プソフェキ配合錠 空腹時 理由
プソフェキ配合錠 空腹時 理由:フェキソフェナジンのバイオアベイラビリティ低下
プソフェキ配合錠(先発ディレグラ配合錠と同一有効成分の組み合わせ)が「空腹時」とされる最大の理由は、食後に服用するとフェキソフェナジン塩酸塩のバイオアベイラビリティが低下し、期待する効果が十分に発揮されない可能性があるためです。
国内の食事影響試験では、絶食時に対する食後投与時の血漿中フェキソフェナジンのCmaxとAUC0-72の幾何平均比(90%両側信頼区間)が、それぞれ0.29~0.43、0.33~0.43と「大きく低い」ことが示されています。
一方で、同試験のプソイドエフェドリンは、食後投与でもCmax 0.96~1.10、AUC0-72 0.90~1.00と、食事の影響がほぼ見られない範囲でした。
つまり「配合剤として空腹時」なのは、プソイドエフェドリン対策ではなく、フェキソフェナジンの血中濃度確保が主因と捉えると、現場の説明がブレにくくなります。
また、ディレグラ配合錠のQ&Aでは、食後内服でフェキソフェナジンのtmaxが延長し、CmaxやAUCが低下する傾向が整理されており、食事が“効き始めの遅れ”と“効きの弱さ”の両面に関わり得ることが読み取れます。
参考)https://www.ltl-pharma.com/common/pdf/product/dellegra/dellegra_faq.pdf
患者が訴える「飲んでいるのに鼻閉が残る」というケースでは、用法遵守だけで改善する可能性があるため、まず服薬タイミングを確認する価値があります。
(参考:数値で把握したい方向け)
ディレグラ配合錠Q&Aに示されたパラメータ例では、空腹時Cmax 350±143 ng/mLに対し食後Cmax 117±27.3 ng/mL、空腹時AUC0-72 2080±602 ng・h/mLに対し食後AUC0-72 770±185 ng・h/mLと、平均値ベースでも差が大きいことが示されています。
プソフェキ配合錠 空腹時 理由:空腹時の定義と服薬指導(起床時・夕方)
「空腹時」は患者さんの感覚でいう“お腹がすいている時”と一致しないことが多いため、定義の言い換えが重要です。
患者資材の表現としては「食事の直後以外の、胃の中に食べ物があまり入っていない時」という説明が採用されており、誤解が少ない言い方です。
実務上の目安としては、「起床時、夕方の空腹時」「朝食前、夕食前」のように生活リズムに寄せた案内が推奨されています。
一方で、国内臨床試験(PhaseII/III)では「朝食・夕食の1時間以上前または2時間以上後」という厳しめの条件が用いられたものの、Q&Aではこの条件を日常の服薬指導の目安にすることは勧めにくい、と明記されています。
理由は、食事時間が不規則な患者では“縛り”が強すぎると服薬そのものが崩れ、結果として鼻症状のコントロール不良につながる可能性があるためです。
この点は「理想は空腹時、ただし現実運用で継続できる説明にする」という、医療者の腕の見せ所になります。
服薬指導で使いやすいフレーズ例(院内で統一しやすい形)
- 「食後すぐは避けて、できれば食前か、食後しばらくしてからにしてください」
- 「朝は起きてすぐ、夕方は夕食の前がわかりやすいです」
- 「鼻づまりが強い時期だけ、必要最小限で使います」
プソフェキ配合錠 空腹時 理由:徐放機構(2層錠)と粉砕・半錠の注意
プソフェキ配合錠は、塩酸プソイドエフェドリンが徐放層、フェキソフェナジンが即放層の「2層式」フィルムコーティング錠であることが説明されています。
この構造上、噛んだり砕いたりすると徐放性が崩れ、薬物動態が変化して臨床効果や安全性に影響する可能性があるため、「粉砕投与はできない」「半錠分割はできない」とQ&Aで明確にされています。
空腹時の理由を説明する際に、つい“吸収が良いから”とだけ伝えると、患者が自己判断で粉砕したり、飲み合わせ(飲料)を工夫しようとして逆効果になることがあるため、「錠剤はそのまま水で」というセット指導が安全です。
