ラクリミン点眼液 代替品
ラクリミン点眼液 代替品の結論と前提(流涙症)
ラクリミン点眼液0.05%は、0.4%の「表面麻酔」用途とは異なり、分泌性流涙症に対して涙の分泌を抑える目的で使われる製剤です。
その作用は、結膜・角膜の知覚麻痺と三叉神経反射弓の遮断を介した涙液分泌抑制として説明されています。
したがって「目が乾く・ゴロゴロする」方向の悩みに対して人工涙液などを当てはめるのは、症状の性質が真逆になり得る点が最大の落とし穴です。
医療現場での「代替」は、単に“似た目薬”へ置き換えるのではなく、①流涙が「分泌過多」なのか「排出障害」なのか、②炎症やドライアイが背景にないか、③薬剤で抑えるべき病態か、を再評価して治療戦略ごと組み替える意味合いが強くなります。
参考)ラクリミン点眼液 (オキシブプロカイン塩酸塩) 参天 [処方…
さらに、ラクリミン点眼液0.05%は「先発品(後発品なし)」と整理されている医薬品データベースもあり、供給事情によっては“同等品へ置換”が成立しにくいことがあります。
参考)ラクリミン点眼液0.05%の効能・副作用|ケアネット医療用医…
実際に一部の眼科ではメーカーの製造中止に触れつつ「代替品がない」と案内しており、現場の困りごととして顕在化しています。
ラクリミン点眼液 代替品としての同成分・同効薬の探し方(一般名)
まず押さえるべきは、ラクリミン点眼液0.05%の一般名が「オキシブプロカイン塩酸塩液」である点です。
同効薬を探す際は、「一般名」と「濃度(0.05%か0.4%か)」を必ず分けて確認し、同じオキシブプロカインでも0.4%は検査・手術時の表面麻酔として整理されるため、適応・使いどころが一致しません。
薬価ベースの同効薬一覧ではオキシブプロカイン0.4%製剤(ベノキシール、ネオベノール等)が並ぶ一方、ラクリミン0.05%は別枠の規格として記載され、同濃度で複数社が並ぶ形になっていないことが読み取れます。
医療従事者向けの実務としては、次の順で「代替可否」を判断すると混乱が減ります。
- ① 一般名(オキシブプロカイン塩酸塩)と規格(0.05%)が一致するかを確認する。
- ② 適応(分泌性流涙症)として扱ってよい根拠(電子添文・DI)を確認する。
- ③ 添加物(特に防腐剤)と運用制限(CL装用など)を確認する。
なお、参天の医療関係者向け製品ページには「経過措置期間満了 2027年3月末日予定」といった記載が見られ、制度上の区切りが示唆されています(閲覧範囲に制限があるため詳細は各施設のDIで要確認)。
この種の情報は、薬剤部・採用薬の切替タイミング(在庫・採用品目の棚卸し)に直結するため、外来の体感より前に“供給途絶の予兆”として拾えることがあります。
ラクリミン点眼液 代替品がない時の臨床的な置換(点眼)
同成分・同濃度の置換が難しい場合、次に考えるのは「病態に合わせた置換」です(薬剤を替えるのではなく、治療目標を替える発想)。
分泌性流涙症というラベルが付いていても、実際にはドライアイや眼表面炎症が引き金となり反射性流涙が目立っているケースがあり、その場合は“涙を減らす”より“眼表面を整える”ほうが筋がよい場面があります。
この方向でよく参照されるのが人工涙液で、人工涙液マイティア点眼液は「涙液減少症、乾性角結膜炎、コンタクトレンズ装着時における涙液の補充」を効能・効果として明記しています。
ただしここで重要なのは、人工涙液は「流涙症の治療薬」ではなく「涙液補充」であり、ラクリミンの“代替品”と患者が誤解しやすい点です。
参考)https://clinicalsup.jp/jpoc/drugdetails.aspx?code=52599
説明のコツは、「ラクリミン=涙を抑える薬」「人工涙液=涙を補う薬」で目的が逆であることを先に伝え、なぜ今回は補う方向が妥当なのか(反射性流涙や眼表面障害の改善)を病態から短く結び直すことです。
人工涙液マイティアのインタビューフォームでは、正常涙液に物理化学的に近づけるためNa+/K+比、pH、粘度などに留意して開発された旨が記載され、単なる“水”ではない点も説明材料になります。
