骨粗鬆症の薬 一覧
骨粗鬆症の薬 一覧:ビスホスホネート
骨粗鬆症治療で最も基本となる骨吸収抑制薬の一群が、ビスホスホネート(BP)です。代表例として、アレンドロネート(フォサマック/ボナロン)、リセドロネート(アクトネル/ベネット)、ミノドロン酸(ボノテオ/リカルボン)、イバンドロネート(ボンビバ)、ゾレドロネート(リクラスト)などが整理されています。出典として公益財団法人骨粗鬆症財団の「骨粗鬆症治療薬一覧」では、週1回内服、月1回内服、点滴静注(年1回)など投与形態が並列で示されており、患者背景に応じた“続けやすさ”の設計がしやすい点が特徴です。
【実務での押さえどころ🧠】
- 服薬アドヒアランス:起床時・多量の水・一定時間臥床しない等、内服BPは手技依存で脱落しやすい。
- 腎機能・消化管:腎機能低下例や上部消化管症状のある患者では、注射/点滴BPの検討余地が出やすい。
- 長期安全性:BP長期投与は、顎骨壊死(MRONJ)や非定型大腿骨骨折(AFF)といった“まれだが重い”有害事象が議論になりやすく、経過年数・リスク層別化が重要になります(後述のドラッグホリデー節も参照)。
【意外と盲点🧩】
BPは「中止しても骨に残る」性質があり、薬剤によっては効果の“余韻”があるため、他剤と比べて休薬戦略が議論されやすい領域です。一方で、休薬の目的が「副作用リスクの最小化」なのか「単に漫然投与を避ける」なのかが曖昧だと、骨折リスク評価と矛盾した判断になり得ます。現場では、骨折既往・年齢・BMD・FRAX相当の背景を踏まえ、休薬の“出口”まで先に説明しておくとトラブルが減ります。
骨粗鬆症の薬 一覧:デノスマブと抗RANKL抗体
デノスマブ(プラリア)は抗RANKL抗体で、破骨細胞の形成・機能を抑制することで骨吸収を強力に抑えます。骨粗鬆症財団の一覧では「プラリア皮下注60mgシリンジ:1回/6カ月、皮下投与」と整理され、投与間隔が長く通院設計が立てやすい一方、患者の“次回予定の忘れ”が治療上の最大リスクになりやすい薬でもあります。
【医療従事者向けポイント💉】
- 中止後の反跳(リバウンド):デノスマブは中止すると骨代謝回転が急上昇し得るため、「中止=治療終了」ではなく“後療法(多くはBP)へ橋渡し”の設計が必要です。
- 低Ca血症:特に腎機能低下やビタミンD不足があるとリスクが上がるため、投与前にCa/VitDの状況を確認し、必要なら補充を整えます。
- MRONJ/AFF:BPと同様に顎骨壊死や非定型骨折が話題になります。頻度は高くないものの、歯科処置予定がある場合は情報共有が必須です。
【患者説明で刺さる一言🗣️】
「この注射は“やめると急に弱くなりやすいタイプ”なので、やめる時は次の薬へつなぐ計画をセットで考えます」と言語化すると、受診間隔の遅れが減る傾向があります(もちろん言い方は患者の不安度に合わせて調整)。
骨粗鬆症の薬 一覧:テリパラチドと副甲状腺ホルモン
骨形成を“増やす側”として臨床上重要なのが、副甲状腺ホルモン(PTH)製剤のテリパラチドです。骨粗鬆症財団の一覧では、テリパラチド酢酸塩としてフォルテオ(1回/日、皮下投与)、テリボン(1回/週、皮下投与)に加え、テリボンの2回/週製剤(オートインジェクター)も整理されており、患者の自己注射可否・通院可否で選択が分かれます。
【実装のコツ🧭】
- 位置づけ:重症(骨折既往がある、骨密度が著しく低い等)では、最初から骨形成系を使い、その後に骨吸収抑制薬で“固める”戦略が合理的な場面があります。
- 終了後設計:PTH製剤は“使い終わったら終わり”ではなく、終了後に骨吸収抑制薬へつなぎ、獲得した骨量を維持する発想が重要です。
- 副作用説明:悪心、めまい、注射部位反応など、患者が中断しやすい症状を先に説明し、対処法(時間帯変更、体位、補水など)を提示すると継続率が上がりやすいです。
【あまり語られない視点🧩】
