神経核と神経節の違いとは

神経核と神経節の違い

神経核と神経節の違い 📊 基本のポイント
🧠

神経核とは

中枢神経系(脳と脊髄)内にある神経細胞体の集合で、脳の灰白質に存在します。

🔗

神経節とは

末梢神経系における神経細胞体の集合で、感覚神経節と自律神経節に分類されます。

📍

位置の違い

神経核は脳・脊髄の中、神経節は脊髄の外側や末梢組織に位置します。

神経核の定義と構造

神経核とは、中枢神経系である脳や脊髄の中にある神経細胞体の集合を指します。神経核は特定の情報処理や働きを担当する機能単位として、脳の灰白質に存在しています。神経細胞の細胞体が集まって機能単位を形成することで、複雑な神経伝達や情報処理が可能になります。

参考)神経核と神経節の違いはなんですか? – 神経核:中枢神経系(…


神経核は、運動神経細胞と感覚神経細胞の両方の細胞体から構成されており、CNS内での情報統合に重要な役割を果たします。脳は数百の識別可能な神経核から構成されており、それぞれの核は特定の機能を持っています。

参考)神経節と核の違いとは?分かりやすく解説!


神経核同士は神経路(小道)でつながっており、核から伸びる軸索の束が神経管を形成します。この構造により、中枢神経系内での効率的な情報伝達が実現されています。​

神経節の定義と種類

神経節は、末梢神経系における神経細胞体の集合体を指します。神経節の最も重要な特徴は、中枢神経系の外側に位置していることです。末梢神経系にある神経節は、その機能により感覚神経節と自律神経節の2つに大別されます。

参考)https://bsd.neuroinf.jp/w/index.php?title=%E7%A5%9E%E7%B5%8C%E7%AF%80amp;mobileaction=toggle_view_desktop


感覚神経節には、末梢で感覚刺激を受容した情報を中枢に伝達する感覚ニューロンの細胞体が集合しています。代表的な感覚神経節には、脊髄後根神経節、三叉神経節、膝神経節、前庭神経節などがあります。脊椎動物の運動ニューロンの細胞体は脊髄に存在するため、神経節は主に感覚ニューロンの細胞体から構成されます。

参考)神経節 – 脳科学辞典


自律神経節内では、中枢神経系に細胞体がある節前ニューロンと、末梢の筋肉や腺などを支配する節後ニューロンがシナプスを形成しています。自律神経節には交感神経系のものと副交感神経系のものがあり、毛様体神経節、翼口蓋神経節、顎下神経節、耳神経節などが含まれます。

参考)自律神経系の概要 – 07. 神経疾患 – MSDマニュアル…

神経核の具体例と機能

脳幹には数多くの運動核が存在し、動眼神経核、滑車神経核、三叉神経運動核、外転神経核、顔面神経運動核、副神経核、舌下神経核などが含まれます。これらの神経核の軸索は脳神経の一部として脳幹から神経末梢へと出ています。

参考)脳幹のおはなし


前庭神経核は、前庭器官に由来する前庭神経節細胞の一次求心性神経が終止する核で、橋・延髄移行部に広がる大きな神経核です。前庭神経核は上核、外側核、内側核、下核の4亜核に分類され、平衡感覚や眼球運動の制御に重要な役割を果たしています。

参考)前庭神経核 – 脳科学辞典


大脳基底核は、尾状核、被殻、淡蒼球、黒質核、視床下核からなる一群の核で、随意運動・眼球運動・学習・記憶など様々な機能に関わっています。視床と視床下部も組織化された核の塊として機能し、感覚情報の中継や自律機能の制御を担当しています。

参考)https://www.jstage.jst.go.jp/article/jkpt/5/0/5_0_73/_pdf

神経節の具体例と臨床的意義

脊髄後根神経節(後根神経節、脊髄神経節)は、求心性神経線維の細胞体から構成され、感覚神経のインパルスを中枢神経系に伝達する重要な役割を果たします。脊髄の両側に配置されており、皮膚および腱、筋の体性感覚を脊髄の後角や延髄後索核に伝えています。​
三叉神経節(半月神経節)は、側頭骨岩様部の錐体の尖端部上に位置し、前頭部、眼、鼻の体性感覚を三叉神経主感覚核や三叉神経脊髄路核に伝達します。三叉神経節は、眼神経、上顎神経、下顎神経の3つの枝に分かれる前の神経細胞体が集まる場所です。​
交感神経幹神経節(脊椎傍神経節)は、脊椎の両側を縦走する20あまりの神経節がつながったもので、星状神経節は下頸神経節と第1胸神経節が融合したものです。自律神経節では信号の乗り継ぎが起き、節前線維から節後線維へと情報が伝達されます。

参考)自律神経系|神経系の機能


副交感神経節(毛様体神経節、翼口蓋神経節、耳神経節、骨盤神経節など)は効果器の中に存在し、節後線維はわずか1~2mmと非常に短いのが特徴です。これらの神経節は、瞳孔収縮筋、涙腺、唾液腺、内臓などを支配しています。​

神経核と神経節の位置による違い

神経核と神経節の最も根本的な違いは、神経系における位置です。神経核は中枢神経系(CNS)、つまり脳と脊髄の内部に存在するのに対し、神経節は末梢神経系(PNS)に位置します。この位置の違いは、解剖学的な用語の使い分けの基準となっています。

参考)https://www.kinpodo-pub.co.jp/kinpodowp/media/sample/sp1506-7.pdf


中枢神経系における神経細胞体の集合を神経核と呼び、末梢神経系における神経細胞体の集合を神経節と呼ぶという定義は、医学教育や臨床現場で広く用いられています。神経核は脳の灰白質に存在し、複数の核が相互に結合して複雑な神経回路を形成します。

参考)https://www.niwell.or.jp/education/docs/511.pdf


神経節は神経叢を形成し、末梢での情報伝達や中継点として機能します。感覚神経節は脊髄の外側に位置し、感覚情報を中枢へ伝える求心性神経の細胞体が集まっています。自律神経節は内臓周囲や内臓壁内に存在し、交感神経系と副交感神経系の節前線維と節後線維の接続点となっています。​
神経核と神経節の両方から神経線維の束が出ていますが、神経核からは中枢神経系内の他の核や末梢への神経管が、神経節からは末梢組織への神経線維が伸びています。この構造的な違いが、それぞれの機能的特徴を反映しています。​