薬学管理料 点数と金額と服薬管理指導料

薬学管理料 点数 金額

この記事でわかること(薬学管理料 点数 金額)
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点数と金額の換算ロジック

薬学管理料は「点数」で規定され、請求は点数×単価で計算されます。点数表の位置づけを押さえると、患者説明とレセプト点検が一気に楽になります。

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代表項目の点数(薬剤服用歴管理指導料など)

薬剤服用歴管理指導料、薬剤情報提供料、外来服薬支援料、在宅患者訪問薬剤管理指導料など、実務で頻出の点数と「算定できない組合せ」をまとめます。

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独自視点:記録の書き方で“通る”確率

通知・通則が求める「要点記載」「定型文の回避」を、監査で突っ込まれにくい書き方に落とし込みます。点数を守るのは、実は文章設計です。

薬学管理料 点数と金額の基本(点数表と単価)

 

薬学管理料は、調剤報酬点数表の「第2節 薬学管理料」に列挙された各項目を、処方せん受付1回・月1回まで・年1回まで等の算定ルールに沿って点数算定する仕組みです。

点数は「その行為を行ったら何点」と国が定め、請求額(患者負担の説明に使う“金額感”)は、原則として点数×診療報酬の単価で決まるため、まずは点数表の根拠に立ち返ることが重要です。

現場で混乱が起きやすいのは、薬学管理料が単体で存在するのではなく、同一処方の中で「調剤技術料(調剤基本料・調剤料)+薬学管理料+薬剤料」等を合算して“投薬の費用”になる点です。

また、薬学管理料は「患者の状態・同意・情報提供・記録」の要件を満たして初めて点数化され、実施していても記録が弱いと返戻・査定の対象になり得ます。

参考)薬学管理料とは?算定要件・点数の一覧や算定しないケースについ…

点数=金額ではないので、患者さんの「今日は薬学管理料が付くの?」という質問には、①何の行為に対する点数か、②重複算定できないものは何か、③薬歴へ何を残すか、の順で説明すると納得されやすいです。

特に通則では、プライバシー配慮の義務や、服薬カレンダー等の資材を提供する場合に実費徴収してよいことなど、点数以外の“運用上の地雷”も明記されています。

薬学管理料 点数一覧の読み方(薬剤服用歴管理指導料・薬剤情報提供料)

薬学管理料の中核は、薬剤服用歴管理指導料(区分10)で、処方せん受付1回につき30点と定義されています。

この項目は「文書等での情報提供」「服薬状況等の情報収集と薬歴記録」「必要な指導」を“すべて行った場合”に算定すると明記され、単に口頭で一言伝えただけでは要件を満たしにくい設計です。

加算として、麻薬を調剤した場合の麻薬管理指導加算(22点)や、疑義照会で処方変更があった/なかった場合の加算(20点/10点)など、行為の痕跡が残りやすいものが付随します。

薬剤情報提供料(区分11)は、処方せん受付1回につき15点で、患者の求めに応じて手帳に必要事項を記載した場合に、月4回まで等の上限つきで算定する構造です。

ここでの“金額感”の説明は、点数の大小よりも、「何をしたら算定されるか」「上限があるか」「在宅の別点数を算定している患者では算定しない等の排他関係があるか」を押さえる方が、クレーム予防として効きます。

実務上は、薬剤服用歴管理指導料と薬剤情報提供料を“いつも同時に付くもの”と誤解しないことが重要で、在宅患者訪問薬剤管理指導料を算定している患者では算定しない等の制約が点数表に明文化されています。

薬学管理料 点数の算定可否(服薬管理指導料・かかりつけ薬剤師指導料との関係)

薬学管理料は、同一処方・同一月内で「何と何が一緒に算定できるか」が通知の別表で整理されており、服薬管理指導料・かかりつけ薬剤師指導料等を算定する場合の“他項目の可否”が一覧化されています。

例えば、別表には「服薬管理指導料を算定する場合、調剤管理料等の加算や、外来服薬支援料、服用薬剤調整支援料、調剤後薬剤管理指導料、服薬情報等提供料などが○/×で整理されている」ことが示されています。

この可否表を知らないと、「ちゃんと指導したのに査定された」「算定できると思っていたが同時算定不可だった」が起きやすいので、点数の暗記より“排他関係の構造”の理解が安全です。

在宅側でも同様に、在宅患者訪問薬剤管理指導料・在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料等を算定する場合の他項目可否が別表で規定され、在宅患者重複投薬・相互作用等防止管理料などが○になっている一方、外来服薬支援料1が×など、直感と逆の箇所もあります。

