体が熱いのに熱はない子どもの原因と対処法|自律神経の乱れも解説

子どもが体が熱いが熱はない状態

この記事でわかること

熱がないのに体が熱い原因

体温調節の未熟さや環境、ストレスなど様々な原因を解説します。

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家庭での具体的な対処法

衣服の調整や水分補給、クールダウンの方法などを紹介します。

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病院受診を検討する目安

どのような症状が見られたら医療機関を受診すべきか解説します。

体が熱いのに熱はない主な原因は?

 

子どもが熱を測っても平熱なのに、触ると体が熱いと感じることは、保護者にとって非常に心配な状況です。この現象には、いくつかの代表的な原因が考えられます。

1. 体温調節機能の未熟さ
乳幼児は、大人に比べて体温を一定に保つ機能がまだ十分に発達していません 。体重に対して体の表面積が広いため、周囲の温度の影響を受けやすく、暑い場所にいたり、衣服を着せすぎていたりするだけでも、体内に熱がこもりやすくなります 。また、汗腺も未発達で、うまく汗をかけないために、皮膚から熱を放散して体温を調節しようとします 。その結果、皮膚表面が熱く感じられるのです。

2. 生理的な体温上昇
食後や運動後、泣いた後など、一時的に代謝が活発になり、体温が上がることがあります。これは生理的な現象であり、しばらく安静にしていれば自然と元に戻ることがほとんどです。特に、子どもは感情表現が豊かで活動量も多いため、こうした一時的な体温上昇はよく見られます。

3. 周囲の環境
室温が高い、布団をかけすぎている、厚着をさせているなど、外的な要因で体が温められ、熱く感じることがあります。特に睡眠中は、体温が放散されにくくなるため、寝起きに体が熱いと感じることが多いようです。こうした場合は、まず衣服や寝具を調整し、部屋の環境を快適に保つことが重要です。

4. 水分不足
体内の水分が不足すると、汗をかきにくくなり、体温調節がうまくいかなくなることがあります。特に夏場や、遊びに夢中になっているときは、知らず知らずのうちに水分不足に陥りやすいため、こまめな水分補給を心がけることが大切です。

これらの原因は、多くの場合、病的なものではなく、成長過程でよく見られる現象です。しかし、他の症状を伴う場合や、状態が長く続く場合は、別の原因も考えられるため、注意深く観察する必要があります。

体が熱い子どもへの家庭での対処法と服装の注意点

お子さんの体が熱いけれど熱はない、という状況に気づいたとき、家庭でできる対処法を知っておくことで、保護者の方も落ち着いて対応できます。ここでは、具体的なケアの方法と服装に関する注意点を解説します。

基本的なケア方法

  • 涼しい環境を整える
    まずは、お子さんがいる部屋の環境を見直しましょう。室温が高すぎる場合は、エアコンで温度を調節したり、窓を開けて換気したりして、涼しく快適な環境を作ります 。直射日光が当たらないようにカーテンを閉めるのも効果的です。
  • 衣服を調整する
    熱がこもらないように、衣服を1枚脱がせて薄着にさせてあげましょう。吸湿性や通気性の良い綿素材の服がおすすめです。汗をかいている場合は、こまめに着替えさせて体を冷やさないように注意が必要です。
  • 水分補給を十分に行う
    体温調節には水分が不可欠です。経口補水液や麦茶、湯冷ましなどを少しずつこまめに飲ませて、脱水症状を防ぎましょう 。遊びに夢中になっていると水分補給を忘れがちなので、時間を決めて声をかけると良いでしょう。

効果的な体の冷やし方

体を冷やす際は、急激に冷やしすぎないことがポイントです。嫌がらない範囲で、以下の方法を試してみてください。

  • 太い血管が通る場所を冷やす
    氷嚢や、タオルで包んだ保冷剤などを使い、首の付け根、の下、足の付け根といった太い血管が皮膚の近くを通っている場所を冷やすと、効率的に体温を下げることができます 。
  • ぬるま湯で体を拭く
    汗をかいている場合や、肌がべたついている場合は、ぬるま湯で絞ったタオルで全身を拭いてあげると、気化熱で体温が下がり、さっぱりして気持ちが良いでしょう 。冷たい水は血管を収縮させ、かえって熱の放散を妨げることがあるため、ぬるま湯が適しています 。

