半月板損傷の手術費用と保険適用
半月板切除術の費用相場
半月板切除術は、損傷した半月板の傷んだ部分を関節鏡を用いて取り除く手術です。令和7年の健康保険で定められた費用では、関節鏡視半月板切除術は約15万円となっており、3割負担の方では約7~15万円が相場となります。手術時間は15~30分程度と比較的短時間で済むため、身体への負担も少なく、費用は縫合術に比べて抑えられる傾向があります。入院期間は2~7日程度で、場合によっては日帰り手術として行える医療機関もあります。ただし、半月板を切除すると将来的に関節軟骨への負担が増え、変形性膝関節症などを発症しやすくなる可能性があるため、長期的な膝の健康を考慮する必要があります。
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半月板縫合術の費用と入院期間
半月板縫合術は、損傷した半月板を専用の器材を使用して縫合する手術で、半月板を温存できることが大きなメリットです。健康保険で定められた費用では、関節鏡視下半月板縫合術は約18万円で、3割負担の方では約10~20万円が相場となります。縫合術は切除術よりも手術後の安静を要することが多く、入院期間が長くなり高価になります。入院期間は3~14日程度が一般的で、組織が癒合するまでの時間が必要なため、治療期間も長くなる傾向があります。若年層やスポーツ選手にとっては、半月板を温存できることは長期的な関節の健康にとって大きなメリットがありますが、縫合部分は元通りの強度になるわけではなく、再断裂のリスクもあるため、術後の運動再開は慎重を要します。
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保険適用と高額療養費制度の活用
半月板損傷の手術である半月板切除術や縫合術は、健康保険の適用となります。前十字靭帯損傷の手術を行う方が、半月板損傷の手術を同時に行った場合も保険適用となります。手術費用が高額になった場合、高額療養費制度を利用することで、自己負担限度額を超えた分が払い戻される制度が利用できる場合があります。この制度では、所得に応じて自己負担限度額が設定されており、70歳未満の方では年収約370万円以下の場合、1か月の自己負担限度額は57,600円となります。また、限度額適用認定証を事前に申請することで、医療機関での支払い時点から限度額までの負担で済むようになります。費用を減らせる金額は自身の収入や加入している保険区分によって変動するため、詳しく知りたい方は、自身が加入している健康保険組合に問い合わせることが推奨されます。
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手術費用に影響する要因
手術の際に必要となる費用は、手術内容や入院日数、適用される保険によって異なります。半月板切除術と縫合術では、手術そのものにかかる費用は大きくは違わないものの、一般に半月板縫合術のほうが手術後の安静を要することが多いため、入院期間が長くなり高価になります。また、手術後の経過や同時に行う治療内容によっても費用は変動します。食事代や部屋代は病院によって異なり、これらが総額に与える影響も少なくありません。半月板手術以外に軟骨の追加処置が必要な場合はさらに時間がかかり、費用も増加する可能性があります。手術に使用する材料費などの違いにより、金額に差異が生じることもあるため、事前に医療機関に確認することが重要です。
参考)手術費用(目安)
術後のリハビリと社会復帰までの期間
半月板切除術の場合、手術翌日より松葉杖や歩行器を用いて歩行を開始し、松葉杖を上手く使用することができれば、手術翌日に退院することができます。術後は比較的早期から歩行が可能になり、数日で杖や松葉杖なしでの移動が可能になることも珍しくありませんが、術後早期に無理な負荷をかけると膝関節の疼痛や腫脹の原因となるため、術後1~2週間程度松葉杖を使用することが推奨されています。半月板縫合術の場合は、縫合された部分が完全に癒えるまで無理な動作を避ける必要があるため、リハビリは段階的かつ慎重に進める必要があります。最初の2週間は膝の固定装具(ニーブレース)を着用し、荷重制限を設けながら松葉杖を使用することが一般的で、全荷重歩行(杖なし)は術後4~6週間となります。デスクワークは術後2~3週間以降、立ち仕事・軽作業復帰は術後2~3ヶ月、激しい運動や屈伸動作は術後4~5ヶ月が目安となります。
参考)半月板損傷について
参考リンク(半月板損傷の手術費用について詳しい情報)。
参考リンク(高額療養費制度の詳細について)。
参考リンク(半月板損傷の入院期間について)。