医療者側の盲点として「骨形成系は“効くが手間”」というイメージが先行し、導入が遅れることがあります。しかし、重症例で最初に骨吸収抑制薬のみを選んだ結果、骨折を繰り返してから骨形成系へ切り替えると、患者の生活機能がすでに落ちており、介入効果を最大化しにくいことがあります。骨折ハイリスクを拾い上げるスクリーニング(既存椎体骨折の検索、身長短縮、疼痛の性状など)を丁寧に行うことが、薬剤の“一覧知識”を活かす近道です。
骨粗鬆症の薬 一覧:ロモソズマブと抗スクレロスチン抗体
ロモソズマブ(イベニティ)は抗スクレロスチン抗体で、骨形成を促進しつつ骨吸収も抑えるという特徴を持つ薬剤として整理されます。骨粗鬆症財団の一覧では「イベニティ皮下注105mgシリンジ」として掲載され、骨形成系の選択肢として明示されています。
【臨床での使い分けメモ📝】
- 目的:短期間で骨量を上げたい重症例、最近骨折した例などで検討されやすい。
- 注意:薬剤ごとに禁忌・慎重投与の論点が異なるため、心血管リスクや既往歴の確認を“いつもより丁寧に”行う。
- 継続戦略:ロモソズマブで上げた骨密度は、その後に骨吸収抑制薬へつないで維持する設計が基本になります。
【意外な臨床ヒント🔍】
「骨形成を上げる薬を使うと、骨吸収抑制薬が不要になる」と誤解されることがありますが、むしろ“上げた後に守る”フェーズが治療成績を左右します。患者説明では、治療を「①骨を作る期間 ②骨を守る期間」の2段階で見せると納得が得られやすいです。
骨粗鬆症の薬 一覧:ドラッグホリデーと顎骨壊死(独自視点)
検索上位の一般向け記事は「薬の種類」や「注射の頻度」に寄りがちですが、医療従事者にとって差が付くのは“いつ・どう休薬し、どう歯科連携するか”の運用設計です。日本骨粗鬆症学会のサイトでは「骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2025年版」が出版物として案内されており、ガイドラインの存在自体が一次情報として重要です。
【ドラッグホリデーの整理🧠】
- 休薬が話題になりやすい薬:主にBP(骨に残る性質があるため)。
- 休薬が危険になりやすい薬:デノスマブ(中止後の反跳を考慮し、別薬へつなぐ設計が必要)。
- 休薬の目的:MRONJ/AFFなどの希少有害事象リスクを意識しつつ、骨折リスクを上げない“バランス”を取ること。
【歯科連携の実務🦷】
- 抜歯やインプラントなど侵襲的歯科処置が予定される場合、薬剤名・投与期間・最終投与日を共有し、主治医/歯科医/患者の三者で見通しを合わせます。
- 患者には「歯科で“骨粗鬆症の薬”を必ず申告する」ことを明確に依頼し、紹介状に薬歴を記載します。
- “休薬すれば安心”と単純化せず、骨折リスク(転倒歴、既存骨折、BMDなど)と歯科処置の緊急度を同時に評価する姿勢が重要です。
【あまり知られていない運用の落とし穴🕳️】
BPやデノスマブのMRONJは「歯科処置が引き金」として語られがちですが、実際には口腔衛生不良・義歯による慢性刺激・歯周病のコントロール不良が背景にあることも多く、歯科処置の有無だけで単純にリスクを見積もると見誤ります。したがって、処置の直前だけ連携するのではなく、治療開始時点から「定期歯科受診」「口腔ケア」をセットで提案しておく方が、結果的に安全性も継続率も上がります。
【権威性のある日本語の参考リンク(ガイドライン所在の根拠)】
日本骨粗鬆症学会が公表しているガイドライン等の出版物一覧(2025年版の案内を含む)
【権威性のある日本語の参考リンク(薬剤一覧の一次資料)】
公益財団法人骨粗鬆症財団の「骨粗鬆症治療薬一覧」PDF(主要薬剤名・投与間隔がまとまっている)
https://www.jpof.or.jp/Portals/0/images/medical/document/osteomedicine2021.pdf

もう悩まない!骨粗鬆症診療 改訂第2版