計量混合加算 算定要件
計量混合加算 算定要件の「薬価基準」「2種類以上」「1調剤行為」
計量混合加算(計量混合調剤加算)は、薬価基準に収載されている2種類以上の医薬品(液剤・散剤/顆粒剤・軟/硬膏剤に限る)を、計量し、かつ混合して、内服薬(内服/屯服)または外用薬として調剤した場合に算定するという枠組みです。根拠として、厚生労働省の「調剤報酬点数表に関する事項」では、投薬量・投薬日数に関係なく「計量して混合するという1調剤行為」に対して算定できる旨が明記されています。
この「1調剤行為」が実務で一番ブレやすい論点で、処方が複数ある場合に“混合を行った回数”で考えるのか、“処方箋受付1回”で考えるのかを混同すると請求の過不足が起きます。算定単位の理解は、同じ文書内で「1剤」「1調剤」などが厳密に定義されている点ともセットで押さえると、監査や新人教育の説明が格段に通りやすくなります。
実務でのチェック項目は、まず次の3点です。
- 混合する薬剤が「薬価基準に収載」されているか(賦形剤も含め、処方・使用実態を確認)
- 「2種類以上」を満たすか(1成分でも規格違い・銘柄違いは別物扱いにならない場面があるため注意)
- 本当に「計量」と「混合」を行ったか(単なる小分け・取り揃えでは要件になりにくい)
ここで意外に見落とされるのが、“混合した結果として剤形が変わっていないか”という視点です。剤形が変わる加工が本体の行為になっているなら、計量混合ではなく自家製剤加算等で整理されるべきケースが生じます(例:錠剤粉砕→散剤化して混合など)。この切り分けは点数だけでなく、薬学的リスク管理(均一性・安定性・吸湿など)を説明するうえでも重要になります。
(権威性のある参考:算定の基本定義と併算定不可の考え方)
計量混合加算 算定要件で算定できないケース(分包品・同一剤形同一規格・自家製剤加算)
算定できない典型は「計量・混合という手技が実質的に発生していない」か、「別の加算で評価される/されるべき行為と重なる」場面です。厚生労働省の「調剤報酬点数表に関する事項」では、計量混合調剤加算のただし書に該当する具体例として、自家製剤加算を算定した場合や、薬価基準に収載されている薬剤と同一剤形・同一規格を有する薬剤を調剤した場合などが示されています。さらに、あらかじめ所定の分量が計量された分包品を使用して調剤した場合には算定できない旨も整理されています。
現場では、次のような“うっかり算定”が返戻・査定に繋がりやすいです。
- 散剤の分包品をそのまま合わせただけで、実際には秤量・混合をしていない
- 「混ぜた」つもりでも、患者に交付する形が実質的に“別包”で混合になっていない
- 自家製剤加算(剤形変化を伴う)と計量混合加算(剤形変化なし)の役割分担が曖昧
あまり知られていない落とし穴として、“予製剤っぽく見える運用”が疑義を呼ぶ点があります。複数患者に同一配合・同一量で連月に渡り同種処方が続くと、審査側から「都度調剤ではなく予製では?」という視点が入りやすく、摘要欄に都度調剤の必要性が見えないと不利になり得ます。これは、薬局側が実際に予製していなくても、レセプト上の見え方が悪いだけで疑義を誘発するという意味で“実務の文章力”が結果を左右する領域です。
(現場目線で算定可否・摘要の重要性がまとまっている資料)
薬剤調製料に係る各種加算について(計量混合調剤加算・自家製剤加算等の整理)
計量混合加算 算定要件と疑義解釈(乳幼児・微量・賦形剤・矯味剤)
計量混合加算は「薬価基準に収載されている2種類以上の医薬品を混合」が原則ですが、例外的に、乳幼児で微量のためそのままでは調剤または服用が困難な場合に、医師の了解を得て賦形剤や矯味矯臭剤等を混合し、正確または容易に服用できるようにした場合も算定できる、という整理が公的文書に明示されています。つまり、賦形剤等を混ぜた時点で“2種類以上”を満たし得るが、無条件ではなく「乳幼児」「微量」「医師了解」「薬学的に問題ない」「同一剤形同一規格が既にあるなら不可」といった条件が連動します。
