妥結率と近畿厚生局
妥結率 近畿厚生局の対象
妥結率等に係る報告は、近畿厚生局の案内上、「許可病床数が200床以上の病院」および「保険薬局」が対象と明記されています。
ここで注意したいのは、「医療機関なら全て」ではない点で、まず自施設が“許可病床数200床以上”に該当するかを事務側で確定させるのが出発点になります。
また、薬局の場合は単独店舗の規模感だけでなく、「同一グループ内の保険薬局の処方せん受付回数の合計が1か月に3万5千回を超えると判断されるグループ」に属するかどうかで、提出時に求められる“添付資料の有無”が変わる点が実務上の分岐になります。
医療現場で起きがちな落とし穴は、グループの定義や集計の主体(本部か各店舗か)が曖昧なまま、締切直前に「添付要る側だった」と判明するケースです。
運用としては、年度の早い時点で「対象判定→担当者→スケジュール→ベンダー(卸)との確認窓口」を固定し、事務・薬剤部・購買が同じ認識で動ける状態を作るほど、年末に余計な修正依頼が減ります。
妥結率 近畿厚生局の計算期間
近畿厚生局の説明では、妥結率等の実績の計算期間は「報告年度の当年4月1日から9月30日まで」とされています。
この期間設定は、交渉や契約の実態(いつ価格が確定したか)と、購入実績(実際にどれだけ薬価総額が動いたか)を同じ“箱”に入れて整理する必要があることを意味します。
現場の感覚では、価格交渉が長引くほど「未妥結」扱いになりやすい期間が伸び、結果として“妥結した医薬品の薬価総額”の比率を押し下げる方向に働きます。
「とりあえず口頭合意」「後で覚書」など、内部では妥結のつもりでも、外形上の根拠(契約書や確認書)に落とせていないと、報告の裏付けが弱くなるため、購買プロセスの“記録化”が重要になります。
また、遡及指定(継承、組織変更、移転)や増床で200床以上になった場合は、遡及指定以前・増床以前の実績と以降の実績を合わせて報告する必要があるとされています。
妥結率 近畿厚生局の報告期限
近畿厚生局は、提出期限を「毎年11月30日(必着)」とし、11月30日が土日祝の場合は前開庁日まで、と明示しています。
提出方法は「郵送」であることも示されているため、院内の締切は“必着から逆算”して設定しないと、内部では間に合っても外部には届かない事故が起こり得ます。
実務的には、院内締切を「10月中に一次集計」「11月上旬に卸・本部確認」「11月中旬に決裁・押印」「余裕を持って発送」と区切ると、差し戻しや訂正が出た場合でも吸収しやすくなります。
特に郵送提出は、発送記録(簡易書留など)を残す運用にしておくと、送付の事実関係が後から確認でき、担当者交代の年も安心です。
なお、近畿厚生局は提出先として「各事務所(大阪府にあっては指導監査課)」と示しているため、自施設所在地の管轄確認も初動のチェック項目です。
妥結率 近畿厚生局の報告書様式
近畿厚生局は、妥結率等の実績について「報告様式」により提出するよう案内しており、薬局向けには「妥結率等に係る報告書(様式85)」を掲示しています。
さらに、一定の条件に該当する保険薬局は、卸売販売業者との取引価格決定に係る「契約書の写し等、妥結率の根拠となる資料」を添付する必要があると明示されています。
同ページでは、根拠資料の例として「契約書を交わしている場合は、取引価格の決定に係る契約書の写し」、交わしていない場合は「両者が押印により証明した確認書」等が挙げられています。
また、注意事項として「根拠資料は卸売販売業者ごとに作成」「一方で報告書は卸売販売業者ごとの数字を合算し1部作成」とされており、ファイル管理の設計を誤ると“集計は合っているが根拠の突合ができない”状態になりがちです。
薬価総額の考え方も「各医療用医薬品の規格単位数量×薬価(薬価基準)を合算」と説明されているため、内部集計(購買データ)と薬価基準の突合ルールを統一しておくと手戻りが減ります。
妥結率 近畿厚生局の独自視点
妥結率の文脈では「5割以下」「未報告」のペナルティ側に目が行きがちですが、近畿厚生局は、妥結率が5割以下または報告を行わない場合に「調剤基本料や初診料等について、所定点数より低い点数で算定」と明示しており、収益インパクトが“購買部門だけの話ではない”ことが読み取れます。
そこで独自視点として有効なのが、妥結率を「価格交渉の強さ」ではなく、「医薬品の価値を踏まえて、期中に価格を確定し、記録を揃える院内の合意形成力」と捉え直すことです。
たとえば、薬剤部・購買・経理・事務(診療報酬担当)が月1回だけでも“妥結状況の棚卸し”を行い、未妥結の理由(契約更新待ち、品目入替、卸側の提示待ち等)を短いメモで残すだけで、9月末に慌てて根拠を探す作業が激減します。
また、近畿厚生局は「品目ごとの内訳やリストは原則提出不要」としつつ、提出後に内訳提出を求める場合があるとしています。
つまり、提出物はミニマムでも、監査可能性を前提に“内部の説明可能性”を高めるのが安全で、院内では「提出は1枚、説明はいつでもできる」状態を目標にすると運用が安定します。
根拠一次情報(近畿厚生局):対象・計算期間・期限・根拠資料の考え方がまとまっています。
https://kouseikyoku.mhlw.go.jp/kinki/iryo_shido/26kaitei-daketsuritsu.html