漢方薬ツムラ一覧
漢方薬ツムラ一覧の製品番号と五十音順の見方
医療用の「ツムラ漢方」は、処方名(葛根湯、五苓散など)に加えて、製品番号(TJ-1、TJ-17…)で運用される場面が多く、在庫管理や処方監査では番号での照合が速いのが実務的な利点です。ツムラの「医療用漢方製剤一覧」では、TJ番号と処方名が並び、さらに五十音順索引も付くため、処方名→番号、番号→処方名のどちらからでも引ける構造になっています(例:葛根湯=TJ-1、五苓散=TJ-17など)。
現場で混乱しやすいのが「似た処方名」「似た番号帯」です。例えば、五苓散(TJ-17)は“水滞”の代表格として知られますが、五淋散(TJ-56)は排尿痛・残尿感など泌尿器寄りの効能効果で、名称が似ていても臨床の狙いは異なります。番号で一旦固定してから、効能効果(添付文書の「効能又は効果」)を読み直す癖があると、取り違えを減らせます。
また、ツムラの一覧表は「効能又は効果」を簡潔に収載している一方、同一方剤名でも他社品や一般用(OTC)では適応表現や注意事項が異なる場合があります。処方監査や患者説明で迷ったら、一覧表で当たりを付け、最終的には電子添文(PMDAなど)で確認する運用が安全です。
漢方薬ツムラ一覧の効能効果と用法用量の要点
ツムラ医療用漢方製剤の多くは、成人1日量7.5gを2〜3回に分割し、食前または食間に投与する、と一覧表に明記されています。例外として、9.0g/日の処方(TJ-19、TJ-29、TJ-34、TJ-64、TJ-77、TJ-90、TJ-92、TJ-108、TJ-114)、10.5g/日(TJ-97)、15.0g/日(TJ-99、TJ-100)、18.0g/日(TJ-98)などが一覧表にまとめられており、監査上のチェックポイントになります。
「なぜ一部だけ用量が違うのか」は、配合生薬量や製剤設計の都合だけでなく、臨床で求める薬効の強さや適応の幅とも関係します。例えば、大建中湯(TJ-100)は腹部膨満や腹痛に使われ、一覧表でも15.0g/日と明示されていますが、術後イレウスなど“いま効かせたい”局面で用量を落としにくい処方として扱われがちです(もちろん最終判断は添文・患者状態)。
効能効果の表現も、漢方独特の「証」ではなく、西洋医学的な症状・疾患名を多く含む形式で記載されています。たとえば、葛根湯(TJ-1)は感冒・鼻かぜ・熱性疾患初期だけでなく、炎症性疾患(結膜炎、中耳炎、扁桃腺炎など)や肩こり等まで含むように書かれており、添付文書の表現をそのまま理解しておくと適応逸脱の誤解を防げます。
(安全側の実務メモ)食前/食間の説明は、患者さんにとって難所になりやすいので、服薬指導では「食間=食事と食事の間(食後2時間くらい)」など具体化して伝えると、アドヒアランスが上がりやすいです。いっぽうで、胃部不快感などが出る患者では、医師へ相談のうえタイミング調整が入ることもあるため、症状の聞き取りもセットで行うのが現実的です。
漢方薬ツムラ一覧の副作用と禁忌と相互作用(甘草・麻黄)
ツムラの一覧表は「警告」「禁忌」「相互作用」「重大な副作用」等が整理されており、全処方を横断して眺められるのが強みです。特に、麻黄を含む処方では、交感神経刺激作用の増強を踏まえ、エフェドリン類含有製剤やMAO阻害薬、甲状腺製剤、カテコールアミン製剤、キサンチン系製剤などとの併用注意が一覧として示されています。
甘草(カンゾウ)関連では、偽アルドステロン症(低K血症、血圧上昇、浮腫、体重増加など)が代表的で、利尿薬併用や他のグリチルリチン酸含有製剤との重複でリスクが上がる点が、一覧表の相互作用欄でも具体的に記載されています。さらに、カンゾウ1日量2.5g以上含有の一部処方は禁忌(アルドステロン症、ミオパチー、低K血症)として整理されており、「甘草が多い処方=誰にでも出せるわけではない」ことを番号レベルで確認できます。