参考)https://pins.japic.or.jp/pdf/medical_interview/IF00006867.pdf
一方で「排出障害(涙道狭窄、鼻涙管閉塞など)」が主体の流涙では、点眼の置換だけで解決しないことが多く、眼科での涙道評価・処置へつなぐ判断が必要になります(ここを曖昧にすると“目薬難民”が長期化します)。
供給不足時の暫定対応として点眼回数調整などが話題になりがちですが、そもそも原因が違えば調整は無効なので、代替策の中心は「鑑別→設計変更」になります。
ラクリミン点眼液 代替品を使う前の安全性(ソフトコンタクト)
ラクリミン(オキシブプロカイン)関連では、成分または安息香酸エステル系局所麻酔薬に対するアレルギー既往が禁忌として示されています。
また、ベンザルコニウム塩化物がソフトコンタクトレンズに吸着する可能性があるため、装用者では点眼前にレンズを外し、点眼後少なくとも5〜10分空けて再装用する注意が記載されています。
ここは「代替品」検討時に最も抜けやすく、同じ目的の点眼へ変えたつもりでも防腐剤設計が異なると運用が変わり、患者の遵守率・満足度が一気に落ちるポイントです。
さらに重大な副作用としてショック、アナフィラキシーが挙げられており、悪心、顔面蒼白、発疹、呼吸困難、血圧低下、眼瞼浮腫などが例示されています。
流涙症は一見軽症に見えるため、患者側が「いつもの目薬」扱いで自己調整・継続しやすいのですが、局所麻酔薬系は“使っていること自体がリスク管理対象”である点を、医療者側が繰り返し言語化する必要があります。
この観点では、「代替品がない」状況はむしろ説明の好機で、漫然使用を見直し、適応・用法の再教育(いつまで使うか、何が出たら中止して受診か)をセットにできます。
ラクリミン点眼液 代替品の独自視点:供給途絶時の運用設計(流涙症)
検索上位の多くは「市販の代わり」へ寄りがちですが、医療従事者向けには“供給が切れた時に医療安全を落とさない運用”が実務上の独自テーマになります。
具体的には、ラクリミンが必要になる患者群(例:特定処置後、特定デバイス装用中など)が施設ごとに偏るため、「誰に優先するか」「どの病態は治療方針を変更するか」を決めておくと、現場が混乱しにくくなります。
実際に在庫制限(購入本数制限)を設ける案内もあり、供給逼迫時は“個人の工夫”より“施設のルール化”が先に求められます。
運用設計の叩き台(例)は次の通りです。
- 優先度A:短期間のみ必要で、代替戦略が乏しいケース(医師判断で限定処方)。
- 優先度B:反射性流涙が疑われ、眼表面治療へ置換可能なケース(人工涙液などへ設計変更を検討)。
- 優先度C:排出障害が疑われ、涙道評価へ誘導すべきケース(点眼で引っ張らない)。
この整理をカルテテンプレや院内掲示(医療者向け)に落とし込むと、「代替品ありますか?」という問い合わせに対し、単なる薬名提示ではなく“次の一手”を返せるようになります。
また、参天の製品ページに経過措置の期限が示唆されている点は、採用品切替・院内周知のタイムライン策定に使えるため、薬剤部と外来が同じ情報で話せる状態を作るのが現実的です。
分泌性流涙症は“症状名”として一括りにされやすい一方で、背景は患者ごとに違います。
供給問題をきっかけに、病態の棚卸し(分泌性か、反射性か、排出障害か)を一段丁寧にすると、結果として点眼薬の依存・長期化を減らしやすい、という逆転現象が起こることがあります。
眼科領域の薬剤・添付文書の一次情報(用法、禁忌、コンタクト注意)の確認に有用:iタウン お薬検索:ラクリミン点眼液
供給終了・代替品がない旨の現場情報(院内対応の具体例)の参考に有用:むさしこやま眼科:ラクリミン点眼の販売終了
人工涙液の効能・用法(涙液補充としての位置づけ)の確認に有用:今日の臨床サポート:人工涙液マイティア点眼液

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