また、服用後に有効成分放出後の殻錠(いわゆるゴーストタブレット)が糞便中に排泄されることがあり得る点も、患者不安に直結します。
参考)https://med.sawai.co.jp/file/pr51_4696.pdf
「薬が効いていないのでは?」という誤解が起きやすいので、交付時に一言添えるだけで再相談や自己中断を減らせます。
現場での説明テンプレ(短く・誤解を防ぐ)
- 「徐放の設計なので、砕いたり割ったりはしないでください」
- 「便に殻のようなものが出ても、成分は出た後の可能性があります」
プソフェキ配合錠 空腹時 理由:食後に飲んだ場合の実務(効果・再服用の判断)
食後に服用した場合に想定される“ズレ”は、主にフェキソフェナジンの血中濃度が下がり、症状(特に鼻閉)の改善が弱く出る、または効き始めが遅れる可能性です。
ただし、食後服用時の臨床効果を食前と比較した報告はない、とQ&A上は整理されているため、「食後に飲んだから必ず無効」と断定するのではなく、症状と内服状況をセットで評価する姿勢が現実的です。
医療者側の実務としては、まず次回から空腹時へ戻す指導を徹底し、それでも鼻閉が強ければ、添付文書の考え方に沿って抗ヒスタミン単独療法等への切り替えも含めて検討する流れになります。
患者からの典型的な質問と返答の軸
- Q:「食後に飲んじゃいました」→ A:「次から食後すぐは避け、起床時や夕食前に寄せましょう」
- Q:「時間を守れません」→ A:「縛りすぎて飲めなくなる方が困るので、続けやすい空腹時を一緒に決めましょう」
- Q:「効かない気がする」→ A:「食後だと効き目が弱くなる可能性があるので、まずタイミングを整えて評価しましょう」
プソフェキ配合錠 空腹時 理由:独自視点(飲料・トランスポーター阻害と“食事以外”の吸収低下)
検索上位では「食事(食後)で吸収が落ちる」が中心になりがちですが、臨床現場では“食事以外の飲み物”が吸収に影響しているケースも紛れます。
第一三共ヘルスケアの解説では、フェキソフェナジンを含む薬はグレープフルーツジュースと一緒に飲まないよう注意があり、腸からの吸収が邪魔されて効き目が弱くなる可能性が述べられています。
薬剤師会サイトでも、フェキソフェナジンはグレープフルーツジュースだけでなくリンゴジュースやオレンジジュースでも吸収が低下し得る、という注意喚起がされています。
この論点は「空腹時を守っているのに効きが悪い」患者で見落としやすく、聞き取りの質問を1つ増やすだけで原因に近づくことがあります。
参考)「くすり」の飲み方がわかる人になる! 11の疑問Q&A|セル…
問診のコツ(追加の一言)
- 「お水で飲めていますか?ジュースやスポーツドリンクで飲んでいませんか?」
参考)お薬について気を付ける事
なお、ディレグラ配合錠の有効成分のうち塩酸プソイドエフェドリンは一部ドーピング規制に該当し得るため、競技者では競技会前の確認が必要です。
“空腹時”の話から外れない範囲で言うと、服薬指導の場面で「競技(大会)が近い方は必ず申告を」という一言が、後から大きなトラブルを防ぐことがあります。
(必要に応じて論文引用:臨床試験の根拠としてQ&A内で引用されている文献)
ディレグラ配合錠Q&Aでは、国内臨床試験(PhaseII/III)の出典として「大久保公裕:アレルギー・免疫.2012;19(11):1770-1782」が提示されています。
引用元(リンク):ディレグラ配合錠 Q&A(空腹時投与の理由・指標)
有用情報(数値の根拠:食後でフェキソフェナジンのCmax/AUCが低下する90%CIが載っている部分)
プソフェキ配合錠「サワイ」Q&A(食事の影響:Cmax/AUCの幾何平均比)
有用情報(飲み物でフェキソフェナジンの吸収が低下し得る点:服薬指導に使える一般向け解説)
第一三共ヘルスケア:薬の飲み方Q&A(フェキソフェナジンとグレープフルーツジュース)

【第2類医薬品】フェキソフェナジン錠AG 56錠