へそが臭い病気の原因はストレス?尿膜管遺残や臍炎の症状とケア

へそが臭いのは病気のサイン?

へその臭い、その原因と対策
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主な原因

垢や皮脂、汗が混ざった「へそのゴマ」が主な原因。細菌が繁殖し臭いが発生します。

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隠れた病気

「臍炎」や「尿膜管遺残」など、治療が必要な病気が原因の場合も。膿や痛みがあれば要注意。

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正しいケア

入浴時に優しく洗い、オイルで汚れを浮かせるケアが効果的。やりすぎは禁物です。

へその臭いの主な原因は?汚れや垢だけじゃない意外な理由

 

へその臭いの最も一般的な原因は、「へそのゴマ」と呼ばれる垢や皮脂、汗、衣服の繊維などが混じり合ってできた塊です 。へそは形状が複雑でくぼんでいるため、汚れが溜まりやすく、洗い残しがちになります 。この溜まった汚れをエサにして細菌が繁殖し、不快な臭いを発生させるのです 。特に、イソ吉草酸という物質は、足の臭いと同じ成分であり、これが臭いの元凶の一つとされています 。

しかし、臭いの原因は単なる汚れだけとは限りません。以下のような、あまり知られていない原因も考えられます。

  • カンジダ症: 皮膚の常在菌であるカンジダ菌が、へその中で増殖することで感染症を引き起こし、臭いの原因となることがあります 。へその中は暖かく湿った環境になりやすいため、カンジダ菌が増殖しやすい場所なのです 。
  • 嚢胞(のうほう): 類表皮嚢胞(粉瘤)などがへそにできると、中に溜まった膿や角質が原因で臭いを発することがあります 。これは、本来剥がれ落ちるはずの皮膚の表層が内部に入り込んで増殖することで形成されます 。
  • ピアスによる感染: へそピアスが細菌に感染すると、強い臭いを伴うことがあります 。ピアスの穴の周りは清潔に保つことが特に重要です。

これらの原因は、単に体を清潔にするだけでは改善しない場合があります。臭いが続く、あるいは他の症状を伴う場合は、医療機関への相談を検討しましょう。

へそが臭い時に考えられる病気「尿膜管遺残」とは?症状と治療法

繰り返しへそが化膿したり、臭い液体が出たりする場合、「尿膜管遺残(にょうまくかんいざん)」という病気の可能性があります 。これは、胎児期に母親とへその緒で繋がっていた尿膜管という管が、出生後も完全に閉じずに残ってしまう先天的な状態です 。多くの場合は無症状ですが、この残った管に細菌が感染すると、様々な症状を引き起こします。

尿膜管遺残の主な症状

尿膜管遺残が感染を起こすと(化膿性尿膜管嚢胞)、以下のような症状が現れます 。

  • へそから膿や臭いのある液体が出る
  • へそやその周りが赤く腫れて痛む
  • 下腹部に鈍痛や違和感がある
  • 市販の薬や皮膚科の塗り薬を使っても、症状が改善しない、または再発を繰り返す

まれに、膀胱と繋がったままだと尿のような臭いがすることもあります 。これらの症状に一つでも当てはまる場合は、自己判断せずに泌尿器科や外科を受診することが重要です。

以下のリンクは、尿膜管遺残症の症状や治療法について、専門医が詳しく解説している有用な情報源です。
筑波大学腎泌尿器外科診療グループ 尿膜管遺残

尿膜管遺残の治療法

尿膜管遺残の治療は、まず抗生物質を用いて感染を抑えることから始まります 。膿が溜まっている場合は、切開して排出することもあります 。しかし、これらの治療で一時的に症状が改善しても、原因となっている尿膜管自体が残っている限り、約30〜40%の確率で再発すると言われています 。

根本的な治療法は、手術によって尿膜管を摘出することです 。近年では、お腹に小さな穴を開けて行う腹腔鏡下手術が主流となっており、患者さんの身体的負担も軽減されています 。手術を行うことで、再発のリスクを大幅に減らすことができます。

へそから膿や液体が!「臍炎」の症状と自宅でできるケア方法

へそが赤く腫れて痛んだり、ジクジクとした液体や膿が出たりする場合、「臍炎(さいえん)」の可能性があります 。これは、へそやその周りの皮膚が傷つき、そこから細菌が侵入して炎症を起こす病気です 。赤ちゃんに多い病気ですが、大人でも発症します 。

臍炎の主な症状

臍炎になると、以下のような症状が見られます。

  • へそやその周りが赤くなる
  • 触ると痛みがある
  • へそがジクジクして、黄色や白色のカスが溜まったり、膿や臭いのある液体が出たりする
  • かゆみを伴うこともある

