後発医薬品調剤体制加算 届出 厚生局
後発医薬品調剤体制加算 届出 厚生局の様式87と添付書類
後発医薬品調剤体制加算の届出では、地方厚生(支)局に提出する「様式87(後発医薬品調剤体制加算の施設基準に係る届出書添付書類)」を用います。
様式87には、まず「後発医薬品調剤体制加算1・2・3のどれで届出するか」を選択し、あわせて各区分の基準(カットオフ値、新指標の下限)に照らして成立するかを示せるよう、直近3か月の数量データを記載します。
実務上のポイントは、提出先の厚生局サイトに同名の「様式87」があっても、年度改定で差し替わることがあるため、必ず「提出する時点の厚生局ページに掲載されているPDF」を取得して作業を開始することです。
また、同じ“後発”でも「後発医薬品使用体制加算(医科)」など別の加算は様式が異なり、名称が似ているため取り違えが起きやすいです。
参考)https://kouseikyoku.mhlw.go.jp/kantoshinetsu/r6-k40-3.pdf
院内(医科)と薬局(調剤)で様式番号が変わるケースがあるため、「届出記号」「様式番号」「対象(薬局か医療機関か)」の3点セットで確認すると事故が減ります。
参考:届出様式の入手(令和6年度改定の特掲診療料の届出一覧で、後発調の別添・様式へ辿れる)
後発医薬品調剤体制加算 届出 厚生局の直近3か月と新指標・カットオフ値
様式87では、届出時の直近3か月について「1か月ごと+3か月合計」で数量を記載します。
ここでいう数量は「規格単位数量」であり、薬価基準の規格単位ごとに数えると様式の注意書きに明記されています。
計算は大きく2本立てで、カットオフ値は(②/①)、新指標は(③/②)として記載します。
参考)https://kouseikyoku.mhlw.go.jp/kyushu/shinsei/shido_kansa/shitei_kijun/documents/t-87-p.pdf
加算1/2/3はいずれもカットオフ値50%以上が前提で、新指標は加算1が75%以上、加算2が80%以上、加算3が85%以上という区分になっています。
現場でハマりやすいのは「データの作り方」よりも「分母・分子の定義ずれ」です。
たとえば、レセコン・集計ツール側の“数量”が「錠数」なのか「規格単位数量(薬価基準の単位)」なのかが混在すると、手計算では合っているのに届出様式の定義とズレることがあります。
この事故は“提出後の差替え”につながりやすく、後述のとおり送付書での差替え対応が必要になるため、最初に「規格単位数量で出力できる帳票」を使うのが安全です。
参考)https://kouseikyoku.mhlw.go.jp/kantoshinetsu/gyomu/bu_ka/tokyo/000183027.pdf
さらに、意外と見落とされるのが「直近3か月」の考え方で、厚生局FAQでは“届出月の直近3か月実績”を記載するよう明確に示されています。
つまり、月初に届出する場合でも「前月までの3か月」ではなく、届出月から見て直近3か月(例:4月届出なら1~3月)を揃える設計になっており、月の切り方を誤ると数値は簡単に変わります。
参考:直近3か月の期間設定(様式87の期間の考え方が具体例つき)
施設基準等の届出に関するよくあるご質問【薬局】(関東信越厚生局)
後発医薬品調剤体制加算 届出 厚生局の提出・受理と算定開始
提出方法(窓口、郵送など)の細部は厚生局・事務所ごとに運用差がありますが、少なくとも関東信越厚生局(東京事務所)のFAQでは、書類は「ホチキスではなくクリップ留め」を求めています。
また、複数薬局の複数届出をまとめる場合は「施設基準ごと」ではなく「保険薬局ごと」にまとめる、という整理ルールが示されています。
郵送提出については、厚生局側が“到着確認の電話対応が困難”である旨が明記されており、書留やレターパックなど配達確認できる手段を使うことが推奨されています。
