ラタチモ 先発とザラカム先発後発比較

ラタチモ 先発とザラカム先発後発の違い

ラタチモ 先発とザラカムのポイント
👁️

有効成分と薬理

ラタチモと先発ザラカムはいずれもラタノプロスト・チモロールマレイン酸塩配合で、緑内障・高眼圧症治療に用いられる点眼剤です。

💊

先発と後発の薬価差

ザラカムは約576円/mLに対し、ラタチモ各社後発は約244円/mLであり、1mLあたり300円以上の差があります。

📊

実臨床での選択

効果・安全性は原則同等とされますが、アドヒアランスや冷所保存、AGの有無などを考慮して患者背景に応じた選択が求められます。

ラタチモ 先発ザラカムの成分と作用機序

 

ラタチモおよび先発ザラカム配合点眼液はいずれも一般名ラタノプロストチモロールマレイン酸塩配合点眼液であり、緑内障・高眼圧症治療剤として位置づけられています。

1mL中にラタノプロスト50μgとチモロールマレイン酸塩6.83mg(チモロールとして5mg)を含有することがインタビューフォームで示されており、プロスタグランジンF2α受容体刺激によるぶどう膜強膜流出路の増加と、β遮断薬による房水産生抑制の二重機序で眼圧を低下させます。

ラタノプロストは主として夜間にも持続する眼圧下降作用を示し、チモロールは日中の房水産生を抑制するため、1日1回投与でも24時間の眼圧コントロールが可能になる点が配合剤の利点です。

参考)https://www.viatris-e-channel.com/viatris-products/di/detail/assetfile/Latachimo_Combination_Eye_Drops_IF_2512.pdf


この二剤配合により、単剤追加投与と比べてアドヒアランス改善と点眼回数の減少が期待でき、特に多剤併用で自己管理が難しい高齢緑内障患者において有用性が高いと報告されています(類似β遮断薬のレビュー)

参考)Lamotrigine – StatPearls – NCB…

ラタチモ 先発ザラカムと各種後発品の薬価・コスト比較

KEGGや製薬企業サイトの情報によると、ザラカム配合点眼液(先発品)の薬価は576.2円/mLであるのに対し、ラタチモ配合点眼液「センジュ」「ニッテン」「ニットー」「TS」など複数メーカーの後発品は一律244.1円/mLとされています。

同一規格1mLあたりで先発との薬価差は約332円に達し、診療報酬上も後発品加算の対象として位置づけられているため、長期投与患者においては医療費・自己負担の両面で大きなインパクトがあります。

表形式で整理すると、以下のようなイメージになります。

・ザラカム配合点眼液(先発): 576.2円/mL、ヴィアトリス製薬

参考)商品一覧 : プロスタグランジン誘導体・β遮断薬の配合


・ラタチモ配合点眼液「センジュ」: 244.1円/mL、千寿製薬、後発品

参考)ラタノプロスト・チモロールマレイン酸塩の同効薬比較 – くす…


・ラタチモ配合点眼液「ニッテン」: 244.1円/mL、ロートニッテンファーマ、後発品​
・ラタチモ配合点眼液「ニットー」: 244.1円/mL、東亜薬品、後発品​
・ラタチモ配合点眼液「TS」: 244.1円/mL、テイカ製薬、後発品

参考)テイカ製薬

月当たり1本使用すると仮定すると、1年間で先発継続時とラタチモ後発への切り替え時の薬剤費差は約4,000円を超える可能性があり、複数本使用や両眼進行症例ではさらにコスト差が広がります。

医療機関側にとっても後発加算の評価や薬剤在庫の標準化により、診療所・病院双方で経済的メリットを享受できる点がラタチモ採用の背景の一つとなっています。

参考)ラタチモ配合点眼液「TS」の先発品・後発品(ジェネリック) …

ラタチモ 先発と後発における有効性・安全性と実臨床での留意点

ラタチモ後発品は添付文書上、効能・効果および用法・用量が先発ザラカムと「同」であると明示されており、原則として臨床上同等の眼圧下降効果が期待できる設計になっています。

一方で、後発品は有効成分・含量を一致させつつも、添加物やpH、浸透圧など製剤特性に若干の差異を認めることがあり、テイカ製薬のラタチモ配合点眼液「TS」ではpH5.8〜6.2、浸透圧比0.9〜1.1といった物性値が公表されています。

添付文書・インタビューフォームによると、重大な副作用としては局所の重度の角膜障害や虹彩色素沈着、まれな全身性β遮断作用(気管支けいれん、徐脈等)が記載されており、気管支喘息や重度心機能障害を有する患者ではチモロール成分に由来する禁忌・慎重投与の判断が求められます。

