ご飯を食べると背中が痛い左の原因、膵臓の病気や危険なサイン?

ご飯を食べると背中が痛い左の原因

食後の左背部痛、考えられる原因
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膵臓の病気

急性膵炎や慢性膵炎、膵臓がんなど、膵臓の炎症や腫瘍が背中に痛みを引き起こすことがあります。特に脂肪分の多い食事の後に痛みが強くなる傾向があります。

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胃・十二指腸の疾患

胃潰瘍や十二指腸潰瘍、逆流性食道炎なども背部痛の原因となります。みぞおちの痛みと共に、背中に放散するような痛みを感じることがあります。

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内臓以外の原因

悪い姿勢による筋肉の緊張や、ストレスによる自律神経の乱れも、食後の背部痛を誘発する一因です。内臓に異常がなくても痛みは起こり得ます。

ご飯を食べると背中が痛い左の原因となる膵臓の病気とは?

 

食後に左の背中が痛む場合、まず鑑別に挙げられるのが膵臓の疾患です 。膵臓は胃の裏側、背骨の前に位置するため、膵臓に炎症や腫瘍ができると痛みが背中に放散(関連痛)することがよくあります 。特に、食事によって消化酵素の分泌が活発になることで、症状が誘発・増悪するのが特徴です。

  • 急性膵炎
    急性膵炎は、何らかの原因で膵臓から分泌される消化酵素が膵臓自体を消化してしまうことで起こる急性の炎症です 。主な原因はアルコールの過剰摂取と胆石です 。症状としては、上腹部の激しい痛みが特徴で、しばしば左の背中や肩に突き抜けるような痛み(放散痛)を伴います 。特に脂肪分の多い食事やアルコールを摂取した数時間後に痛みが強くなる傾向があります 。吐き気、嘔吐、発などを伴うことも多く、重症化すると多臓器不全に至ることもあるため、迅速な診断と治療が不可欠です 。
  • 慢性膵炎
    慢性膵炎は、長期間にわたる膵臓の炎症により、膵臓の組織が硬くなり機能が低下していく病気です 。最も多い原因は長年の習慣的な飲酒です 。初期には急性膵炎のような激しい痛みを繰り返しますが、進行すると持続的な背中の痛みや腹部の鈍痛に変わっていきます。また、消化酵素の分泌が低下するため、脂肪分を消化できずに脂肪便(白っぽく、水に浮く便)が出たり、インスリンの分泌が低下して糖尿病を発症したりすることがあります。
  • 膵臓がん
    膵臓がんは初期症状が非常に乏しく、早期発見が難しいがんの代表です 。進行すると、腹痛や背部痛、食欲不振、体重減少、黄疸(皮膚や白目が黄色くなる)などの症状が現れます 。背中の痛みは、がんが膵臓の後ろにある神経叢(腹腔神経叢)に浸潤することで生じ、持続的で夜間に増悪するのが特徴です 。食後の腹部膨満感や背中の重苦しさが続く場合は、安易に考えず精密検査を受けることが重要です。

膵臓疾患の診断には、血液検査(アミラーゼ、リパーゼなど)、腹部超音波(エコー)検査、CT検査、MRI検査などが用いられます。特にCTやMRIは、膵臓の状態を詳細に評価するのに有用です。

参考情報:膵臓の病気と症状について、多聞内科クリニックの解説ページでさらに詳しく知ることができます。
https://tamon-naika.com/column/suizou_itami

ご飯を食べると背中が痛い左で注意すべき胃・十二指腸の疾患

食後の左背部痛は、膵臓だけでなく、胃や十二指腸といった消化管の疾患が原因である可能性も考慮する必要があります 。これらの臓器は背中側の神経ともつながっているため、炎症や潰瘍が背部痛として感じられることがあります。

