カンナビノイド合法性2025最新情報

カンナビノイドの合法性2025

この記事のポイント
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法改正の要点

2024年12月12日から部位規制から成分規制へ変更され、THC残留限度値が厳格化されました

合法カンナビノイド

CBD、CBN、CBGなど12種類の合法成分が2025年も使用可能です

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違法カンナビノイド

HHCH、THCH、THC-Oなどの合成カンナビノイドは指定薬物として規制対象になりました

カンナビノイドとは何か

カンナビノイドとは、大麻草(カンナビス・サティバ・エル)に含まれる100種類以上の化学物質の総称です。代表的な成分として、精神作用を持つTHC(テトラヒドロカンナビノール)と、精神作用を持たないCBD(カンナビジオール)が知られています。カンナビノイドは体内のエンドカンナビノイドシステム(ECS)と呼ばれる生体調節機能に働きかけ、痛みの緩和、炎症反応の抑制、不安の軽減などの効果が研究で確認されています。

参考)https://shop.tokyo-mooon.com/blogs/blog/2025-cannabinoid-legal-illegal


体内には「CB1受容体」と「CB2受容体」という2種類のカンナビノイド受容体が存在し、CB1受容体は主に中枢神経系に、CB2受容体は主に免疫細胞に分布しています。カンナビノイドがこれらの受容体に結合することで、細胞間のシグナル伝達が調整され、さまざまな生理作用が引き起こされます。エンドカンナビノイドシステムは、食欲、痛み、免疫調整、感情制御、運動機能、発達と老化、神経保護など、生命維持に必要な多くの機能を調整しています。

参考)カンナビノイド受容体 – Wikipedia


カンナビノイドは大きく分けて3種類に分類されます。体内で自然に産生される「内因性カンナビノイド」、大麻草から抽出される「植物性カンナビノイド」、そして人工的に合成された「合成カンナビノイド」です。それぞれのカンナビノイドは異なる特性を持ち、法的規制の状況も大きく異なります。

参考)【2025年最新版】合法・違法なカンナビノイド一覧|規制状況…

2024年大麻取締法改正によるCBD規制の変更点

2024年12月12日、「大麻取締法及び麻薬及び向精神薬取締法の一部を改正する法律」が施行され、日本のカンナビノイド規制が根本的に変更されました。最も重要な変更点は、これまでの「部位規制」から「成分規制」への転換です。従来の法律では成熟した茎と種子から抽出された製品は規制対象外でしたが、改正法では製品に含まれるTHC(Δ9-テトラヒドロカンナビノール)の含有量に基づいて規制されることになりました。

参考)【2025年】大麻取締法改正のCBD規制の変更点は?CBDオ…


具体的なTHC残留限度値は製品の種類によって異なります。

参考)2024年に日本のCBD規制はどう変わる?大麻取締法改正でお…

製品分類 製品例 THC残留限度値
食用油脂・粉末 CBDオイル、CBDパウダー、プロテイン 10ppm(0.001%)
飲料 清涼飲料水、アルコール飲料、化粧水 0.1ppm(0.00001%)
その他 電子タバコ、菓子、錠剤、乳液、シャンプー 1ppm(0.0001%)

この基準値は従来と比較して20~2000倍厳格化されたと言われています。残留限度値を超えるTHCを含む製品は「麻薬」として扱われ、単純所持でも7年以下の懲役が科される可能性があります。

参考)【2025年最新版】CBD製品の規制はいつから?違法になる条…


また今回の法改正では、Δ9-THC自体が「指定薬物」から「麻薬」へ格上げされました。同時にTHC-O(酢酸エステル体)やTHCOP(プロピオン酸エステル体)も麻薬に指定され、THCAのカルボン酸体は「みなし麻薬」として規制対象となりました。一方で、大麻草由来医薬品の使用は医療目的に限り解禁されることになり、難治性てんかんなどの治療にCBD医薬品が使用可能になりました。

