膠芽腫の症状と初期症状から進行まで

膠芽腫の症状

膠芽腫の主な症状
🧠

頭蓋内圧亢進症状

頭痛、吐き気、嘔吐、視力障害などが朝方に強く出現します

局所神経症状

腫瘍の発生部位により麻痺、言語障害、視野障害などが現れます

💫

けいれん発作

成人になって初めて発作が起きた場合は脳腫瘍を疑う必要があります

膠芽腫の初期症状とは

膠芽腫の初期症状は多様であり、腫瘍の発生部位によって異なる症状が現れます。最も一般的な初期症状は頭痛で、朝方や昼寝の後に症状が強く出ることが特徴です。この頭痛は毎日続き、徐々に強くなるという特徴があります。​
初期段階では、軽い頭痛やゆっくり進行する性格変化、けいれん発作などがみられることがあります。特に成人になってから初めてけいれん発作が起こった場合には、膠芽腫などの脳腫瘍を疑う必要があります。

参考)脳腫瘍2(実質脳内腫瘍) | リハビリ(回復期リハビリテーシ…

💡 初期症状のポイント

膠芽腫はゆっくり進行することもあり、初期症状を早期に発見することが重要です。何となくおかしいと感じた時点で、早めの受診が推奨されます。​

膠芽腫による頭蓋内圧亢進症状

膠芽腫が大きくなると、腫瘍の周りに血流の変化や炎症によって脳浮腫という脳のむくみが生じます。脳は頭蓋骨に囲まれた閉鎖空間にあるため、腫瘍ができると頭蓋の中の圧力が高くなります。​
頭蓋内圧亢進によって現れる主な症状には、頭痛、吐き気、嘔吐、意識障害などがあります。人間の頭蓋内圧は睡眠中にやや高くなることから、朝起きたときや昼寝のあとに症状が強く出ることがあります。​

📊 頭蓋内圧亢進の主な症状

症状 特徴
頭痛 持続的で徐々に悪化し、朝方に増強する
吐き気・嘔吐 食事と関係なく、気分の悪さを伴わない
視力障害 視神経乳頭浮腫による視力低下や複視
意識障害 進行すると意識レベルが低下

膠芽腫は急速に増大するため、頭蓋内圧が高まり、頻繁に頭痛を認めます。腫瘍がさらに増大すると、意識障害に至ることがあります。​

膠芽腫の局所神経症状

膠芽腫が発生した脳の部位により、その部位特有の神経機能障害が現れます。これらの症状は局所症状または巣症状と呼ばれ、腫瘍ができた場所の脳の機能が障害されることで起こります。

参考)膠芽腫について – オプチューン製品情報サイト|ノボキュア株…


代表的な局所神経症状には、半身の麻痺、言語障害、部分的な視野障害などがあります。腫瘍の発生部位によって、以下のような症状が現れます。​

🎯 腫瘍の部位別症状

脳の部位 主な症状
前頭葉 性格変化、判断力低下
側頭葉 記憶障害、言語障害
頭頂葉 感覚異常、空間認識障害
後頭葉 視野欠損
運動野 片麻痺、運動障害

運動麻痺、感覚障害、言葉が出ない、記憶力障害、物が二重に見える複視、歩くときに何となくふらつくなどの症状がみられます。右または左半身の運動麻痺が生じることもあります。

参考)https://otahp.jp/medical/true/ac/


膠芽腫はほとんどの場合、大脳に発生します。大脳には読み書き、思考、発語、手足の運動、感情をコントロールする中枢があるため、膠芽腫が発生するとさまざまな症状が表れます。​

膠芽腫によるけいれん発作の特徴

けいれん発作は、膠芽腫の重要な初発症状の一つです。腫瘍が周りの神経を刺激することで生じる、注意すべき症状です。

参考)脳腫瘍による頭痛は毎日続く?|ほどがや脳神経外科クリニック|…


成人になってから初めてけいれん発作が起こった場合には、脳腫瘍が疑われます。膠芽腫によるてんかん発作は、症候性てんかんとして分類されます。​

⚠️ けいれん発作の重要ポイント

  • 大人になって初めて発作が起きた場合は要注意​
  • 腫瘍の発生部位によって発作が生じる​
  • 脳腫瘍による頭痛は毎日続く特徴がある​
  • けいれんが多い傾向がある​

膠芽腫は脳内で急激に増大するため、ある日突然発症したように感じることがあります。そのため、けいれん発作が突然現れることも少なくありません。​

膠芽腫の進行による症状の変化

膠芽腫は最も悪性度の高い脳腫瘍であり、急速に進行します。初発時から重い神経症状を認めることが多く、Karnofsky performance status(KPS)が悪いことが特徴です。

参考)https://www.jstage.jst.go.jp/article/jcns/27/2/27_91/_pdf


進行期には、初期症状がさらに悪化し、新たな症状が加わります。頭痛は持続的で徐々に悪化し、朝方や体を動かした際に症状が増強します。頭蓋内圧亢進に関連して、吐き気や嘔吐を伴い、視神経乳頭浮腫による視力障害や複視といった視覚の問題が生じることもあります。​

📈 症状の進行パターン

膠芽腫を放置した場合、腫瘍は急速に増大し、脳組織への浸潤が進行します。これにより神経症状は徐々に悪化し、初期では頭痛、吐き気、視力障害などが現れますが、次第に麻痺や言語障害、認知機能低下などの重篤な症状へと進行します。

参考)悪性神経膠腫を放置するとどうなりますか? |悪性神経膠腫


集学的な治療を行っても症状の改善が得られず、治療前後でKPSが改善しないことも膠芽腫の特徴です。未治療の悪性神経膠腫では、診断から数週間から数ヶ月の間に症状が急速に悪化し、最終的には昏睡状態に至り、命に関わる状況となります。​
膠芽腫の末期症状としては、腫瘍の位置や大きさ、進行度によって異なりますが、頭蓋内圧亢進による激しい頭痛、吐き気、嘔吐があります。また、痙攣発作が頻発したり、意識レベルの低下が進行したりすることがあります。運動機能や感覚機能の障害が悪化し、片麻痺、視力・聴力の低下、言語障害などの神経症状が顕著になることがあります。​
認知機能の低下も進み、記憶障害や人格変化、判断力の低下などがみられることもあります。末期には、歩行困難や寝たきりの状態になり、嚥下障害により食事摂取が難しくなることもあります。​
国立がん研究センターがん情報サービス:神経膠腫の症状に関する詳細情報が記載されており、頭蓋内圧亢進症状と局所症状について理解を深めることができます
オプチューン製品情報サイト:膠芽腫の症状や治療法について、患者さん向けにわかりやすく解説されています
済生会医療情報:神経膠腫の初期症状や早期発見のポイントについて詳しく説明されています