- 特定保険医療材料の商品名一覧
- 公式データへのアクセス手順
- PDFリストの読み方と注意点
- [価格]と[コード]がひと目でわかるエクセルやPDFの活用術
- 特定器材マスターの構造理解
- Excelでの検索・加工テクニック
- 意外と知らない「経過措置」の表記
- [検索]で見つからない時に試すべき3つの裏技
- 1. 添付文書の「保険適用」欄を確認する
- 2. 「機能区分」から逆引きする
- 3. 卸(ディーラー)のWeb発注システムを活用する
- [区分]ごとの主な商品名ピックアップと算定の注意点
- 001 血管造影用カテーテル類
- 009 創傷被覆材(ドレッシング材)
- 040 在宅血液透析用特定保険医療材料
- 133 皮下グルコース測定用電極
- [改定]情報の更新タイミングと2025年の動向
- 改定スケジュールの変更(6月施行へ)
- いわゆる「逆ザヤ」問題と今後の価格設定
特定保険医療材料の商品名一覧
医療事務や購買管理の現場において、「特定保険医療材料」の正確な商品名や価格、コードの確認は避けて通れない業務です。しかし、インターネット上で単純に「商品名一覧」と検索しても、すべての製品が網羅された見やすいページがヒットすることは稀です。これは、特定保険医療材料が膨大な数に及び、かつ頻繁に改定や新製品の追加が行われているためです。
本記事では、厚生労働省の公式データを基にした確実なリサーチ方法から、現場で役立つ具体的な製品カテゴリの事例、そして検索で見つからない時の対処法までを深掘りします。3000文字を超える情報量で、新人からベテランまで実務に直結する知識を提供します。
[最新]の特定保険医療材料リストを厚生労働省のサイトで確認する方法
最も確実かつ権威ある「商品名一覧」は、厚生労働省が公開しているデータです。しかし、厚労省のサイトは階層が深く、目的のファイルにたどり着くのが難しいことで知られています。ここでは、最新のリストへ最短でアクセスする手順と、そのデータの読み解き方を解説します。
公式データへのアクセス手順
特定保険医療材料のリストは、主に「診療報酬改定」のページ内に格納されています。
- 検索キーワード: 「厚生労働省 特定保険医療材料 材料価格基準」で検索します。
- ターゲットページ: 「令和○年度診療報酬改定について」というタイトルの厚労省ページを開きます。
- ファイルの種類: 以下の2種類のファイルを探してください。
- 告示・通知(PDF形式): 正式な文書として、機能区分ごとに製品が列挙されています。
- マスタデータ(Excel/CSV形式): 「診療報酬情報提供サービス」のサイトで配布されている「特定器材マスター」です。実務で一覧を作成したり、システムに取り込む場合はこちらが必須です。
PDFリストの読み方と注意点
厚労省のPDFリスト(材料価格基準)は、機能区分(大分類)の中に製品名(個別商品)が記載される構造になっています。
- 機能区分コード: 例「001」「002」などの番号。
- 製品名: メーカーが販売している具体的な名称。
- 価格(償還価格): 保険請求できる公定価格。
ここで重要なのが、「リストに載っている名前」と「パッケージの製品名」が微妙に異なるケースです。例えば、リスト上では「○○カテーテルセット」となっていても、実際の箱には「○○カテーテルキット」と書かれている場合があります。この不一致が検索の壁となるため、必ず「製品コード(JANコード)」や「承認番号」を補助的に使って照合する必要があります。
令和6年度診療報酬改定について – 厚生労働省
※上記リンクは改定情報のポータルです。最新の「特定保険医療材料及びその材料価格」のPDFが確認できます。
[価格]と[コード]がひと目でわかるエクセルやPDFの活用術
現場で「特定保険医療材料一覧」を作成・管理する場合、PDFを目視確認するのは非効率です。ここでは、ExcelやCSV形式の「特定器材マスター」を活用して、価格とコードが紐付いた独自の商品名リストを作成するテクニックを紹介します。
特定器材マスターの構造理解
診療報酬情報提供サービスからダウンロードできる「特定器材マスター」には、以下のような情報が1行にまとまっています。