参考)合成カンナビノイドの指定薬物規制に関する最新動向と品質リスク…

2025年現在の合法カンナビノイド一覧

2025年10月時点で日本国内で合法的に使用できるカンナビノイドは以下の12種類です。

参考)合法でもキマるカンナビノイド一覧|まだ規制されていない攻め成…


CBD(カンナビジオール) – 最も広く使用されている非精神活性カンナビノイドで、抗炎症、鎮痛、抗不安作用が期待されています。

参考)オーソモレキュラー医学会


CBN(カンナビノール) – 軽度の精神活性作用を持ち、睡眠促進効果が注目されています。

参考)CBD・CBN・CBGの違いと特徴、日本における合法性 – …


CBG(カンナビゲロール) – 抗菌作用や神経保護作用を持つ非精神活性成分です。​
CBC(カンナビクロメン) – 抗炎症作用や鎮痛作用が研究されています。

参考)パーソナルCBDオイル処方


CBDV(カンナビジバリン) – てんかん治療への応用が研究されています。​
CB9 – 精神活性作用があるとされる新世代カンナビノイドです。​
10-OH-HHC – 精神活性作用を持つ合法成分です。​
CBP(カンナビポール) – 精神活性作用があるとされています。​
CNP – 2025年の新世代合法カンナビノイドの一つです。​
H4CBD – 精神活性作用を持つ水素添加CBD誘導体です。​
H4CBN – CBNの水素添加誘導体です。​
H4CBH – 水素添加カンナビノイドの一種です。​
これらのカンナビノイドのうち、CBN、CB9、10-OH-HHC、CBP、CNP、H4CBD、H4CBN、H4CBHの8成分は精神活性作用があるとされていますが、安全性が不明瞭なため、専門家は特にCBNの使用に留めることを推奨しています。合法CBD製品を選ぶ際は、THC含有量が法定の残留限度値以下であることを証明する成分分析証明書(CoA)を確認することが重要です。

参考)CBDとは?効果・安全性・違法性を解説【初心者必見】 href=”https://www.shinagawa-mental.com/othercolumn/62234/” target=”_blank”>https://www.shinagawa-mental.com/othercolumn/62234/amp;#8…

指定薬物として規制されたカンナビノイド

2023年から2024年にかけて、厚生労働省は多数の合成カンナビノイドを「指定薬物」として規制しました。指定薬物は医薬品医療機器等法に基づき、医療等の用途以外での製造、輸入、販売、所持、使用が全面的に禁止されています。

参考)https://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20230906_2.pdf


⚠️ HHCH(ヘキサヒドロカンナビヘキソール) – 2023年12月2日に指定薬物として規制されました。THCの化学構造に類似した人工合成成分で、THCに類似した精神作用を持ち、健康被害を発生させる危険性が懸念されています。

参考)https://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20231213_3.pdf


⚠️ THCH(テトラヒドロカンナビヘキソール) – 2023年8月4日に指定薬物に指定され、医療等の用途以外での使用が禁止されました。THCH含有製品を摂取した後に救急搬送される事例が複数報告されています。​
⚠️ THC-O(THCアセテート) – THCの酢酸エステル体で、指定薬物から麻薬へ格上げされました。

参考)CHILLAXY CBD


⚠️ THCOP(THCプロピオネート) – THCのプロピオン酸エステル体で、2024年8月7日に指定薬物として規制されました。

参考)栃木県/ADB-5’Br-BUTINACA、N-Deseth…


⚠️ Δ9-THCOP、Δ8-THCOP – 異性体を含むTHCプロピオン酸塩が規制対象です。​
⚠️ HHCPM – 2024年8月7日に新たに指定薬物として規制されました。​
厚生労働省は、合成カンナビノイドに対して側鎖の炭素数(C3~C8)を基準とした包括指定を進めています。Δ9またはΔ8構造を持つTHCV、THCB、THCH、THCP、THCJD系列や、それらの水素添加体(HHC系)、アセチル化体(-O系)が網羅的に規制されています。​
指定薬物を医療等の用途以外で製造、輸入、販売、所持、使用した場合、3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金、またはこれを併科されます。業として行った場合は5年以下の懲役もしくは500万円以下の罰金、またはこれを併科されます。

参考)栃木県/HHCH(HHC-H、Hexahydrocannab…

カンナビノイドの医療効果と受容体の作用機序

カンナビノイドの医療効果は、エンドカンナビノイドシステム(ECS)を介した複雑な作用機序によって発揮されます。CB1受容体とCB2受容体は、Gタンパク質共役受容体として機能し、細胞内のシグナル伝達経路を活性化します。CB1受容体が活性化されると、アデニル酸シクラーゼの阻害、カリウムチャネルやカルシウムチャネルの調節、さらにはプロテインキナーゼA、プロテインキナーゼC、ERK、JNK、p38などの多様な経路が関与します。

参考)カンナビノイド受容体とは?種類・作用・副作用がまるわかり!