この領域で重要なのは、算定の可否を「患者背景」と「処方意図」で説明できるかどうかです。単に“粉が少ないから乳糖足した”では弱く、次の要素が揃うほど説得力が上がります。
- 微量であること(分包・秤量・服用の困難性が具体的に説明できる)
- 乳幼児であること(年齢・体重レンジ等、支援の必要性が想像できる)
- 医師の了解を得たこと(疑義照会の実施記録)
- 賦形剤等も薬価収載であり、処方欄記載や摘要で明確にできること
意外なポイントは、「賦形剤を混ぜた事実」自体がレセプト上で見えない運用になっていると、算定の正当性が伝わらず不利になることです。上の研修資料でも、疑義照会の結果や賦形剤混合の旨が確認できず査定になった事例が示され、処方欄へ賦形剤を記載する、摘要へコメントを残す、といった回避策が言及されています。
監査で問われたときに備え、薬歴・調剤録に「なぜ混合が必要か(治療上/服薬支援上)」と「安全性の根拠(配合変化・安定性の確認方法)」を短文でも残すと、現場の防御力が上がります。
計量混合加算 算定要件と点数(液剤・散剤/顆粒剤・軟/硬膏剤)
点数は改定の影響を受けるため、最終確認は必ず最新の点数表・告示を参照すべきですが、現場運用としては「剤形区分ごとに点数が異なる」ことと、「予製剤の場合は所定点数の20%相当」といったルールをセットで覚えておくと入力・監査に強くなります。実務で迷いやすいのは、ドライシロップの扱いです。厚生労働省の「調剤報酬点数表に関する事項」では、ドライシロップ剤を液剤と混合した場合は計量混合調剤加算を算定する旨が整理されています。
また、同じ文書で時間外加算等の「基礎額」に含める/含めないの範囲が説明されており、計量混合調剤加算は基礎額に含まれない、と明記されています。ここを知らないと、「時間外で混合したから、加算にも影響するはず」と誤解した説明になり、上司チェックや監査の質疑で不利になります。
運用のコツとして、レセコン任せにしないための“入力前チェック”を持つと事故が減ります。
- 混合対象は薬価収載か(特に賦形剤・乳糖等)
- 分包品使用ではないか(使用した場合は算定不可になり得る)
- 自家製剤加算や嚥下困難者用製剤加算など、他加算との関係は整理できているか
計量混合加算 算定要件の独自視点:査定されにくい摘要欄テンプレと「予製」誤解の回避
検索上位記事が触れがちな「算定できる/できない」の二択だけでは、実務の事故は減りません。査定は、要件未充足そのものだけでなく、「満たしているのに伝わらない」ことで起きるため、記録と表示の設計が重要です(特に連月同一処方、乳幼児賦形、混合理由が服薬支援目的のとき)。前掲の研修資料では、同様処方が連月で散見されることで予製剤ではないかと疑われ査定になった事例が示され、摘要欄に都度調剤の必要性が見えないと不利になり得る、という示唆が得られます。
現場で使える“摘要欄の短文化テンプレ(例)”を、状況別に用意しておくと、属人化せずに防御力が上がります。
- 乳幼児・微量: 「微量のため調剤/服用困難。疑義照会の結果、医師了解のもと賦形剤(乳糖○g)を混合し分包」
- 配合変化・分割回避: 「配合変化回避のため本処方は混合せず別包。混合対象のみ計量混合を実施(薬学的判断)」
- 予製誤解の回避: 「皮膚症状・部位に応じ用量調整が必要で都度混合。患者ごとに指示量が異なり予製不可」
さらに一歩踏み込むなら、混合の品質確保という観点で「再現性」を言語化できると強いです。例えば、軟膏混合であれば混和手順(練合法の選択、基剤の性状、混和順序、気泡・分離の回避)、散剤混合であれば秤量精度や分割法(一括混合→分割、段階希釈など)の考え方を、薬局内マニュアルに落としておくと、監査対応が“個人の経験”から“組織の手順”へ格上げされます。これは点数算定の話に見えて、実は医療安全と品質管理の話であり、上司チェックでも評価されやすい観点です。

面白いほどよくわかる!調剤報酬 vol.1 薬剤調製料編【令和6・7年度対応】【Newレイアウトver】 面白いほどよくわかる!調剤報酬(令和6・7年度対応)