パタノールとコンタクトレンズの安全な使い方
パタノール点眼液の有効成分はオロパタジン塩酸塩で、ヒスタミンH1受容体をブロックし、アレルギー症状を抑制します。花粉症やアレルギー性結膜炎に広く処方され、即効性と持続性の両面で優れています。副作用は少なく、まれに一時的な刺激感や眼痛があるものの、全身性の副作用は非常に少ないとされています。
【参考】有効成分や薬理作用について詳しくはKEGG DRUGデータベースをご覧ください。
パタノール点眼液には防腐剤(ベンザルコニウム塩化物)が含まれているため、点眼前にコンタクトレンズを外し、点眼後15分以上経過してから再装着することが推奨されています。防腐剤は角膜やレンズへの影響が懸念されるため、装着したままの点眼は避けるべきです。特にソフトコンタクトの場合、薬剤の吸着やレンズ変質のリスクがあります。
詳しいコンタクトレンズ取扱いの根拠や禁忌例については以下の専門ページが参考になります。
パタノール点眼液は他の抗アレルギー点眼薬と併用する場合、5分以上間隔を空けて使用します。また全身移行量はごくわずかで重大な飲み合わせは多くありませんが、他の抗ヒスタミン薬の内服薬と合わせると眠気の副作用などが強く出る場合があるため、事前に医師や薬剤師に相談しましょう。防腐剤入り目薬の重複にも要注意です。
抗アレルギー薬の比較情報や詳細な併用注意点については以下が役立ちます。
副作用頻度は4.8%前後で、主に眼痛や刺激感、軽いしみる感じですが一過性です。ごく稀に角膜炎やまぶたの腫れといった症状が長引くこともあるため、異常を感じたら主治医へ相談してください。全身性の副作用(眠気・口渇など)はほとんどありません。安全性は高いものの、自覚症状の変化には敏感に対応しましょう。
副作用や安全性情報の根拠は以下にまとまっています。
実は近年、防腐剤フリー点眼薬の開発が進み、アレジオン(LX)点眼液など一部点眼薬ではコンタクト装着時でもそのまま点眼可能な製品も登場しています。ただしパタノールは現状、防腐剤が含まれているため必ずレンズを外す必要があります。レンズケアや装着間隔を工夫することで快適な治療継続が可能となるため、眼科医と相談しながら最適な使用法を選択すると良いでしょう。