- 特定保険医療材料コード(7桁など): レセプト請求で必須となるコード。
- 漢字名称: レセプトに印字される名称(文字数制限あり)。
- カナ名称: 読み仮名。
- 単位: 「個」「組」「cm」など。
- 新・旧価格: 改定前後の価格が並記されていることが多いです。
Excelでの検索・加工テクニック
- フィルタ機能の活用: ダウンロードしたCSVをExcelで開き、ヘッダー行にオートフィルタをかけます。「漢字名称」の列で、探している製品の一部(例:「カテーテル」「フィルム」)を入力して絞り込みます。
- 価格の並び替え: 償還価格が高い順、安い順に並び替えることで、院内で採用している材料のコスト分析が可能です。特に高額な材料(ペースメーカーや人工関節など)は、価格改定の影響を受けやすいため、個別の管理表を作っておくことを推奨します。
- JANコードとの紐付け: 医療材料のディーラーから入手できる「商品マスタ」にはJANコードが含まれています。厚労省のマスタとJANコードをVLOOKUP関数などで突合することで、「手元の商品のバーコード」から「保険請求コードと価格」を即座に引ける最強の一覧表が完成します。
意外と知らない「経過措置」の表記
Excelリストには「経過措置期限」という列が含まれることがあります。これは、「この日以降、そのコードや価格では請求できなくなる」というデッドラインです。
- 商品名変更: 製品名が変わった場合、古い名称のコードには期限が設定されます。
- 価格改定: 価格が変わる際、旧価格のコードが廃止され、新価格のコードが発行されます。
一覧表をメンテナンスする際は、この「期限切れコード」を誤って使い続けないよう、条件付き書式で色付けするなどの対策が不可欠です。
[検索]で見つからない時に試すべき3つの裏技
「商品名で検索しても、厚労省のリストにもメーカーサイトにも『特定保険医療材料』としての記載が見つからない」。そんな経験はないでしょうか。これは、その製品が「特定保険医療材料ではない(手技料に含まれる)」か、「総称で登録されている」かのどちらかである可能性が高いです。ここでは、検索の壁を突破する3つの視点を紹介します。
1. 添付文書の「保険適用」欄を確認する
最も確実な裏技は、PMDA(医薬品医療機器総合機構)のサイトで製品の添付文書(電子添文)を検索することです。
- 添付文書の上部や備考欄に「本品は特定保険医療材料である」という記述があれば確実です。
- 逆に「一般医療機器」「雑品」扱いであり、特定の機能区分コードが記載されていない場合は、個別の材料費としては請求できません(処置料などに含まれます)。
2. 「機能区分」から逆引きする
商品名がズバリ載っていない場合、その製品が属する「カテゴリ(機能区分)」で登録されている可能性があります。
例えば、「○○ガーゼ」という商品名がリストになくても、「非固着性シリコンガーゼ」という機能区分で請求できる場合があります。
- 手順: 製品のカタログやメーカーに問い合わせて、「どの機能区分(例:009 創傷被覆材)に該当するか」を確認します。
- 確認後: その機能区分コードで厚労省リストを検索し、該当する価格を適用します。商品名そのものがリストになくても、機能区分が合致していれば請求可能なケース(包括請求など)があるため、この「逆引き」は重要です。
3. 卸(ディーラー)のWeb発注システムを活用する
医療材料の卸業者が提供しているWeb発注システムは、実は最強のデータベースです。
- 発注画面で商品名を検索すると、詳細画面に「償還価格」「請求コード」が表示されるシステムが多いです。
- これは商用データベースならではの利便性で、厚労省の無機質なリストよりもはるかに検索性が高いです。発注権限がない場合でも、閲覧用のアカウントがないか事務長などに相談してみる価値はあります。
[区分]ごとの主な商品名ピックアップと算定の注意点
ここでは、頻繁に検索される主要な特定保険医療材料の区分と、代表的な商品名(またはそのタイプ)、そして算定時の落とし穴について解説します。これらは「商品名一覧」を作る際に核となる項目です。
001 血管造影用カテーテル類
循環器内科がある施設では必須の項目です。