症状が悪化すると、細菌が血流に乗って全身に広がり、重篤な状態に陥る危険性もあるため、注意が必要です 。「たかがへその炎症」と軽視せず、早めに皮膚科や小児科を受診しましょう。

自宅でできるケアと注意点

臍炎の治療の基本は、へそを清潔に保ち、乾燥させることです 。自宅でのケアとしては、以下の点が挙げられます。

  1. 洗浄: 入浴時に石鹸をよく泡立て、指の腹で優しくへそを洗います。
  2. 乾燥: 入浴後は、清潔で柔らかいタオルで水分をしっかりと拭き取ります。ガーゼなどで覆う必要はなく、しっかり乾燥させることが重要です 。
  3. 消毒: 医師の指示があれば、消毒薬を使用します。ただし、自己判断での消毒は避けましょう 。

軽症であればこれらのケアで改善することもありますが、症状が続く、あるいは悪化するようであれば、抗生物質の塗り薬や内服薬が必要になる場合があります 。特に、膿が出ている、痛みが強いといった場合は、速やかに医療機関を受診してください。

へその臭いとストレスの関係は?専門家が指摘する意外な関連性

一般的に、「へその臭い」と「ストレス」が直接結びつけて語られることは少ないですが、ストレスが体臭全般に影響を与えることは知られています。この関係性を紐解くことで、へその臭いに対する新たな視点が見えてきます。

ストレスを感じると、私たちの体では交感神経が優位になり、汗の分泌が促されます。特に、精神的なプレッシャーがかかった時にかく「冷や汗」は、通常の汗とは成分が異なり、脂質やタンパク質を多く含んでいます。これらの成分が皮膚の常在菌によって分解されることで、不快な臭いが発生しやすくなるのです。これを「ストレス臭」や「疲労臭」と呼ぶこともあります 。

また、ストレスは自律神経の乱れを引き起こし、皮脂の分泌を過剰にすることがあります。へそは皮脂腺が比較的多い場所でもあるため、過剰に分泌された皮脂が溜まり、酸化したり細菌のエサになったりすることで、臭いが強まる可能性が考えられます。さらに、強いストレスは免疫力の低下を招くため、皮膚の常在菌のバランスが崩れ、カンジダ菌などの日和見菌が増殖しやすくなることも、臭いの一因となり得ます 。

実際に、悪臭を不快に感じること自体がストレス応答を引き起こすという研究結果もあります 。つまり、「へそが臭う」という事実がさらなるストレスとなり、それがまた体臭を悪化させる…という悪循環に陥る可能性も否定できません。

へその臭いが気になり始めたら、それは身体が発するストレスのサインかもしれません。へそのケアと同時に、リラックスできる時間を作る、十分な睡眠をとるなど、ストレスマネジメントを意識することも、根本的な解決に繋がる可能性があります。

へその臭いを防ぐ正しい掃除方法とやりすぎのリスク

へその臭いを予防・改善するためには、正しいケアが不可欠です。しかし、間違った方法や過度な掃除は、かえって皮膚を傷つけ、炎症を引き起こす原因となるため注意が必要です 。

推奨されるへその掃除方法

専門家が推奨する、肌に優しく効果的な掃除方法は以下の通りです。

  1. 準備: 入浴後など、皮膚が柔らかくなっている時に行うのがおすすめです 。
  2. 汚れを浮かせる: 綿棒にベビーオイルやオリーブオイル、ワセリンなどを染み込ませ、へその中に優しく塗って汚れをふやかします 。数分置くと、固まった汚れが取れやすくなります。
  3. 優しく拭き取る: 新しい綿棒や柔らかいガーゼで、浮き上がった汚れを優しくなでるように拭き取ります 。決して強くこすってはいけません。
  4. 仕上げ: 最後に、乾いた綿棒で余分なオイルを拭き取ります。

掃除の頻度は、週に1回程度、汚れが気になる場合でも2〜3週間に1回程度で十分です 。普段は、入浴時に石鹸の泡で優しく洗うだけで問題ありません 。

やりすぎによるリスク

「綺麗にしたい」という気持ちから、爪や硬いものでゴシゴシこするのは絶対にやめましょう。へその皮膚は非常に薄くデリケートなため、少しの刺激でも傷がつきやすいのです 。皮膚が傷つくと、そこから細菌が侵入し、前述した「臍炎」を引き起こすリスクが高まります。また、頻繁に掃除しすぎると、皮膚を守るために必要な皮脂まで取り除いてしまい、乾燥やかゆみの原因になることもあります。

もし、正しい方法でケアしても臭いが改善しない、または痛みやかゆみ、膿などの異常が見られる場合は、迷わず皮膚科や泌尿器科などの医療機関を受診してください。


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