この一文は地味ですが重要で、届出の締切が絡む改定期には「送った/届いていない」の水掛け論を避けるため、追跡番号のある方法に統一しておくと監査対応も説明しやすくなります。
算定開始の考え方についても、厚生局FAQでは「施設基準の要件を満たしていれば、届出をした日の翌月1日(条件により当月1日)から算定可能」とされています。
つまり、受理通知書(いわゆる受理印や通知)が手元に届く前でも、要件を満たした状態で適切に届出が行われているなら算定できる、という運用が示されています。
ただし“算定できる”と“実務で安全に算定できる”は別で、監査・適時調査で問われるのは「要件を満たしていた根拠」と「届出を行った根拠」なので、提出日が証明できる控え(発送控え、受付印のある写し等)を院内ルール化して保管するのが現実的です。
後発医薬品調剤体制加算 届出 厚生局の変更・辞退と差替え
提出後に誤記や添付漏れが発覚するのは珍しくありませんが、厚生局FAQでは「差替え・追加」の際に送付書へ記載すべき項目(保険薬局コード、薬局名、担当者、提出した施設基準名、窓口受付日または郵送日など)が列挙されています。
ここを押さえると、単に“再提出”するよりも、厚生局側の照合作業が早くなり、結果として算定の不安定さを減らせます。
また、区分変更(例:後発調1→後発調2、またはその逆)では「辞退届が必要」と明記されています。
この“辞退届が必要な変更”は、加算の点数が上がる・下がる以前に、届出記号の変更として扱われる運用が背景にあり、現場の感覚(上位区分へ上げるだけ)とズレやすいので注意が必要です。
さらに、届出受理後に要件を満たさなくなった場合は、翌月に変更の届出を行う旨がFAQに示されています。
医薬品供給の影響などで指標が下振れする局面では、実績管理の頻度を上げて「いつ要件を割ったか」を説明できるようにしておくと、届出実務と算定実務のズレを縮められます。
後発医薬品調剤体制加算 届出 厚生局の独自視点:供給不足期のデータ設計と監査耐性
後発医薬品の供給が不安定な時期は、後発品の切替が“努力不足”ではなく“入手困難”で止まることがあり、結果として新指標・カットオフ値が乱高下しやすくなります。
そのため、届出作業を「3か月に一度の事務作業」として閉じるのではなく、日次・週次で“数量の定義が崩れていないか”を確認できるデータ設計にすると、結果的に届出のやり直しが減ります。
具体的には、次のような“監査耐性”を意識した運用が効きます(届出要件そのものではなく、現場事故を減らすための工夫です)。
✅おすすめの実務チェック(例)
・📦 在庫・供給:後発品の欠品や銘柄変更の記録を、処方変更理由と紐付けて残す(後から「なぜ先発比率が上がったか」を説明できる)。
参考)後発医薬品の出荷停止等を踏まえた診療報酬上の臨時的な取扱いに…
・🧾 集計ロジック:レセコン出力の「規格単位数量」と、薬価基準の定義が一致しているかを月次で照合する(別帳票でも同じ比率になるか確認)。
・📮 提出証跡:郵送なら追跡番号、窓口なら受付印の写しを薬局内で統一フォルダ管理し、差替え時の送付書テンプレも固定化する。
加えて、様式87には「新指標の割合が20%以下」の場合の扱い(調剤基本料の注6の該当性)や、やむを得ないものの判定に関する記載欄が用意されています。
この分岐は“該当する薬局は多くない”一方で、該当したときのインパクトが大きく、処方箋受付回数や変更不可処方箋の回数など、普段は集計しないデータが突然必要になります。
つまり、平時から「処方箋受付回数」「変更不可のある処方箋回数」を月次で取れる形にしておくと、いざという時に“届出のための集計”が“説明可能な記録”として残り、慌てずに済みます。
参考:様式87の基準(新指標・カットオフ値、注6の該当性欄、規格単位数量の注意点)
様式87(後発医薬品調剤体制加算の施設基準に係る届出書添付書類)

よくわかる「後発医薬品調剤体制加算」2015 保険薬局医療政策マンガ