服装に関する注意点

子どもの服装は、大人が快適だと感じる枚数よりも1枚少なめが基本とされています。特に、熱がこもりやすい状況では、以下の点に注意してください。

表:状況別服装のポイント

| 状況 | 服装のポイント |
| :— | :— |
| 室内で過ごすとき | 通気性の良い薄手の服を1枚。室温に合わせて調整する。 |
| 睡眠時 | 寝汗をかきやすいので、吸湿性の高いパジャマを選ぶ。布団の掛けすぎに注意。 |
| 外出時 | 重ね着で調整できるようにし、汗をかいたら脱がせられるようにしておく。 |

これらの対処法を試しても体の熱さが続いたり、お子さんの元気がなかったりする場合は、他の原因が考えられるため、医療機関への相談を検討してください。

体が熱いときに考えられる病気と病院受診の目安

子どもの体が熱いけれど熱はない場合、多くは一時的なものですが、中には病気が隠れている可能性もゼロではありません。注意すべき症状や、病院を受診すべき目安について解説します。

考えられる病気

熱はないものの体が熱いという症状から考えられる病気には、以下のようなものがあります。

  • 熱中症の初期症状
    大量に汗をかき、体がだるく、体が熱く感じられます。この段階ではまだ平熱のこともありますが、進行すると高熱になる危険性があります 。めまいや頭痛、吐き気などの症状が見られたら特に注意が必要です。
  • 感染症の初期段階や回復期
    ウイルスや細菌に感染すると、体は免疫反応として熱を産生します。本格的な発熱に至る前段階や、解熱後の一時的な体温の揺らぎで体が熱く感じられることがあります 。
  • 皮膚の炎症
    あせもアトピー性皮膚炎、何らかの接触性皮膚炎などで皮膚に炎症が起きていると、その部分が熱を帯びて熱く感じられることがあります 。
  • 川崎病などの自己免疫疾患
    まれですが、川崎病などの血管に炎症が起きる病気の初期症状として、発熱以外の症状(目の充血、発疹、手足の腫れなど)とともに体が熱くなることがあります 。

病院受診を検討すべき目安

以下の症状が見られる場合は、かかりつけの小児科医に相談することをお勧めします。夜間や休日であっても、緊急性が高いと判断した場合は救急外来を受診してください。

🚨 受診を検討するサイン

  • ぐったりしていて元気がない、活気がない
  • 顔色が悪く、唇が乾いている
  • 水分を全く受け付けない、または嘔吐を繰り返す
  • おしっこの回数や量が極端に少ない
  • 呼びかけへの反応が鈍い、意識がはっきりしない
  • けいれんを起こした
  • 呼吸が速い、苦しそうにしている
  • 体に発疹が出ている、目の充血など他の症状がある
  • 体の熱さが長時間(半日以上)続いている

特に、乳幼児(特に生後3ヶ月未満の赤ちゃん)は症状が急変しやすいため、少しでも普段と違う様子が見られたら、早めに医療機関に相談することが重要です 。心配なときは、電話で相談できる窓口(子ども医療電話相談「#8000」など)を活用するのも良いでしょう。

体が熱いのはストレス?自律神経との意外な関係

「病気ではなさそうなのに、なぜか体が熱い」。その原因は、もしかすると「ストレス」や「自律神経の乱れ」にあるのかもしれません。子どもでも、心と体は密接につながっています。

心因性発熱(機能性高体温症)とは?

強いストレスや精神的な緊張を感じると、体温が上昇することがあります。これは「心因性発熱」または「機能性高体温症」と呼ばれ、子どもにも見られる症状です 。

医学的に、ウイルス感染などによる「発熱」は体内で炎症反応が起きることで生じます。一方、「心因性発熱」は炎症を伴わず、脳の体温調節中枢がストレスによってうまく機能しなくなることで起こる「高体温」状態です 。そのため、解熱剤が効きにくいという特徴があります。

自律神経の乱れが体に与える影響

私たちの体は、活動時に優位になる「交感神経」と、リラックス時に優位になる「副交感神経」という2つの自律神経がバランスを取りながら、体温や血圧、心拍数などをコントロールしています 。

  • ストレスがかかると…
    学校でのトラブル、習い事のプレッシャー、家庭環境の変化など、子どもが感じるストレスは様々です 。強いストレスにさらされると、交感神経が過剰に働き続け、体が常に緊張・興奮状態になります 。
  • 交感神経が優位になると…
    血管が収縮して血圧が上がり、心拍数が増加します。これにより、体内で熱が過剰に産生されたり、逆に手足などの末端への血流が悪くなって体の中心部に熱がこもったりして、「熱はないのに体が熱い」という感覚につながることがあります 。

