけでなく“術式選択の情報”として扱えます。

さらに、同報告では瞼球癒着の改善(15眼中5眼)や眼球運動障害の改善(24眼中11眼)が得られたとされ、再発抑制だけでなく機能面のアウトカムを診療側が意識すべきことが分かります。再発翼状片では「見た目」「再発率」だけでなく、「運動障害」「複視」をアウトカムに置くと、チームでの目標設定が揃いやすくなります。

再発翼状片 手術の術後:ステロイド 点眼 フォロー期間

術後管理は、術式の差以上に結果へ影響しうる領域なので、医療従事者向け記事では“具体例”が重要です。MMC非併用の羊膜移植+結膜弁移植術の報告では、術後点眼としてレボフロキサシン+リン酸ベタメタゾンを「最低1年間」継続し、眼圧上昇例では0.1%フルオロメトロンへ変更したと記載されています。長期ステロイド点眼が前提になっている点は、紹介元や併診医への情報共有にも直結します。

一方、MMCを併用する羊膜移植の報告では、角結膜上皮の創傷治癒まで約1週間は治療用ソフトコンタクトレンズを装用し、羊膜が結膜上皮で覆われるまでステロイドは使用しないか0.1%フルオロメトロンにとどめ、被覆後に0.1%ベタメタゾン点眼を用いて2~3か月で漸減する、という運用が提示されています。つまり「術中MMC」と一言で言っても、術後の抗炎症戦略が段階的で、上皮化の状態を見て切り替える設計になっています。

フォロー期間については、再発が半年以内に多いことを踏まえつつも、2年以上で再発した例があるため、患者説明では「最初の半年が山場だが、長期でもゼロではない」という二段階の言い方が安全です。外来運用としては、術後6か月までの観察密度を上げ、その後は所見(充血、血管新生、輪部越え)と症状(違和感、複視)でフォローの間隔を設計しやすくなります。

再発翼状片 手術の独自視点:複視で手術難易度を先に共有

検索上位の一般向け記事では、再発率や術式の名称(結膜移植、羊膜移植、MMC)が前面に出やすい一方で、「複視」を術前から“難易度の説明ツール”として体系的に使う発想は薄くなりがちです。ところが、再発翼状片では瞼球癒着と眼球運動障害が増えるという病態説明があり、複視はその臨床的な表現型になり得ます。

このため、術前説明では「再発を抑える」だけでなく、「癒着を剥がして眼球運動を回復させる」という目的を明文化し、複視がある場合は“再建の比重が上がる”と整理すると、患者・家族の理解が深まります。さらに、MMC非併用術式の報告でも、重度の瞼球癒着や眼球運動障害ではMMC併用を考慮すべきとされ、複視が術式選択の指標になりうると述べられているため、独断ではなく根拠を伴った説明が可能です。

実務的な言い回しの例としては、次のように組み立てるとトラブルが減ります。

・「再発翼状片は前回手術の影響で癒着が強く、きれいに剥がすほど手術時間が延びやすい」

・「複視がある場合、癒着や運動制限が強い可能性があり、再発予防に加えて“動きの改善”も目標になる」

・「その重症度によっては、再発抑制目的のMMCを併用するかを検討する」

上記の骨格は、再発翼状片の問題点と術式選択の指標に関する記載に沿っています。

参考:MMC+羊膜移植の術式・再発率・術後管理(眼表面再建、瞼球癒着、複視の改善も含む)

https://www.nichigan.or.jp/Portals/0/JJOS_PDF/107_316.pdf

参考:MMC非併用の羊膜移植+有茎結膜弁移植の長期成績(再発時期、2年以上の再発例、複視を指標にする考え方)

https://www.nichigan.or.jp/Portals/0/JJOS_PDF/115_386.pdf