CBD(カンナビジオール)は、2018年にアメリカ食品医薬品局(FDA)が難治性てんかんの治療薬として承認した成分です。高レベルのエビデンスとして、てんかんに対するSMD(標準化平均差)-0.5、パーキンソン病に対するSMD -0.41の有意な治療効果が確認されています。また中等度のエビデンスとして、慢性疼痛に対するSMD -0.31、食欲不振に対するSMD -0.51の効果が報告されています。

参考)https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC9389720/


がん領域においてもCBDの注目度が高まっており、直接的な抗がん作用、化学療法・放射線療法を増強する作用、副作用を軽減する作用、がん性症状を緩和する作用など幅広い効果が基礎研究や前臨床研究で確実なものとなっています。世界保健機構(WHO)もCBDの安全性と有効性を認めており、抗不安、睡眠促進、抗炎症、鎮痛、抗けいれん、抗酸化、自律神経調節、神経保護など様々な作用を有することが報告されています。​
CBDの生物学的効果は古典的なカンナビノイド受容体との相互作用に限定されず、他の受容体や細胞シグナル伝達経路とも相互作用することが明らかになっています。この多様な作用機序により、神経変性疾患(パーキンソン病、アルツハイマー病など)、多発性硬化症、炎症性疾患など、多岐にわたる疾患への治療応用が研究されています。

参考)https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC9958812/


日本では2024年12月の大麻取締法改正により、大麻由来医薬品の医療目的使用が解禁され、CBDをはじめとするカンナビノイドを含む医薬品、さらにはTHCでさえも医療目的であれば使用可能となりました。難治性小児てんかん(ドラベ症候群など)に対する抗発作薬として日本国内でも治験が進行しており、今後の医療応用が期待されています。

参考)https://hgpi.org/events/hs126-1.html

合成カンナビノイドの健康リスクと安全性の問題

合成カンナビノイドは天然の大麻成分とは異なり、極めて危険な健康被害を引き起こす可能性があります。最も重大な問題は、合成カンナビノイドに関する公式研究がほとんど存在せず、その効果や安全性についてほとんど知られていないことです。これらは実験用化学物質とみなされており、過去には合成カンナビノイドの使用に関連した死亡例も報告されています。

参考)https://www.canatura.com/ja/a/he-chengkan-nabinoidotoha-heka-naze-wei-xiannanoka


合成カンナビノイドを使用して救急搬送された人々には、以下のような深刻な健康被害が確認されています。

参考)薬物乱用防止「ダメ。ゼッタイ。」ホームページ


🚨 循環器系への影響 – 心拍数の上昇、血圧上昇、心臓への血流阻害が報告されています。​
🚨 精神症状 – 極度の不安、精神混乱、被害妄想、幻覚、支離滅裂な思考、自殺願望などの重篤な精神症状が発生します。​
🚨 消化器症状 – 嘔吐などの症状が見られます。​
🚨 腎臓への影響 – 腎臓の損傷や腎不全を引き起こすことがあります。​
🚨 行動異常 – 暴力行為などの異常行動が報告されています。​
特に懸念されるのは、合成カンナビノイドの脳に対する作用が大麻よりも強力であることです。実際の効果については予測不能であり、場合によっては生死に関わるほど危険であることもあります。また数週間使用した後に行動的・身体的依存を発症したという報告も数え切れないほどあります。​
合成カンナビノイドのもう一つの重大な問題は、製品の化学構造が不明であり、生産される時期によって変化している可能性があることです。さらに、ほとんどの合成製品には複数の化合物が含まれているだけでなく、安息香酸塩、アヘン、その他の薬物などの添加物も含まれており、これらが使用する際の大きなリスクをもたらします。​
2023年には「大麻グミ」を食べて体調不良を訴える人が相次いだ問題が発生しました。HHCH(ヘキサヒドロカンナビヘキソール)はTHCやTHCHと化学式が非常によく似ており、大麻の成分に似たものを合成して作られたため、構造も類似しています。専門家は「似ていること」の危険性を指摘し、合成カンナビノイドを食べることは「人体実験と同じ」だと警告しています。

