外耳炎の症状と大人のチェック方法

外耳炎の症状と大人のチェック

外耳炎の主な症状
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耳の痛みとかゆみ

耳たぶを引っ張ったり耳の入り口を押したりすると痛みが増す。初期にはかゆみを感じ、進行すると強い痛みに変わる

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耳だれと分泌物

黄色や白色の膿のような耳だれが出る。においを伴うこともあり感染が強いサイン

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聴力低下と閉そく感

外耳道の腫れや分泌物により耳が詰まった感じ、軽い難聴、耳鳴りを感じることがある

外耳炎の初期症状をチェックする方法

外耳炎の初期症状は、耳のかゆみから始まることが多く、皮膚に炎症が起きるとかゆみを感じるようになります。かゆいからといってかいてしまうとさらに症状が悪化するため注意が必要です。耳を引っ張ったり押したりしたときに痛みを感じる場合は、外耳炎の典型的な症状です。

参考)外耳炎の原因や治療方法について解説|渋谷・大手町・みなとみら…


大人が自分でチェックする際には、以下のポイントを確認してください。耳たぶを軽く引っ張ったときに痛みが増すかどうか、耳の入り口を押したときに痛みがあるかどうかを確認します。これらの動作で痛みが強くなる場合は、外耳炎の可能性が高いといえます。デジタル内視鏡を使用できる場合は、外耳道の皮膚が赤くなっていたり腫れていないかを確認することもできます。

参考)外耳炎


耳だれが出ている場合は、その色や状態も重要なチェックポイントです。白または黄色の膿のような分泌物が出ている場合、細菌感染を起こしている可能性があります。においを伴う場合は感染が強いサインであるため、早めの受診が推奨されます。

参考)外耳炎|耳の痛み・痒み・聞こえにくさは、盛岡市のちば耳鼻咽喉…

外耳炎の原因と大人の発症リスク

外耳炎の最も多い原因は耳掃除のしすぎです。耳かきで外耳道の皮膚が刺激性の炎症を起こす場合と、傷がついてバイ菌が入り細菌性の炎症を起こす場合があります。竹や金属製のような硬い素材の耳かきで起こることが多いのですが、綿棒でも触り方や頻度によっては外耳炎を発症します。

参考)外耳炎・外耳道炎の原因・症状・治し方|大阪和泉市の老木医院


リモートワークが増えたことにより、長時間イヤホンを耳に付けたままにしている大人が多くなっています。長時間のイヤホンの使用は耳の内部の皮膚が刺激されることで外耳炎を発症する可能性があり、耳の中に入れるタイプのイヤホンの長時間使用を避けることが推奨されます。長時間使用する場合はスピーカーやヘッドホンを使用するのが好ましいです。​
プールや海水浴で耳に水が入った場合も外耳炎の原因となります。外耳炎は「スイマーズイヤー」とも呼ばれ、水分が外耳道に残ることで細菌が繁殖しやすくなり炎症を起こします。急性外耳炎に関する研究でも、水泳や湿気による外耳道の湿潤状態が主要な発症要因として報告されています。

参考)https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC3567906/

外耳炎と中耳炎の違いと診断方法

外耳炎と中耳炎は発症する部位と原因が異なります。外耳炎は耳の穴の皮膚の炎症で外耳道炎ともいい、耳に水が入ったり耳掃除をした時に傷をつけてしまうことが原因で起こります。それに対して中耳炎は鼓膜の裏に膿などが溜まる病気です。

参考)https://www.ok-kato.com/qa/mimi/001.html


お風呂やプールで耳に水が入って中耳炎になるのは珍しく、中耳炎の原因のほとんどは風邪などから発生する喉や鼻の炎症などの影響です。これは鼻の裏と鼓膜の裏がつながっているため、そこから細菌やウイルスが上がっていって中耳炎が起こります。どちらも痛みを伴うため、症状だけではなかなか判断がつきません。​
外耳炎の診断は、医師による問診と視診によって行われます。自覚症状を詳しく聞き取り、耳鏡や内視鏡カメラを使って外耳道の状態を確認します。外耳道が赤く腫れていたり、膿や分泌物のかすが付いていたりする状態が見られた場合に外耳炎と診断されます。耳だれがある場合には細菌培養検査を行い、原因菌が細菌か真菌かを特定します。

