crhとは ホルモン
crhとは 視床下部と下垂体とacthの関係
CRH(corticotropin-releasing hormone)は日本語で「副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン」と呼ばれ、視床下部から放出される“放出ホルモン(RH)”の一つです。
視床下部(特に室傍核)から分泌されたCRHは、下垂体門脈系を通って下垂体前葉へ届き、ACTH分泌を促します。
この「CRH→ACTH→副腎皮質→グルココルチコイド(コルチゾール)」という流れが、いわゆる視床下部‐下垂体‐副腎(HPA)系の基本の配線です。
医療従事者向けに実務で整理するなら、まず「CRHは末梢で測るホルモンというより、上流で“指令”を出すホルモン」と捉えると理解が早いです。
参考)CRH|キーワード集|実験医学online:羊土社 – 羊土…
ACTHの臨床的意義として、ACTHは下垂体前葉で合成・分泌され、その上位調節がCRHであること、そしてACTHが副腎皮質ホルモン(糖質コルチコイドなど)分泌を促進することが示されています。
参考)副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン – Wikipedia
つまり「CRHはACTHのスイッチ、ACTHは副腎皮質のアクセル」と理解すると、検査値の解釈(下流が低いのに上流が高い等)に直結します。
crhとは コルチゾールとネガティブフィードバック
HPA系のポイントは、コルチゾールが上流のACTHとCRHを抑えるネガティブフィードバックにより、ホルモン反応の“暴走”を防いでいる点です。
岡山大学の検査解説でも、ACTHおよびCRHの分泌はコルチゾールによるネガティブフィードバックで抑制されると明記されています。
この仕組みがあるため、単回の採血で値が動いても「病的な持続過剰」なのか「生理的な一過性上昇」なのかを、症状・時間帯・薬剤・ストレス状況とセットで考える必要があります。
臨床で“意外と盲点”になりやすいのは、フィードバックが「視床下部だけ」「下垂体だけ」ではなく、複数段階で効いているため、障害部位でパターンが変わることです。
たとえば副腎が原発性に低下してコルチゾールが作れないと、フィードバックが弱くなり上流(ACTH、さらにCRH)が上がりやすい、という読み方が基本になります。
逆に外因性ステロイド投与では、下流(コルチゾール相当作用)が強くなることで、CRH/ACTHが抑制されやすい、という“薬剤性のHPA抑制”の理解にもつながります。
crhとは ストレスとホルモン(睡眠・免疫の話も)
CRHはストレス応答に深く関わり、ストレス状況でHPA系を駆動してコルチゾール分泌につなげる中心分子として位置づけられます。
またCRHは下垂体に対するACTH促進だけでなく、ストレスで生じる自律神経系の変化や免疫機能、行動・情動などにも関与し得ることが解説されています。
「内分泌=血中濃度」だけでなく、「脳内ペプチドとしてのCRH」を想像すると、ストレスで不眠・食欲変化・不安が出る臨床像が一本の軸でつながります。
実務的な注意点として、ストレスは採血値を“上げる要因”になり得るので、問診で「痛み・不眠・急性疾患・アルコール・うつ状態」などがあると解釈が難しくなります。
ACTHの異常値を示す状況として、ストレスや妊娠が挙げられており、検査室的にも“背景因子として扱うべき項目”です。
このため、単に「高い・低い」ではなく、採血条件(時間帯、入院直後か、静脈ライン確保の痛み、睡眠状況)まで記録しておくと再現性のある評価になります。
crhとは 妊娠と胎盤とホルモン(意外なポイント)
妊娠では胎盤がCRHを産生し、それが母体のACTH産生を刺激し得ることが、MSDマニュアル(プロフェッショナル版)の妊娠生理の記載で示されています。
この結果としてACTH上昇により副腎ホルモン、とくにコルチゾールなどが上昇し、浮腫の一因となる可能性がある、という説明もあります。
「CRH=視床下部だけ」と思い込むと見落としやすいですが、妊娠期は“胎盤性CRH”という別ルートが加わり、HPA系の見え方が変わります。
さらに専門的な文脈では、妊娠中期以降に胎盤がCRHを分泌するようになり、胎盤由来CRHが胎児のACTH産生や副腎皮質ステロイド産生に影響する、という記載が教科書サンプルPDFにも見られます。
参考)https://www.kinpodo-pub.co.jp/kinpodowp/media/sample/sp1750-4.pdf
このPDFでは、母体の高コルチゾール状態が胎盤のCRH産生を高める(positive feedback)という、非妊娠時とは逆方向のフィードバックが示唆されており、ここが“意外性”のあるポイントです。
妊娠関連の内分泌評価(倦怠感、低Na、浮腫、血圧変動)では、非妊娠の基準で機械的に当てはめず、胎盤要因を前提に鑑別を組むのが安全です。
参考)妊娠の生理 – 18. 婦人科および産科 – MSDマニュア…
crhとは 検査と鑑別の実務(独自視点:採血前後の落とし穴)
CRHそのものは日常診療でルーチン測定される機会が多くない一方、ACTHとコルチゾールはHPA系機能評価の中核であり、両者をセットで読むのが基本です。
岡山大学の解説でも、血漿ACTH測定はコルチゾールとともに視床下部‐下垂体‐副腎皮質系の機能・病態診断に不可欠とされています。
したがって「CRHは概念の上流」「検査はACTHとコルチゾールで現実に読む」という役割分担で整理すると、現場で迷いにくくなります。
独自視点として強調したいのは、“採血という行為そのもの”がストレス刺激になり、CRH→ACTH→コルチゾールの方向へ軽くバイアスをかけ得る点です(特に痛み、恐怖、睡眠不足、救急外来直後)。
またACTHは前処理・搬送条件(室温放置など)で不安定になり得ることが知られているため、臨床側は「採血時刻」「採血条件」「検体扱い」を最低限押さえ、結果が臨床像と乖離したら再検や負荷試験を検討する姿勢が重要です。
“数字の解釈”以前に、“数字の作られ方(測定条件)”を整えることが、CRHという上流概念を正しく臨床に落とし込む近道になります。
【医療従事者向け・参考リンク(CRHの定義とHPA系の流れ:視床下部→下垂体→副腎皮質)】
【医療従事者向け・参考リンク(ACTHとCRH、コルチゾールの関係/ネガティブフィードバック/異常値の鑑別の入口)】
【参考リンク(妊娠で胎盤CRHがACTHやコルチゾールに影響し得る、という整理)】
MSDマニュアル プロフェッショナル版「妊娠の生理」

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