光の種類一覧と赤外線と紫外線と可視光線

光の種類一覧

光の種類一覧(医療での使い分け)
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まずは「電磁波の中の光」を整理

一般に医療・生活で「光」と呼ぶのは、紫外線・可視光線・赤外線の領域です(電波やX線/γ線は用途が異なる)。

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波長=深達度と反応のクセ

短波長は表層で反応しやすく、長波長は比較的深部へ届きやすい傾向があり、治療設計で重要な前提になります。

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医療では「安全管理」が最優先

紫外線は皮膚・眼への安全対策、赤外線は熱傷、青色光は眼の曝露管理など、波長ごとにリスクが変わります。

光の種類一覧:電磁波と可視光線と紫外線と赤外線

 

医療従事者が「光の種類」を説明するとき、まず押さえるべきは“光=電磁波の一部”という整理です。電磁波は波長(または周波数)で呼び分けられ、一般的に短波長側からガンマ線、X線、紫外線、可視光線、赤外線、マイクロ波、電波などに分類されます。

このうち、日常会話や照明・美容・生体への影響の文脈で「光」と呼ばれやすいのは紫外線(UV)、可視光線、赤外線(IR)で、太陽光にもこの3領域が含まれます。

ここで臨床的に役立つ“超ざっくりの感覚”は、波長が短いほどエネルギーは高く、表層での光化学反応を起こしやすい一方、波長が長いほど熱作用や深達度の議論がしやすい、という点です(もちろん組織の吸収・散乱で単純には決まりません)。青色~紫外域は皮膚表面に作用が出やすく、赤色~近赤外は比較的深部へ届きやすい方向性があるため、治療目的の選択に直結します。

参考)https://www.ushio.co.jp/jp/technology/lightedge/201210/100456.html

一覧のイメージを固定するために、現場向けに「何に使われがちか」を併記します(厳密な境界値は資料で揺れるため、ここでは“領域”として理解してください)。

光の種類一覧:紫外線B波とビタミンDと日光浴

紫外線はA波・B波などに分けて語られますが、医療・栄養の文脈で最も誤解が起きやすいのが「ビタミンDと紫外線」の関係です。皮膚でのビタミンD合成は、日光に含まれる紫外線B波(UV-B)をきっかけに進むことが重要ポイントとして繰り返し説明されています。

高齢者ケアや骨粗鬆症の予防教育では「日光=全部OK」になりがちですが、室内光やUV-A主体の光ではビタミンD産生がほとんど誘導されない、という整理が必要になります。

一方で紫外線は、短期的には紅斑、長期的には光老化や皮膚腫瘍リスクなどが問題になるため、推奨の作り方は“ゼロか100か”ではなくバランス設計が現実的です。臨床での説明は、(1)必要量は個人差が大きい、(2)皮膚・眼の保護が前提、(3)曝露は「目的(ビタミンD)とリスク(皮膚障害)」の両方をセットで伝える、という枠組みが混乱を減らします。

参考)適度な日光浴のススメ。シニアと紫外線の“ちょうどいい”関係|…

参考として、日光浴の医学的メリットとして「体内時計(概日リズム)」「メラトニン抑制」「セロトニン」などが語られることがありますが、これらは必ずしも紫外線そのものが必須というより“明るさ”が鍵になる、という解説もあります。

参考)今こそ見直したい「日光浴」の医学的メリット

つまり、ビタミンD目的はUV-Bが主役、睡眠・覚醒リズム目的は光刺激(明るさ・時間帯)の設計が主役、と分けると患者説明が通りやすくなります。

参考(UV-BとビタミンD、概日リズムの整理に有用)

今こそ見直したい「日光浴」の医学的メリット

光の種類一覧:青色光と赤色光とPhotobiomodulation

医療従事者が「光の種類」を臨床応用へつなげるなら、Photobiomodulation(PBM:光生体調節)という枠組みは一度は押さえておく価値があります。形成外科・皮膚科領域の総説では、照射する光の波長によってメカニズムが異なり、大きく赤~近赤外領域光と青色領域光に分けて考えられることが示されています。