参考)外耳炎|海老名こじろう耳鼻咽喉科|海老名駅近くの耳鼻科

外耳炎の治療方法と自宅ケア

外耳炎の代表的な治療は点耳薬や軟膏を塗ることです。点耳薬とは目薬のような容器に入った抗生物質やステロイドなどの薬を耳の穴に直接投与するものです。患部に直接薬を塗布するため、薬を飲むよりもより効果的に耳の穴の炎症を和らげたり、細菌感染を抑えたりする効果が期待できます。

参考)外耳炎とはどんな病気?中耳炎との違いと原因・症状・治療方法


点耳薬や軟膏だけでなく、薬を内服する場合もあります。外耳炎の炎症が耳の穴だけでなく、耳たぶやその周囲にも及んでいる場合など、広範囲にしっかりと薬を効かせたいときに使用します。外耳を清潔に保つことも重要な治療の一環であり、医療機関で耳洗浄を受けることで分泌物や膿を除去できます。​
自宅でできる外耳炎の対処法として最も重要なのは、耳掃除をしない、耳の中を触らないということです。耳掃除が原因になっていることが多いため、これが最も重要な治療法とも言えます。症状が軽快した後も再発防止のために耳かきや綿棒の使用を制限してください。健康な方であれば耳垢は自然に剥がれ落ちて外に排出されるので、耳掃除を頻繁にする必要はありません。

参考)外耳炎│東京都小平市の耳鼻咽喉科なら医療法人社団 玉翠会「喜…


痛みが強い場合は市販の痛み止めを飲み、鼓膜に異常がなく外耳道が赤く湿っているがあまり腫れていない場合は、市販の軟膏を1日2回数日間使用してみることもできます。細めの綿棒で耳の中に優しく塗るようにし、かゆみが強いときは市販の抗ヒスタミン薬を使用しましょう。ただし数日で改善しない場合は耳鼻咽喉科を受診してください。

参考)外耳道炎?

外耳炎の合併症と受診タイミング

外耳炎では次のような疾患に進展することがあります。外耳道湿疹は外耳道に湿疹ができた状態で、主な症状は耳のかゆみです。湿疹によって耳の中がガサガサしたりジュクジュクしたり皮膚がただれたりするため、「気になっていじる→かゆい→かく→外耳道が荒れる→さらにかく」といった悪循環を起こしやすくなります。

参考)外耳炎|木戸みみ・はな・のどクリニック|神戸市東灘区の耳鼻咽…


外耳炎や外耳道湿疹が長引くと真菌(カビ)感染を起こすことがあります。外耳炎の主な病原菌は黄色ブドウ球菌ですが、イヤホンを長時間つけっぱなしにすると耳の中の換気ができなくなり真菌の繁殖に繋がります。主な症状は耳のかゆみや痛みですが、耳だれや変色した耳垢が現れる、外耳道が腫れる、さらにカビが塊になると耳の閉そく感を覚えるといった症状が起こることもあります。自然治癒は難しく、放置していると次第に悪化していくため、すみやかに抗真菌薬などによる治療が必要な病気です。​
耳鼻科を受診すべき症状として、以下の場合が挙げられます。耳の痛みを何度も繰り返す場合、耳の痛みが続いている場合、持っている痛み止めを飲んでも耳の痛みがある、むしろ悪くなっている場合は早めに受診してください。発熱がある、耳だれがある、耳が聞こえにくい、耳の痛みがこれまでとは異なってひどい、耳の後ろが腫れている場合も受診が必要です。癌、免疫が下がる病気や治療、糖尿病などの基礎疾患がある場合や強い頭の痛みがある場合は、特に注意が必要で速やかな医療機関への相談が推奨されます。

参考)耳が痛い:原因は?風邪との関係は?病院受診のタイミングは?治…


2024年の外耳炎管理に関する最新論文では、複雑な症例では追加の全身療法が必要になる場合があることが報告されています。早期発見と適切な治療により、合併症を予防し早期回復が期待できます。