参考)https://teika-products.jp/mdcFiles/doc/mdc65.gid.pdf

特に、β遮断薬成分の全身吸収を抑えるため、点眼後の涙嚢部圧迫(鼻涙管閉塞)や閉眼の指導は、先発・ラタチモ後発を問わず医療者側で徹底したいポイントです。

実臨床では、以下のような場面でラタチモ後発への切り替えが検討されています。

・ザラカム使用中だが、薬剤費負担が大きくアドヒアランス低下が懸念される患者

多剤併用中で1剤でもコストを抑えたい高齢者の長期治療例

・後発品加算の要件を満たしたい医療機関における標準治療薬としての位置づけ​
ただし、まれではあるものの、製剤感触の違いや防腐剤への反応などで「先発では問題なかったが、ラタチモ後発で点眼時刺激感が増した」と感じる患者も一定数存在することが報告されており、切り替え後早期の副作用・使用感のモニタリングが実務上重要です(KEGG医薬品情報)

参考)医療用医薬品 : ラタチモ (ラタチモ配合点眼液「センジュ」…

ラタチモ 先発から見たAG・メーカー別ラタチモの特徴と選択のコツ

ラタチモには、いわゆるAG(オーソライズド・ジェネリック)に相当する製品が含まれており、ヴィアトリス系のラタチモ配合点眼液「VTRS」が先発と同一製剤に近い設計で販売されている点が特徴的です。

AGは先発メーカーまたは関連会社が先発品と同一の原薬・製造ラインを用いて販売することが多く、製剤特性がほぼ同一であるため、「ザラカムから切り替える際に患者の不安を最小限にしたい」「使用感を変えたくない」といったニーズに合致しやすい選択肢となります。

一方、ラタチモ配合点眼液「センジュ」「ニットー」「ニッテン」「TS」などは各メーカー独自の製剤設計を採用しており、ラベル表示・容器形状・ノズルの形なども微妙に異なります。

視力が低下している高齢患者では、容器の握りやすさや滴下しやすさがアドヒアランスに直結するため、薬剤部・外来スタッフと連携し、「見えやすいラベル色」「キャップの回しやすさ」「滴下のコントロールのしやすさ」など、いわばデバイスとしてのラタチモを評価することが、検索上位にはあまり書かれていない実務的な工夫と言えます。

ラタチモ各製品の情報をまとめると、以下のような視点で選択が可能です。

・AGを優先:先発と感覚を変えたくない、切り替え時の心理的抵抗を減らしたい場合

・メーカー別後発:取引条件や在庫体制、容器形状、院内での他剤との統一感を重視する場合

・薬価はほぼ同一:ラタチモ間では薬価に差がないため、臨床上の使い勝手や調達条件が決め手になりやすい

このように、ラタチモ 先発からの切り替えは有効成分や薬価だけでなく、「どのラタチモを選ぶか」という一歩踏み込んだ視点が、現場の満足度とアドヒアランス向上に影響してきます。

ラタチモ 先発から切り替える際の患者説明とフォローアップの工夫

ラタチモ 先発であるザラカムから後発ラタチモへ切り替える際には、「薬が安くなる」という経済的メリットだけを強調すると、不安や不信感を招くことがあります。

そのため、医療者側からは「有効成分・量は同じで、眼圧を下げる仕組みも同じ」「国が品質・有効性を確認した薬剤である」といった点を、図やパンフレットを用いながら丁寧に説明することが望まれます(同効薬比較の解説)

説明のポイントとして、以下のような具体的なフレーズが有用です。

・「ラタチモという名前になっても、眼圧を下げる成分はザラカムと同じです」

・「瓶の形やラベルは少し変わりますが、使い方や回数は変わりません」

・「ご負担を減らしながら同じ治療効果を維持するための切り替えです」

さらに、切り替え後の1〜2回目の受診時には、以下の点をルーチンで確認することで予期せぬトラブルを防げます。

・点眼時のしみる感じ、異物感の変化の有無

・点眼し忘れや回数間違いなど、アドヒアランスの変化

・眼圧値・視野の短期的変動(特に進行例)

・全身症状(息苦しさ、動悸、ふらつきなどβ遮断薬由来の可能性)​

医療機関によっては、眼科外来と薬剤部が協働し、ラタチモ切り替え時に「後発品スタートシート」や「点眼手帳」を配布する取り組みも報告されています。

こうしたツールを用いることで、患者・家族・多職種(訪問看護師、ケアマネジャーなど)間での情報共有が進み、ラタチモ 先発から後発への移行を安全かつスムーズに進めやすくなります。

テイカ製薬「ラタチモ配合点眼液『TS』」製品情報と先発ザラカムとの比較詳細に関する参考リンクです。

ラタチモ配合点眼液「TS」製品情報(テイカ製薬)

ザラカム配合点眼液およびラタチモ配合点眼液「センジュ」の詳細な効能・用法、注意事項が掲載された医療者向け情報です。

KEGG MEDICUS:ラタチモ配合点眼液「センジュ」

ラタノプロスト・チモロール配合点眼薬全体の同効薬比較や先発・後発区分、標準適応症を俯瞰できる医療者向けデータベースです。

くすりすと:ラタノプロスト・チモロールマレイン酸塩の同効薬比較

カラタチの苗 20本