  • 胃潰瘍十二指腸潰瘍
    胃潰瘍や十二指腸潰瘍は、胃酸によって臓器の粘膜が深く傷つけられた状態です 。主な原因はヘリコバクター・ピロリ菌の感染や、非ステロイド性抗炎症薬NSAIDs)の副作用です 。主な症状はみぞおちの痛みですが、潰瘍が深い場合や膵臓にまで炎症が及ぶ(潰瘍穿通)と、背中にまで痛みが放散することがあります 。一般的に、食事中から食後に痛むのが胃潰瘍、空腹時に痛んで食事をとると和らぐのが十二指腸潰瘍の特徴とされています。胸やけや吐き気、吐血、下血(タール便)を伴うこともあります 。
  • 逆流性食道炎
    逆流性食道炎は、胃酸や十二指腸液が食道に逆流することで、食道の粘膜に炎症を引き起こす病気です 。主な症状は胸やけ、呑酸(酸っぱいものが上がってくる感じ)、胸の痛みですが、関連痛として背中に痛みを感じることもあります。脂肪分の多い食事、食べ過ぎ、食後すぐに横になる習慣、腹圧の上昇などが原因となります 。
  • 機能性ディスペプシア
    内視鏡検査などで潰瘍やがんといった器質的な異常が見つからないにもかかわらず、胃もたれ、早期飽満感、みぞおちの痛みなどの症状が慢性的に続く状態です。原因は完全には解明されていませんが、胃の運動機能異常や知覚過敏、ストレス、生活習慣の乱れなどが関与していると考えられています 。症状の一つとして、背中の張りや痛みを感じる人もいます。

これらの疾患は、主に上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)によって診断されます。ピロリ菌の検査も同時に行われることが一般的です。

ご飯を食べると背中が痛い左で見逃してはいけない危険なサインと病院受診の目安

ご飯を食べると背中が痛い」という症状の中には、緊急性の高い、命に関わる病気が隠れている可能性があります 。医療従事者として、患者さんや周囲の人がこれらの危険なサインを見逃さないよう、適切な指導を行うことが重要です。以下に示すような症状が見られる場合は、様子を見ずに直ちに医療機関を受診するか、救急車を要請する必要があります。

🚨 緊急受診が必要な危険なサイン

  • 突然発症し、かつて経験したことのないような激しい痛み: 大動脈解離や急性心筋梗塞、消化管穿孔などの可能性があります 。
  • 胸の痛み、圧迫感、息苦しさ、冷や汗を伴う: 急性心筋梗塞や狭心症といった心臓の病気が疑われます 。痛みは左腕や顎に放散することもあります。
  • 高熱や悪寒、震えを伴う: 急性膵炎、急性胆嚢炎腎盂腎炎など、重篤な感染症の可能性があります 。
  • 意識が朦朧とする、血圧が低下するなどショック状態の兆候がある: 重症の膵炎や大動脈解離、消化管出血などで見られます。
  • 吐血や下血(タール状の黒い便)がある: 胃潰瘍や十二指腸潰瘍からの出血が考えられます 。

🏥 早めに病院を受診すべき症状

  • 痛みが2週間以上続いている 。
  • 安静にしていても痛みが軽くならない、あるいは悪化する 。
  • 原因不明の体重減少、食欲不振、全身倦怠感を伴う 。
  • 夜、痛みで目が覚めてしまう(夜間痛) 。
  • 皮膚や白目が黄色くなる(黄疸) 。
  • 尿の色が濃い(濃染尿)、便が白っぽくなる 。

これらのサインに一つでも当てはまる場合は、自己判断で様子を見ることなく、速やかに消化器内科や循環器内科、あるいは総合診療科を受診するようにしてください。

参考情報:Ubie株式会社の提供する症状検索エンジンでは、病院受診の目安について分かりやすく解説されています。
https://ubie.app/disease-condition/back-pain/consultation-standard

ご飯を食べると背中が痛い左、内臓だけじゃない?姿勢やストレスとの意外な関係

食後の左背部痛の原因は、これまで述べてきたような内臓疾患だけとは限りません。日常生活に潜む姿勢の問題や、精神的なストレスが原因で痛みが生じることもあります 。器質的疾患を除外した上で、症状が改善しない場合は、これらの要因も考慮に入れる必要があります。

  • 姿勢の悪化と筋肉の緊張
    長時間のデスクワークやスマートフォンの使用で猫背の姿勢が続くと、背中の筋肉(特に広背筋や脊柱起立筋)が常に緊張した状態になります 。この緊張が血行不良を招き、筋肉内に疲労物質が蓄積することで、慢性的な痛みやこりを引き起こします。食事をすると、胃が膨らんで物理的に周囲の臓器や筋肉、神経を圧迫します。この刺激が、もともと緊張していた背中の筋肉の痛みを誘発、あるいは増強させることがあるのです。
  • ストレスによる自律神経の乱れ
    精神的なストレスは、交感神経と副交感神経からなる自律神経のバランスを乱します 。交感神経が優位になると、血管が収縮して血行が悪くなり、筋肉が緊張しやすくなります。また、胃酸の分泌が過剰になったり、逆に胃腸の動きが悪くなったりして、機能性ディスペプシアなどの消化器症状を引き起こすことがあります 。さらに、ストレスは脳内で痛みを抑制するシステム(下降性疼痛抑制系)の働きを弱め、通常では感じないような弱い刺激でも痛みとして認識してしまう「痛覚過敏」の状態を引き起こすことが知られています 。
  • あまり知られていないその他の原因
    医療従事者として知っておきたい稀な原因として、以下のようなものもあります。