「漢方はマイルド」という先入観が、監査の穴になりがちです。実際、一覧表の重大な副作用には、間質性肺炎(複数処方で注意喚起)や、偽アルドステロン症からの重篤な不整脈リスク(例:芍薬甘草湯(TJ-68)では、うっ血性心不全、心室細動、心室頻拍(Torsade de Pointesを含む)などが挙げられている)が明示されています。
(現場で役立つチェック項目)
- 併用薬:ループ/チアジド利尿薬、ステロイド、グリチルリチン酸含有製剤の有無。
- 検査:長期・高リスクなら血清K、血圧、浮腫、CK(筋症状があれば)。
- 症状:動悸、脱力感、こむら返り、息切れ、咳・発熱(間質性肺炎を疑う症状)。
これらは“漢方だから不要”ではなく、一覧表が示す通り、処方選択と同じ重みでモニタリング設計が必要です。
漢方薬ツムラ一覧の腸間膜静脈硬化症(山梔子)と長期投与の落とし穴
意外と知られていないが重要なのが、山梔子(サンシシ)を含む処方の長期内服と関連が指摘される「腸間膜静脈硬化症」です。ツムラの一覧表でも、重大な副作用として「腸間膜静脈硬化症」が挙げられ、長期投与で腹痛、下痢、便秘、腹部膨満の反復や便潜血陽性などがあれば中止し、CT・大腸内視鏡等の検査を行うよう注意喚起されています。
さらに臨床向け解説では、山梔子含有漢方薬の服用期間が長いほどリスクが上がり、多くは5年以上の内服が背景にある、というデータが紹介されています。全国調査の整理として、平均服用期間13.6年、5年以上が92.6%、10年以上が69.5%など、長期服用の偏りが強い点が報告されており、「長く続いている処方ほど安全」という直感が逆転する領域です。
慢性疾患(更年期障害、皮膚症状、慢性副鼻腔炎、泌尿器症状など)で漫然継続されやすい処方が対象になり得るため、定期的な“続ける理由の棚卸し”が薬剤師・医師双方に求められます。薬歴で「ずっと同じ漢方」「年単位で変化なし」と見えた時に、消化器症状や便潜血、腹部画像歴を確認し、必要なら医師へ情報提供する、という動線を作ると実害を減らせます。
参考(腸間膜静脈硬化症の解説・リスク因子の整理):

漢方薬ツムラ一覧を使う処方監査の独自視点(番号→生薬→検査で逆引き)
検索上位の「番号一覧」「効能効果一覧」は便利ですが、医療現場で本当に効くのは“逆引き”です。つまり、①ツムラ番号で処方を特定→②その処方が含みやすいハイリスク生薬(甘草、麻黄、山梔子など)を想起→③併用薬・検査・症状に落とし込む、というワークフローを定型化すると、忙しい外来や病棟でも安全性が担保しやすくなります。
例えば「TJ-68(芍薬甘草湯)」が出たら、“こむら返り=症状は軽く見えやすいが、甘草負荷と低Kの見落としは重くなり得る”と発想し、利尿薬の有無とK値を確認する、という一連の動作が自然になります。ツムラの一覧表は、偽アルドステロン症だけでなく、低Kに続くミオパチーや不整脈リスク、さらには芍薬甘草湯に関する重大な副作用が明示されているため、「注意してね」ではなく具体的に監査に落とせます。
同様に「TJ-9(小柴胡湯)」では、インターフェロン製剤との併用禁忌や、間質性肺炎に関する警告・禁忌が一覧表で強調されています。病名や患者背景(肝硬変、肝癌、血小板低値など)と紐づけて確認することで、“漢方だから”という例外扱いを排し、他の内服薬と同等の厳密さで管理できます。
参考(PMDAの添付文書検索:個別製剤の最新改訂日の確認に便利):
参考(ツムラ医療用漢方製剤一覧PDF:用法用量の例外や重大な副作用の横断確認に便利):
https://medical.tsumura.co.jp/sites/default/files/resources/pdf/products/index/484.pdf