同総説では、赤~近赤外領域光は創傷治癒促進や発毛促進など「細胞増殖や成長促進」を期待する用途が多い一方、青色領域光は尋常性痤瘡や乾癬などで、活性酸素種増加による殺菌効果や細胞アポトーシス誘導といった方向で説明されています。

“意外と現場で役立つ”ポイントは、波長が違うと同じ疾患でも狙いが変わることです。たとえば痤瘡では青色光がポルフィリンの吸収ピーク(例:415 nm)を踏まえた議論がされる一方、赤色光は青色光より深く浸透しやすく、炎症軽減に寄与し得る、という整理が述べられています。

参考)形成外科・皮膚科領域のPhotobiomodulation …

また光線力学治療(PDT)の解説では、表在性病変では400nm付近の青色光が有利で、深部の病変では600nm付近の赤色光が深達度の観点から有利、という言い方がされます。

この「表在=青、深部=赤」という単純化は万能ではありませんが、治療説明・院内教育の入口としては有効です。臨床で事故を避けるには、照射条件(照度、照射時間、距離)だけでなく、防護(特に眼)と禁忌・注意(光線過敏、光感受性薬剤など)を“波長ごとに”点検する運用が重要になります。

参考(PBMで青色光/赤~近赤外の整理が詳しい:総説)

形成外科・皮膚科領域のPhotobiomodulation …

光の種類一覧:X線とガンマ線と医療

患者さんは「光=目に見えるもの」という感覚が強いため、X線やγ線が“同じ電磁波の仲間”だと伝えると理解が進むことがあります。電磁波は波長で分類され、可視光より短波長側に紫外線、さらに短くなるとX線やγ線が位置づけられます。

医療ではX線はレントゲンなど画像診断で広く使われ、同じ“電磁波”でも紫外線・可視光・赤外線とは、管理体系(線量、遮蔽、職業被ばく管理)がまったく別物として運用されます。

ここで押さえるべきは、患者説明で「電磁波だから全部危険」「光だから安全」といった二分法を作らないことです。X線やγ線は一般に人体に有害とされ得る一方、医療ではベネフィットがリスクを上回るよう適応・条件を設計し、管理された環境で使うという点が本質になります。

参考)光ってなんだろう??|光入門|技術コラム|REVOX – S…

また放射線の啓発資料では、電磁波として赤外線・可視光線・紫外線・X線・γ線などが並ぶことが示され、可視光線だけが直接“見える”という基本も再確認できます。

参考)放射線の基礎知識|みんなのくらしと放射線展

参考(電磁波の並びと可視光の位置づけ:基礎)

放射線の基礎知識|みんなのくらしと放射線展

光の種類一覧:独自視点として夜勤と可視光線

検索上位の「光の種類一覧」は物理分類で終わりがちですが、医療従事者にとっては“勤務形態(夜勤)と光”をセットで考えると一気に実用度が上がります。日光浴のメリットとして、体内時計(概日リズム)の調整やメラトニン抑制が挙げられ、「この効果を得るために必要なのは明るさであり紫外線は必須ではない」という趣旨の説明もあります。

つまり、夜勤者の生活設計では「紫外線を浴びる」よりも「可視光線をいつ・どれだけ浴びるか(明るさとタイミング)」が主戦場になり得ます。

意外に盲点になるのが、院内の“明るすぎる夜間照明”や、スマホ等の強い可視光が、本人の睡眠スイッチに影響する可能性を意識しない運用です。日光がセロトニン、夜はメラトニンへつながるという説明は一般向けにも見かけますが、ここから逆算すると、夜勤明けの帰宅時は「強い光を浴びすぎない」工夫が、睡眠導入を助ける方向に働き得ます。

参考)『日焼けを科学する』 −ビタミンDと紫外線、そして“肌の防衛…

患者支援だけでなくスタッフの健康管理という観点でも、光の種類一覧を「分類表」で終わらせず、可視光線(明るさ)を行動設計に落とすことが、医療現場では価値になります。