    • 胃下垂症 (Gastroptosis): 胃が正常な位置よりも下に垂れ下がっている状態です 。食後、食べ物の重みでさらに胃が下がることで、周囲の血管や神経を牽引・圧迫し、腹痛や背部痛を引き起こすことがあります。特に立っている時に症状が悪化するのが特徴です 。
    • 横隔膜への刺激による関連痛: 胃が膨らんだり、何らかの炎症が横隔膜に及んだりすると、その刺激が横隔神経(主に首の神経から分岐)を介して、肩や背中に痛みとして感じられることがあります 。これは「関連痛」の一種です。
    • Chilaiditi症候群 (キーライディティ症候群): 横隔膜と肝臓の間に結腸などの消化管が入り込んでしまう稀な状態です 。無症状のことが多いですが、食後に腹部膨満感や痛み、吐き気などの症状を引き起こすことがあります 。

    これらの原因を探るには、詳細な問診に加え、必要に応じて姿勢の評価や心理的なアセスメントが重要になります。

    ご飯を食べると背中が痛い左の痛みを和らげるセルフケアと対処法

    食後の左背部痛の原因が、緊急性を要する内臓疾患ではないと診断された場合、生活習慣の改善によって症状が緩和することがあります。ただし、これらのセルフケアはあくまで対症療法であり、痛みが続く場合は必ず医療機関で原因を特定することが最優先です。

    🍽️ 食生活の改善

    • 消化の良い食事を心がける: 脂肪分の多い食事や香辛料の強い食事は、膵臓や胃に負担をかけます。低脂肪の食事(鶏ささみ、白身魚、豆腐など)や、柔らかく煮込んだ野菜などを中心にしましょう。
    • 暴飲暴食を避ける: 一度にたくさん食べると胃が大きく膨らみ、背中への圧迫や痛みを誘発しやすくなります。腹八分目を心がけ、場合によっては食事の回数を分けて一回量を減らす「少量頻回食」も有効です。
    • アルコールを控える: アルコールは急性膵炎や慢性膵炎の最大の原因の一つです 。背部痛がある場合は、原因がはっきりするまで禁酒することが賢明です。
    • ゆっくりよく噛んで食べる: よく噛むことで、唾液中の消化酵素が働き、胃腸での消化の負担を軽減します。

    🧘 生活習慣の見直し

    • 正しい姿勢を意識する: デスクワーク中は、定期的に立ち上がってストレッチをするなど、同じ姿勢を長時間続けないようにしましょう。背筋を伸ばし、骨盤を立てることを意識するだけでも、背中への負担は軽減されます。
    • 食後すぐに横にならない: 食後すぐに横になると、胃酸が食道へ逆流しやすくなります 。少なくとも食後2~3時間は、座ったり立ったりして過ごすのが理想です。
    • 適度な運動を習慣にする: ウォーキングやストレッチなど、軽い運動は全身の血行を促進し、筋肉の緊張を和らげます。また、ストレス解消にも効果的です。
    • 禁煙する: 喫煙は血行を悪化させるだけでなく、膵炎や膵臓がんのリスクを高めることが知られています 。

    🛀 ストレスマネジメント

    • 十分な睡眠をとる: 睡眠不足は自律神経の乱れやストレスの増大につながります。質の良い睡眠を確保しましょう。
    • リラックスできる時間を作る: ぬるめのお湯にゆっくり浸かる、好きな音楽を聴く、趣味に没頭するなど、心と体をリラックスさせる時間を持つことが大切です。
    • 深呼吸や瞑想: 深呼吸は副交感神経を優位にし、心身の緊張を和らげる効果があります。

    これらのセルフケアを実践しても症状が改善しない、あるいは悪化する場合には、他の疾患が隠れている可能性も考えられますので、再度医療機関に相談してください。


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