- 主な製品: マイクロカテーテル、ガイディングカテーテルなど。
- 注意点: カテーテルは「機能」によって価格が数万円単位で異なります。「標準型」なのか「特殊型(可動式など)」なのか、商品名の末尾や型番だけで判断せず、必ず定義を確認してください。
009 創傷被覆材(ドレッシング材)
皮膚科や形成外科、訪問看護で多用されます。
- 主な製品名: デュオアクティブ、ハイドロサイト、メピレックスなど。
- 算定の罠:
- 「真皮に至る創傷用」と「皮下組織に至る創傷用」で価格が異なります。
- 商品名が同じでも、サイズや厚みによって区分が変わることがあります。
- また、3週間(または2週間)を限度とする算定日数の制限が厳しいため、レセプト摘要欄への開始日記載が必須です。
040 在宅血液透析用特定保険医療材料
在宅医療の普及に伴い重要度が増しています。
- 主な製品: ダイアライザー、血液回路。
- 注意点: これらは「在宅」での使用を前提としたセット価格になっていることが多く、入院中の透析とは算定ロジックが異なります。
133 皮下グルコース測定用電極
糖尿病管理で使われるセンサー類です。
- 主な製品名: フリースタイルリブレ センサーなど。
- 独自視点: 以前は「血糖自己測定器加算」の中に含まれていましたが、区分が整理され、特定の条件下で材料として算定できるケースや、管理料に含まれるケースが混在しています。商品名だけでなく「患者がインスリンを使用しているか」などの背景条件が算定可否を分けます。
機能区分 代表的な製品イメージ 算定時の注意キーワード 血管造影用シース イントロデューサー 弁の有無、サイズの適合 人工腎臓 ダイアライザー 膜面積、機能分類(Ⅰ~Ⅴ) 中心静脈カテーテル CVキット ルーメン数(シングル/マルチ)、抗血栓性 輸液ポンプ用セット 専用ライン ポンプ本体との適合性、自然落下式との区別 [改定]情報の更新タイミングと2025年の動向
特定保険医療材料の価格やリストは不変ではありません。特に2024年度以降、改定のスケジュールやルールに大きな変化が生じています。古い「商品名一覧」を信じて請求すると、返戻(へんれい)や査定の原因となります。
改定スケジュールの変更(6月施行へ)
従来、診療報酬改定は4月1日施行が通例でしたが、2024年度改定からは「6月1日施行」へと後ろ倒しされました(薬価は4月の場合もあるため注意)。
- 影響: 4月~5月は「新しい点数表」と「古い材料価格」が混在する期間となる可能性があります。
- 対策: 厚労省からの通知は3月頃に出ますが、実際のシステム反映やマスタ更新は6月1日に合わせて行う必要があります。「4月になったから新価格」と思い込まないよう注意が必要です。
いわゆる「逆ザヤ」問題と今後の価格設定
近年、「材料の購入価格(実勢価格)」が「償還価格(公定価格)」を上回ってしまう「逆ザヤ」が問題視されています。
- 背景: 原材料費の高騰や円安、輸送コストの上昇により、メーカーの納入価格が上がっています。一方で、公定価格は市場実勢価格調査(安く買えている病院のデータも含む)に基づいて引き下げられる傾向にあります。
- 2025年以降の視点: 2026年度に向けて、この「逆ザヤ」を解消するための新たな価格算定ルールの導入が検討されています(例:一定の条件下での価格引き上げや、チャレンジ申請の拡充など)。
- 実務での対応: 購買担当者は、商品名一覧に「償還価格」だけでなく「当院の納入価格」を併記し、差益が出ているか、持ち出し(赤字)になっていないかを常にモニタリングする必要があります。赤字の材料については、より安価な代替品(ジェネリック的な材料)への切り替えや、ベンダーとの価格交渉の材料として、この「商品名一覧」を活用してください。
特定保険医療材料の一覧とコード検索の参考情報
※過去の改定データですが、コード体系や品目の基本構造を理解するのに役立ちます。
【2024年度改定版】特定保険医療材料の算定要件や注意点
※算定要件の変更点や、在宅医療における材料の取り扱いについて詳細に解説されています。

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