子どもは自分のストレスをうまく言葉で表現できないことが多いため、体に現れるサインを見逃さないことが大切です。特に、特定の状況(登校前など)で体の熱さを訴える場合は、心因性の要因を考慮する必要があります。

自律神経を整えるためのヒント

もし、ストレスによる自律神経の乱れが疑われる場合は、生活習慣を見直すことが改善の第一歩です。

  • リラックスできる時間を作る: 好きな遊びに没頭する、親子でスキンシップをとるなど、心から安心できる時間を持つことが大切です。
  • 生活リズムを整える: 早寝早起きを心がけ、朝日を浴びることで体内時計がリセットされ、自律神経のバランスが整いやすくなります 。
  • 適度な運動: 屋外で体を動かして汗をかくことは、自律神経の働きを整えるのに効果的です 。
  • ぬるめのお風呂: 38〜40℃程度のぬるめのお湯にゆっくり浸かることで、副交感神経が優位になり、心身のリラックスにつながります 。

症状が続く場合や、学校に行けないなど生活に支障が出ている場合は、「起立性調節障害」など他の病気の可能性もあるため、小児科や小児心療内科への相談をお勧めします 。

体が熱いのは食事やアレルギーが関係している可能性

これまで見てきた原因のほかに、あまり知られていませんが、「食事内容」や「軽度のアレルギー反応」が、熱はないのに体が熱く感じる原因となることがあります。これは、特定の物質に対する体の反応として「ほてり」が現れるケースです。

食事誘発性熱産生(DIT)

食事をすると、誰でも体が温かくなります。これは、食べ物を消化・吸収する過程で、体内で熱が産生されるためで、「食事誘発性熱産生(DIT: Diet Induced Thermogenesis)」と呼ばれます。この熱産生の量は、栄養素の種類によって異なり、特にタンパク質を摂取した後に最も大きくなります。

子どもは代謝が活発なため、この反応が顕著に現れることがあります。特に、高タンパクな食事や、香辛料を多く使った食事を摂った後に、一時的に体が熱く感じられることがあるかもしれません。これは生理的な反応であり、病的なものではありませんが、体の熱さの一因として知っておくと良いでしょう。

軽度のアレルギー反応

一般的に、食物アレルギーと聞くと、じんましんや呼吸困難、アナフィラキシーショックといった激しい症状を思い浮かべる方が多いかもしれません。しかし、ごく軽度のアレルギー反応として、体がほてったり、熱っぽく感じられたりすることがあります 。

これは、アレルギーの原因物質(アレルゲン)が体内に入ったときに、免疫システムが反応し、ヒスタミンなどの化学伝達物質が放出されるためです。これらの物質には血管を拡張させる作用があるため、皮膚の血流が増加し、体が熱く感じられるのです。

  • 原因となりうる物質:
    • 特定の食品(果物、野菜、甲殻類など)
    • 食品添加物
    • アルコール(子どもには無関係ですが、メカニズムの一例として)

    この種の反応は、症状が軽微で一過性であることが多く、「何となく体調が悪い」「顔がほてる」といった程度の自覚症状で終わるため、アレルギー反応であるとは気づかれにくいのが特徴です 。毎回同じようなものを食べた後に体の熱さを訴えるなど、食事との関連性が疑われる場合は、食事日記をつけて記録し、かかりつけ医に相談してみることをお勧めします。

    見極めのポイント

    食事やアレルギーが原因の場合、以下のような特徴が見られることがあります。

    • 特定の食事の後に症状が出やすい
    • 体の熱さ以外の症状(口の中のかゆみ、軽いじんましん、腹痛など)を伴うことがある
    • 症状は一時的で、しばらくすると自然に治まる

    子どもの「体が熱い」というサインには、このように様々な背景が隠れている可能性があります。既成概念にとらわれず、多角的な視点で原因を探ることが、適切なケアにつながります。

    子どもの体温調節に関する詳しい情報は、以下のリンクも参考になります。

    日本医師会:発熱、体が異常に熱い
    このページでは、体温がどのように調節されているかの基本的なメカニズムが解説されており、体の熱さの背景を理解するのに役立ちます。

    体癖 (ちくま文庫)