さらに点数表本文では、在宅患者訪問薬剤管理指導料(区分15)を算定している患者について、薬剤服用歴管理指導料(区分10)等が原則算定できない旨が注で示され、例外条件(臨時投薬など)も示されています。

「薬学管理料 点数 金額」で検索して来た読者が本当に困っているのは、点数の数字よりも“二重取りになっていないか”なので、薬歴・レセコン設定・運用フローを別表に合わせて点検するのが近道です。

薬学管理料 点数と金額の説明に使える(患者向け)言い換え例

患者さんへの説明で有効なのは、「薬の代(薬剤料)」と「調剤の作業」と「薬剤師の管理・指導」を分けて説明し、薬学管理料は“薬の安全な使い方を確認して記録し、必要な説明をする部分”に相当する、と短く翻訳することです。

薬剤服用歴管理指導料は、薬剤服用歴に基づく情報提供や服薬状況確認を含むことが要件として書かれているため、「飲み合わせや副作用を確認し、必要なら医師へ照会するための管理料」という説明に置き換えると理解されやすいです。

また、通知の通則では服薬カレンダー等の資材提供について実費徴収が可能とされているため、「点数(保険)で評価される部分」と「物品として実費が発生し得る部分」を混ぜない説明がトラブル回避になります。

患者さんが“金額”を気にする背景には、同じ薬でも日によって会計が変動する不信感があるため、(例)「今回は手帳への記載・薬歴の更新・服用状況の聞き取りを行っている」など、行為ベースで説明すると納得が得られやすいです。

ただし、通則では薬歴記載について「定型文を用いて画一的に記載するのではなく、必要事項を判断して記載する」ことが求められており、患者説明と薬歴の整合が取れていないと監査で弱くなります。

言い換えのコツは、専門用語を削ることではなく、「何のリスク(重複投薬・相互作用・副作用)を減らすための手間か」を一言入れることです。

薬学管理料 点数を守る独自視点(薬剤服用歴の“要点”設計と査定回避)

検索上位は点数一覧に寄りがちですが、実務で効くのは「薬歴に何をどう残すと、点数の根拠が一本で通るか」です。

通知の通則では、薬剤服用歴等に記載すべき事項として、患者の基礎情報、処方・調剤内容、患者の体質や生活像、併用薬・健康食品、服薬状況(残薬含む)、体調変化、相談事項、今後の留意点、担当薬剤師名などが具体的に列挙されています。

さらに「要点記載で差し支えないが、指導後速やかに記載を完了」「定型文で画一化しない」「薬学管理料や加算を算定する場合は、その根拠と指導内容を簡潔に記載」とされており、ここを外すと“やったのに通らない”が起きます。

意外と知られていない落とし穴として、薬学管理料の点数は“行為の種類”だけでなく“同時算定の可否”にも強く縛られるため、薬歴が良くても別表上×の組合せだとアウトです。

逆に、別表上○でも、薬歴が「お変わりないですか」だけの定型文だと、通則が求める記載の思想(判断して記載)と噛み合わず、査定時に反論材料が作りにくくなります。

現場での具体策としては、薬学管理料を算定した処方では、最低でも「確認したリスク(例:相互作用・副作用兆候・残薬)」「患者の反応」「次回のフォロー項目」の3点を1~2文で残す運用にすると、点数と記録が結びつきやすくなります。

通知の保存要件として、薬剤服用歴等は最終記入日から起算して3年間保存とされているため、電子薬歴の権限管理・バックアップ・改ざん対策も、広い意味では“点数を守るインフラ”になります。

特にオンライン資格確認等で取得した診療情報・薬剤情報等を含めて記載事項を求める流れが明記されているため、取得できる情報を“取っただけ”で終わらせず、薬学的管理の判断にどう使ったかを要点化すると強いです。

この「要点設計」をチームでテンプレ化する場合も、通則が禁じる“画一的な定型文”にならないよう、選択式(チェック+自由記載)などで個別性が出る設計にすると安全です。

(権威性・根拠)調剤報酬点数表(薬学管理料の点数、注、通則の原文)

厚生労働省:別表第三 調剤報酬点数表(第2節 薬学管理料を含む)

(算定可否の別表、薬歴記載の通則の実務要点がまとまっている)

しろぼんねっと:令和6年 第2節 薬学管理料(通則・別表1)

【※旧版 令和4年度改定版】◇リニューアル◇面白いほどよくわかる!調剤報酬 vol.3 薬学管理料編ー前編ー: 外来患者に算定するもの 面白いほどよくわかる!調剤報酬(令和4年度改定版)