pmda添付文書検索と医療機器改訂情報

pmda 添付文書 検索 医療機器

pmda 添付文書 検索 医療機器:最短で見つける要点
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検索は「販売名」だけに頼らない

一般的名称・類別・使用目的・使用上の注意(文書内検索)まで使うと、院内での照会が速くなります。検索語はスペース区切りで複数語に対応します。

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改訂履歴は「改訂情報はこちら」で確認

検索結果一覧から改訂コメントと改訂履歴をたどれます(末尾「…」は選択で全文表示)。古い紙の添付文書の見落とし対策になります。

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GS1コードは現場の最短ルート

包装のGS1バーコードから「添文ナビ」でPMDAの該当ページを呼び出せます。品名の揺れや英数字を含む販売名でも迷いにくいのが利点です。

pmda 医療機器 添付文書等情報検索の使い方

 

医療機器の添付文書を「早く」「取り違えなく」参照するなら、PMDAの「医療機器 添付文書等情報検索」を起点にするのが基本です。

この検索は、販売名・一般的名称などで絞り込み、添付文書が公開されている品目については“記載内容から”検索して一覧表示できる、とPMDA側で明記されています。

現場で迷いやすいポイントは「検索の入口が多いこと」なので、最初に型を決めておくと照会対応が安定します。

参考)https://www.pmda.go.jp/searchhelp_010.pdf

おすすめの流れは次の通りです。

  • まずは名称で当たりを付ける:販売名または一般的名称を「一部」入力して検索(名称だけなら他条件は空でも可)。
  • 次に対象文書を選ぶ:検索結果一覧に何を表示するか(添付文書や関連文書)を選び、必要なら表示件数も増やす。
  • 最後に“改訂”まで見る:一覧の「添付文書改訂情報はこちら」から改訂履歴を確認して、最新版かどうかを判断する。

地味に便利なのが、検索結果の出力機能です。

PMDAの案内では、検索結果をCSVやPDFで出力でき、CSVはUTF-8(BOM付)とされています。

院内の情報共有(委員会資料、勉強会、教育用の一覧)を作る時に“手作業の転記”を減らせるため、作業ミスの温床を潰せます。

参考:検索画面・一覧の操作(検索条件保存、表示件数、CSV/PDF出力、改訂情報)

PMDA「情報検索機能の使い方」(PDF)

pmda 添付文書 検索でヒットしない原因

「PMDAで検索したのに出てこない」は、未掲載よりも“入力の癖”で落ちていることが多いです。

PMDAの「留意事項」には、ヒットしない代表例が具体的に挙がっています。

まず押さえるべき落とし穴は、英数字を含む販売名の部分一致です。

PMDAの説明では、英数字を含む販売名で途中まで入力して部分一致検索をするとヒットしないことがあり(例:「ABCDシステム」を「AB」で検索)、この場合は「ABCD」まで入れるとヒットする、とされています。

この仕様は問い合わせ対応で頻繁に刺さるので、院内の検索手順書に「英数字はなるべく塊で入れる」と明文化しておくと事故が減ります。

次に多いのが、スペースの扱いです。

販売名の途中にスペースがある製品を部分一致で探す場合、スペースを入れて検索するとヒットしないことがあり、スペースを削除した形で検索する必要がある、とPMDAは注意しています。

一方で、複数キーワード検索のときは「検索語句はスペースで区切る」とも明記されているため、製品名のスペースと“複数語の区切り”が混ざって混乱しがちです。

対策はシンプルで、次の順に試すのが安全です。

  • 販売名検索:製品名のスペースを除いた形でも試す。
  • 前方一致:部分一致で落ちる場合、前方一致で試す(PMDAが前方一致なら同条件で検索できる旨に触れています)。
  • 文書内検索:名称ではなく「使用目的」「使用上の注意」などの項目内検索1〜3を使う。

さらに盲点として、PDFの性質問題があります。

PMDAは「登録されているPDFがスキャンされたPDF等、文字認識ができないファイルの場合、検索語でヒットしない」可能性に言及しています。

この場合、検索語を工夫しても結果が変わらないことがあるため、名称・類別・一般的名称など“メタ情報側”から当てるルートに切り替えるのが合理的です。

pmda 添付文書 改訂情報と更新年月日

医療安全の観点では、「見つけた」より「それが最新か」が重要です。

PMDAの操作ガイドでは、検索結果一覧から「添付文書改訂情報はこちら」を選ぶと、改訂履歴がポップアップで表示され、コメント末尾に「…」がある場合は選択すると全文表示されると説明されています。