参考)大麻成分に似た化合物“HHCH” 食べるのは「人体実験と同じ…


厚生労働省の国民生活センターには、THCH含有商品を摂取した後に救急搬送された事例が報告されており、HHCH含有製品についても同様の健康被害が報告されています。適切な検査を行わなければ、どの製品が重篤な副作用や中毒、あるいは死を引き起こすかを知ることはほとんど不可能です。​
合法であっても安全性が不明瞭な新世代カンナビノイド(CB9、10-OH-HHC、CBP、CNP、H4CBD、H4CBN、H4CBHなど)については、専門家は使用を控えるか、使用するとしても十分な注意が必要だと指摘しています。​

カンナビノイド製品を安全に選ぶための独自視点

2025年現在、カンナビノイド製品市場は急速に拡大していますが、消費者が安全な製品を選ぶためには従来の視点とは異なる独自の判断基準が必要です。法改正により規制が厳格化された一方で、新しいカンナビノイドが次々と登場し、合法と違法の境界線が常に変動しているためです。​

🔍 製品の透明性と第三者機関による検証

単にCoA(成分分析証明書)の有無だけでなく、検査機関の信頼性と検査項目の網羅性を確認することが重要です。THC残留限度値だけでなく、重金属、農薬、微生物汚染、残留溶媒などの包括的な検査結果が公開されている製品を選ぶべきです。また、検査結果がロットごとに更新されているか、QRコードなどで簡単にアクセスできるかも重要な判断材料となります。

参考)https://www.naturecan.jp/pages/cannabis-law

🔍 原料の栽培方法とトレーサビリティ

CBD製品の安全性は、原料となる大麻草の栽培環境に大きく左右されます。オーガニック栽培された大麻草から抽出された製品は、農薬や化学肥料の残留リスクが低くなります。また、栽培地、収穫時期、抽出方法まで詳細に公開している製造者は、品質管理への意識が高いと判断できます。成熟した茎と種子のみから抽出されていることを明確に示している製品を選ぶことも重要です。​

🔍 新規カンナビノイドへの慎重なアプローチ

2025年も合法とされる新世代カンナビノイド(CRDP、CRDH、H4CBH、CNP、CBXEなど)が次々と登場していますが、これらの多くは長期的な安全性データが存在しません。精神活性作用を持つカンナビノイドについては、特に慎重に判断する必要があります。医療機関や研究機関で実績のあるCBD、CBN、CBGなどの主要カンナビノイドから始め、新規成分は十分な情報が蓄積されるまで避けるという保守的な選択が賢明です。​

🔍 製品形態とTHC残留限度値の関係理解

法改正により、製品形態によってTHC残留限度値が異なることを理解することが重要です。飲料タイプは0.1ppmと最も厳しい基準が設定されており、食用油脂や粉末は10ppm、その他の製品は1ppmとなっています。同じメーカーでも製品形態によって安全マージンが異なるため、より厳格な基準が適用される製品タイプを選ぶことでリスクを低減できます。

参考)2024年12月施行改正法によるΔ9-THC新規制の概要と対…

🔍 販売者の法的コンプライアンスと情報開示姿勢

販売者が顧問弁護士を明示しているか、法改正への対応状況を積極的に情報開示しているかも重要な判断基準です。規制が頻繁に変化する中で、法的リスクを適切に管理している販売者は、消費者への情報提供も丁寧に行う傾向があります。また、過去に指定薬物となったカンナビノイドを取り扱っていた販売者については、その後の対応姿勢を慎重に評価する必要があります。​
カンナビノイド製品の選択には、単純な合法・違法の二分法ではなく、安全性、透明性、科学的根拠、長期的なリスク管理という多角的な視点が求められます。特に医療目的での使用を検討している場合は、必ず医師や薬剤師に相談し、医療機関が取り扱う製品を優先すべきです。​

参考リンク(大麻取締法改正の詳細について):

厚生労働省:令和7年3月1日に「大麻取締法及び麻薬及び向精神薬取締法の一部を改正する法律」の一部が施行されます

参考リンク(CBD製品の安全性確認について):

麻薬取締部:CBDを含有する製品について

参考リンク(指定薬物の最新情報について):

国民生活センター:合成カンナビノイド「HHCH」は指定薬物です!

参考リンク(カンナビノイドの医療応用について):

オーソモレキュラー医学会:がん領域で期待されるCBD