膵がんブログりんりんさんの闘病記録
膵がんステージⅣで闘ったりんりんさんのブログ内容
りんりんさんは2020年11月末に膵臓癌が発見され、肝臓転移があり手術不可能なステージⅣと診断されました。「笑顔と感謝の毎日を膵臓癌Ⅳでもポジティブ人生」というタイトルのブログで、抗がん剤による延命治療を受けながら、心穏やかに前向きに生き抜く日々を記録していました。
参考）https://ameblo.jp/rinrin370904/
ブログでは、診断当時55歳だったりんりんさんが、膵臓がんという厳しい病気と向き合いながらも、ポジティブライフを目指す姿勢が綴られています。彼女のブログは、同じ病気と闘う患者や家族にとって、大きな励みとなっていました。
残念ながら、りんりんさんは2022年12月5日に永眠されました。弟さんによる最後の投稿では、「ブログで皆様から励まされ、とても感謝していた」との言葉が伝えられています。膵がんステージⅣの患者が、約2年間の闘病生活の中で、どれほど多くの人々とつながり、支え合っていたかがわかります。
膵がん患者ブログに見る治療の実態と抗がん剤
膵がんの治療では、ステージⅣのような進行した状態では手術が不可能なため、化学療法（抗がん剤治療）が中心となります。りんりんさんのような肝臓転移を伴う症例では、抗がん剤による延命治療が選択されます。
参考）膵臓がんの生存率と最新医療｜ステージ別の考え方と治療の選択肢
膵臓がん治療で広く使用される抗がん剤には、ゲムシタビン（商品名ジェムザール）があり、これは代謝拮抗剤と呼ばれる種類の薬で、がん細胞のDNA合成を阻害します。また、より高い治療効果を得るため、ナブパクリタキセル（アブラキサン）とゲムシタビンの併用療法や、複数の抗がん剤を組み合わせたFOLFIRINOX療法などが行われます。
参考）https://www.jfcr.or.jp/hospital/cancer/type/pancreas/006.html
膵がんステージⅣの5年生存率は約2.7％、1年後の生存率は約20%と非常に厳しい数字が報告されています。しかし、治療への反応や患者の全身状態によっては、平均的な余命（3ヶ月から6ヶ月程度）より長く生存されるケースもあり、りんりんさんのように約2年間生存された例も存在します。
参考）膵臓がんステージ別生存率と治療選択肢：最新情報を徹底解説
多くの膵がん闘病ブログでは、アブラキサン+ゲムシタビン療法やFOLFIRINOX療法を受けながら、日々の生活や治療の様子が記録されています。これらの記録は、同じ病気と闘う患者や家族にとって、貴重な情報源となっています。
膵がん初期症状の見逃さないためのチェックポイント
膵がんは早期発見が非常に難しく、見つかった時点で手術ができないほど進行している場合が多い病気です。膵がんを見つけるきっかけとなる自覚症状として、以下のような症状が多く見られます。
主な初期症状には、みぞおちや背中の痛み、腹痛、食欲不振、体重減少、全身倦怠感があります。また、皮膚や白目の黄ばみ（黄疸）やかゆみも重要なサインです。さらに、便の変化や吐き気・嘔吐、糖尿病の発症や悪化も膵がんの可能性を示唆する症状として知られています。
参考）膵臓がんが発覚したきっかけは？初期サインと見逃さないための対…
血液検査では、腫瘍マーカー（CA19-9）や膵酵素（アミラーゼ）が高い値を示す場合に膵がんが見つかることがあります。原因がわかっていない腹痛や背部痛、全身倦怠感、体重減少などの自覚症状がある場合や、これらの血液検査異常を指摘されたことがある場合は、膵がんを念頭に精密検査を行う必要があります。
参考）膵がん（膵臓がん）を早期発見する方法はありますか？ – お茶…
膵がんの検査法には、腹部超音波（エコー）検査、腹部CT検査、腹部MRI検査、MR胆膵管撮影（MRCP）などがありますが、これらの検査は一般的な人間ドックのメニューには含まれていないことが多いため、リスクが高い人は積極的に検査を受けることが推奨されます。
参考）膵臓がん（すい臓がん）について解説。初期症状は？完治は可能な…
膵がん患者の生存率と予後について知っておくべきこと
膵臓がんの生存率は、診断時のステージによって大きく異なります。早期発見が鍵となるステージⅠでは、腫瘍が膵臓内に限局しており、手術による完全切除が可能な場合、5年生存率は約50%と報告されています。ステージⅡでは、術後に補助的な化学療法や放射線療法を組み合わせることで、5年生存率は約30%から40%とされています。
ステージⅢになると、腫瘍が膵臓周囲の主要な血管や神経に浸潤しており、手術による完全切除が難しくなります。このステージでは化学療法や放射線療法を中心とした治療が行われ、5年生存率は約10%から20%と報告されています。
最も進行したステージⅣでは、遠隔臓器（肝臓、肺など）への転移が確認され、5年生存率は通常3%から5%程度と非常に厳しい数字となっています。平均的な余命は3ヶ月から6ヶ月程度とされていますが、患者の全身状態や治療への反応によっては、これより長く生存されるケースもあります。
ただし、これらの統計数値は過去のデータに基づいており、個々の患者の状況、治療への反応、新しい治療法の導入などによって、実際の予後は大きく変わる可能性があります。実際に、りんりんさんのように、診断から約2年間という時間を前向きに生きた例も存在します。膵がん治療の進歩により、生存期間の延長や生活の質の向上が期待できる時代になってきています。
参考）https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC10066137/
膵がん患者と家族のサポート体制と相互支援の重要性
末期膵臓がんと向き合う家族の役割は多岐にわたります。まず、患者の病状や治療進行を把握し、医療チームと連携して適切なケアを提供することが求められます。また、家族自身がしっかりと情報収集し、治療法や療養生活に関する知識を身に付けることが重要です。
参考）膵臓がん末期の真実と家族ができる支援｜がん情報BOX｜【公式…
患者の精神的な支援を行い、希望や不安を共有することも大切です。これには、コミュニケーションを大切にし、患者との信頼関係を築く努力が不可欠となります。さらに、患者の自宅での療養が必要な場合は、日常生活のサポートを行うことも家族の役割となります。
家族は患者の代わりに医療チームと連絡を取り、治療方針の決定や症状の確認などを行うことが求められます。病院やケア施設との調整や手続き、保険や社会保障制度の活用なども重要な業務です。
同時に、家族は自分自身の心身の健康を維持し、ストレスの軽減や情報交換の場を求めることが重要です。サポートグループやカウンセリングを利用し、他のがん患者家族とのつながりを持つことで、より良いケアが可能となります。「膵臓がん患者と家族の集い」のような会員制ではない自由参加型の交流の場も存在し、情報収集や互いの支え合いの場として機能しています。
参考）膵臓がん患者と家族の集い
りんりんさんのブログが多くの人々に励みを与えたように、患者同士や家族同士のつながりは、闘病生活において非常に大きな支えとなります。膵がんという厳しい病気と向き合う中で、医療チーム、患者、家族が一体となったサポート体制を築くことが、生活の質の向上につながります。