つまり、改訂の要旨が途中で切れて見えても、全文を確認できる設計になっています。

更新年月日で絞りたい場面(例:院内採用後の改訂を定期監査したい、トラブル後に“直近で変わった点”を拾いたい)もあります。

PMDAは更新年月日について「年月」や「年」だけでも検索できると案内しており、ざっくり期間で洗い出してから個別に確認する使い方ができます。

“毎月の医療安全ラウンドで、直近1年改訂の機器だけ拾う”のような運用に落とすと、改訂確認が属人化しにくくなります。

また、検索結果の「もっとみる画面」も知っておくと便利です。

PMDAのガイドでは、「主たる一般的名称」をクリックすると主たる一般的名称ごとに情報をまとめた「もっとみる画面」が出て、当該機器(主たる一般的名称)の医療機器が先発品・後発品すべて表示される、と説明されています。

“同じ一般的名称の別販売名”を横並びで見たい時に、取り違えの予防線になります。

pmda 医療機器 電子添文 XMLとSGML

検索の精度や利活用の話になると、添付文書の“中身の形式”が効いてきます。

PMDA発の通知(2025年3月3日付)では、将来的なデータ利活用を目的として、医療機器の電子添文の書式をSGMLからXMLに変更し、XMLファイルの掲載を求めることとした、と記載されています。

この変更は、単なるデータ形式の置き換えではなく、後々の検索・集計・システム連携(例:院内DBや資材マスタとの突合)をやりやすくする方向性を示す材料になります。

対象と時期も押さえておくと、製造販売業者との会話がスムーズです。

同通知には、XML掲載が必要な対象として「高度管理医療機器(クラスIIIおよびクラスIV)」を挙げ、PDFのみ公表しているクラスIIIの電子添文も対象になるとしています。

実施時期は2025年4月1日から適用しつつ、すでに公表済み(または公表予定)の対象電子添文は2028年3月31日までに可能な限り速やかに書式変更する、という経過措置が示されています。

この情報が“意外と効く”のは、院内で「PMDAにあるはずなのに、内容が取り出しにくい」「PDFの検索性が弱い」といった相談が出た時です。

PDFの文字認識問題で検索が効かないことがある、とPMDA自身が注意しているため、データ構造化(XML化)が進む領域ほど、将来的に“検索で拾える情報”が増える可能性を読めます。

参考:電子添文の書式変更(対象、適用時期、経過措置、IKWサイト案内)

PMDA「医療機器の電子化された添付文書の書式の変更及び運用について」(PDF)

pmda 添付文書 検索 医療機器の独自視点:GS1と院内運用

検索の“速さ”は、結局は院内ワークフローの設計で決まります。

添付文書閲覧アプリ「添文ナビ」は、医薬品・医療機器等の包装上のGS1バーコードを読み取り、PMDAのホームページの添付文書情報等を閲覧できる医療従事者用アプリとして、共同開発されたものです。

使い方資料でも、読み取り結果画面に「添付文書」「関連文書」ボタンが表示され、タップするとPMDA上の該当文書が表示される、と説明されています。

この“バーコード起点”が効くのは、特に医療機器の販売名が似ているケースです。

参考)添付文書閲覧アプリ「添文ナビ」

同一カテゴリのディスポや消耗材では、院内での呼称・略称が先行し、正式販売名が曖昧になりがちですが、GS1コードなら現物同定からPMDA参照まで一直線にできます。

参考)https://www.gs1jp.org/standard/healthcare/tenbunnavi/pdf/tenbunnavi_HowToUse.pdf

その結果、夜勤帯や新人対応で起きやすい「検索語が分からない」を、手順そのものから減らせます。

院内の具体的な組み込み方(独自提案)は、次のように“業務の節目”に置くのが現実的です。

  • 受入・検品:外箱のGS1から添文ナビで添付文書を確認し、必要項目(禁忌・注意・保守点検)だけ院内メモに転記する。
  • 教育:新人には「名前で探す」より先に「GS1で開く」を教える(文字入力スキル差を吸収)。
  • 改訂監視:PMDA検索結果の改訂履歴と“院内手順書の版”を紐づけ、改訂コメント(全文表示)を根拠として更新判断を残す。

なお、PMDAの検索結果CSVはUTF-8(BOM付)とされているため、院内の台帳(Excel/スプレッドシート)に取り込んで照会ログや点検計画と結び付ける運用も作りやすいです。

“検索のコツ”だけで終わらせず、現場の導線(GS1→閲覧→改訂確認→共有)まで整えると、添付文書を「読める」から「使える」へ引き上げられます。



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