服薬管理指導料 算定できない場合
服薬管理指導料 算定できない場合 特別調剤基本料B
服薬管理指導料(1~4)は、点数表上「特別調剤基本料Bを算定する保険薬局は算定できない」と整理されており、現場で最も分かりやすい“絶対に取れない条件”です。
このため、患者に対して対面で丁寧に説明し、薬歴も整っていても、薬局区分が該当していれば請求自体が成立しません。
実務では、請求担当だけが知っていて現場が気づかないケースがあるため、算定対象外薬局である期間(適用期間)を朝礼やレセコンのアラートで共有し、そもそも「算定する前提」で会話や記録設計をしない運用が安全です。
📌チェックリスト(算定前に1分で確認)
- 当月、当薬局は特別調剤基本料Bの対象か。
- 対象なら、服薬管理指導料(1~4)を“付けない前提”で記録・説明を組む。
- 他の薬学管理料・情報提供評価で代替できるかを検討する(算定可否は要確認)。
服薬管理指導料 算定できない場合 注1の指導等不足(薬剤情報提供文書・残薬確認)
服薬管理指導料(1・2)の算定は「注1」に掲げる指導等を“全て”行うことが前提で、薬剤情報提供文書による情報提供、服薬状況を踏まえた必要指導、手帳記載(手帳を用いる場合)、残薬(服薬していない薬)の有無確認、後発医薬品に関する情報提供などが列挙されています。
ここで見落としがちなのが「残薬があるかどうか」だけで終わらせず、残薬が確認された場合は理由把握に踏み込むこと、さらに“相当程度”ある場合には処方医へ連絡・情報提供に努める、という通知レベルの要求です。
要するに、患者の同意を得て丁寧な服薬指導をしたつもりでも、必要項目が抜けていると「算定できない場合」に該当しやすく、監査では“抜けた部分”がそのまま否認理由になります。
🧾薬歴に残すと強い要素(監査で説明しやすい)
- 重複投薬・相互作用・アレルギー等の確認結果(問題なしでも記載)。
- 残薬の有無と理由(例:飲み忘れ、自己調整、体調不良、受診間隔など)。
- 後発医薬品の情報提供(有無・価格を含む)と患者意向。
- 必要に応じた継続的服薬指導(電話等)の実施根拠と結果。
服薬管理指導料 算定できない場合 手帳提示と区分(1・2・4)の取り違え
区分の取り違えは「算定できない場合」を生みやすい典型です。
例えば、3か月以内に再度処方箋を持参した患者でも、手帳を提示しない場合は「1」ではなく「2」で算定する整理になっており、オンライン服薬指導(4)でも同様に“手帳未提示ならロ扱い”とされています。
逆に「2の患者で手帳を提示したから1にしてよい」という話ではなく、あくまで“3か月以内再来+手帳提示”というセットで「1」に該当するため、来局間隔の確認が曖昧だと区分が揺れます。
✅現場で起きるミスの例(よくある)
- 患者が手帳アプリを開けず「今日ない」と言った→実は提示可能だったが確認せず2で処理(本来1)。
- 3か月以内の判定を“前回交付日”で見てしまい、実際の「再度処方箋を持参」基準とズレる。
- オンライン服薬指導で手帳確認が不十分→算定の前提である経時的把握が弱くなる。
💡あまり知られていない実務のコツ
- “手帳未提示”は点数差だけでなく、後で患者が「実は持っていた」と言っても、その時点の事実に基づいて区分を固定し、後追い修正のルールを薬局内で決めておく(監査時の説明がブレにくい)。
- 電子版手帳はガイドライン要件を満たすものなら紙と同様に扱う整理があるため、患者が「アプリはある」と言う場合は提示手順をスタッフで統一する(“見せ方が分からない”を減らす)。
服薬管理指導料 算定できない場合 在宅患者訪問薬剤管理指導料との関係(臨時処方の例外)
服薬管理指導料は、在宅患者訪問薬剤管理指導料を算定している患者について、原則として算定しない整理が明記されており、“在宅を算定しているから薬局窓口で服薬管理指導料も”という重複は基本的に不可です。
ただし例外として、薬学的管理指導計画に係る疾病とは別の疾病または負傷に係る臨時の処方箋で調剤した場合に限り算定できる、とされています。
この例外は現場で混乱しやすく、臨時処方に見えても「計画の疾病に関連している」と判断されれば例外にならない可能性があるため、処方内容・受診科・処方医・症状経過を薬歴で説明できる形にしておくのが安全です。
🏥判断のための観察ポイント(薬歴に残すと役立つ)
- 臨時処方の疾病名(患者申告でも可)と、在宅計画の疾病との関係(関連あり/なしの理由)。
- 処方医が在宅主治医か、別医療機関か(施設医・専門医受診など)。
- 臨時で必要になった背景(急性増悪、外傷、感染症など)と投与期間。
服薬管理指導料 算定できない場合 独自視点:継続的服薬指導を“メール一斉送信”で済ませる落とし穴
服薬管理指導料の通知では、薬剤交付後も必要に応じて電話等で継続的に確認・指導することが示される一方で、「一律の内容の電子メールを一斉送信すること等のみでは、継続的服薬指導を実施したことにはならない」と明確に釘が刺されています。
つまり、デジタル施策(フォローアップの自動化)を頑張るほど、やり方によっては“やった感”だけが残り、算定の裏付け(個別性)が弱くなって監査で説明しづらい構造が生まれます。
意外に効くのは、テンプレを使いつつも「患者ごとに質問項目を変える」「副作用・残薬・生活状況の1点を必ず深掘りする」「回答がない場合の再接触ルールを決める」など、個別性が見える運用です。
📲個別性を出す質問例(コピペでなく“選択”して使う)
- 「今回の薬で、眠気・ふらつき・便秘など“気になる変化”はありましたか?」
- 「飲み忘れが起きた日があれば、時間帯(朝/昼/夕/寝る前)を教えてください。」
- 「残薬があれば、理由は“体調”“自己判断”“受診間隔”のどれに近いですか?」
参考:服薬管理指導料の算定要件・注記・通知(条文レベルの根拠)
参考:服薬管理指導料(1~4)と改定ポイントの概説(現場向け整理)
https://yakuyomi.jp/career_skillup/skillup/02_073/

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