筋肉量女性40kgの意味と健康的な基準値

筋肉量女性40kgの意味

📊 女性の筋肉量40kgとは
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平均値の約2倍

一般的な女性の筋肉量は約18kgであり、40kgは非常に高い数値です

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測定方法の違い

体組成計のメーカーにより算出方法が異なるため、数値の解釈には注意が必要です

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年齢別の変化

加齢とともに筋肉量は減少し、特に50代以降は急激に低下する傾向があります

女性の筋肉量40kgは平均の2倍以上

女性の平均的な筋肉量は約18.2kgとされており、筋肉量が40kgある場合は平均値の2倍以上となり、非常に筋肉量が多い状態を示しています。体重から体脂肪量、骨量、内臓などの重量を差し引いた重さが筋肉量として定義され、健康的な範囲の体重で筋肉量40kgを達成している場合、メリハリのある引き締まった体型が期待できます。

参考)女性で筋肉量40kgはかなり多い!正しい計算方法&年齢別の平…


しかし、この数値には注意が必要です。特にタニタの体組成計では、筋肉でできている内臓も筋肉量に含まれるため、体重から体脂肪量と骨量を除いた数値が筋肉量として表示され、他メーカーの体組成計よりも筋肉量が多めに表示される傾向があります。体を動かす働きのある骨格筋量のみを確認したい場合は、別の計算方法を使用する必要があります。

参考)筋肉量40kgはかなり多い!男女別の平均値&計算方法から筋肉…


BMIや筋肉率などの数値も合わせて確認することで、より正確に自分の体組成を把握できます。女性の筋肉率の平均は一般的に25~35%とされており、標準であれば26~27.9%、やや高い数値だと28~29.9%です。

参考)女性の健康と適切な筋肉量とは?食事や筋トレのポイントを管理栄…

女性の筋肉量年齢別平均値

女性の筋肉量は年齢とともに変化し、特に40歳を過ぎると筋肉量が減少し始めます。20代では筋肉量がピークに達し、その後10年間で女性は約1kg程度ずつ減少していくと言われています。

参考)女性は40代からの筋力低下に要注意!サルコペニア 、ロコモ、…


年齢別の筋肉率の平均値を見ると、以下のような傾向があります:

参考)女性の筋肉量の目安について

  • 20代:筋肉率約40%
  • 30代:筋肉率約36%
  • 40代:筋肉率約34%
  • 50代:筋肉率約30%
  • 60代:筋肉率約25%

特に女性では、50代以降から筋肉量の減少が加速する傾向があります。閉経後にエストロゲンの減少とともに顕著に筋肉が減少し、年齢と共に約1.5%~2%程度の筋肉量が減少することもあります。骨格筋指数(SMI)では、AWGS2019の基準値で女性は5.7kg/m²未満がサルコペニアの基準とされており、60代の約25%、70代の約40%、80代の約65%がこの基準値を下回っています。

参考)https://realworkout.jp/column/training/maintaining-musclemass-is-important/


日本老年医学会のフレイル・サルコペニア予防に関する論文では、高齢期の栄養摂取とたんぱく質の重要性について詳しく解説されています。

筋肉量の正しい測定と計算方法

筋肉量を正確に把握するためには、適切な測定方法と計算式の理解が重要です。一般的に使用される体組成計は、生体電気インピーダンス法(BI法)を用いており、足の裏にあたる電極から体に微弱な電流を流し、電気抵抗を計測します。脂肪は水分が少ないため電気をほとんど通さず、筋肉は水分が多いためよく電気を通すという特性を利用した測定方法です。

参考)https://www.elecom.co.jp/pickup/column/healthcare_column/00019/


筋肉量の計算方法は以下の通りです:​

  • 体脂肪量 = 体重 × 体脂肪率
  • 除脂肪量 = 体重 − 体脂肪量
  • 筋肉量 = 除脂肪量 × 0.5
  • 筋肉率 = 筋肉量 ÷ 体重

例えば、体重50kg、体脂肪率25%の場合、体脂肪量は12.5kg、除脂肪量は37.5kg、筋肉量は18.75kg、筋肉率は38%となります。​
体組成計で正確に測定するためには、運動・食事・入浴の後を避け、同じ時間帯に計測することが推奨されています。運動や食事、入浴、時間帯によって体温や体内の水分の状態が変化し、体組成の計測値に影響が出るためです。また、測定前は食事を控えトイレを済ませることで、より正確な測定が可能になります。

参考)体組成計の正しい使い方|タニタマガジン


タニタの体組成計の正しい使い方ガイドでは、測定タイミングや条件について詳細な情報が提供されています。

女性の筋肉量低下とサルコペニアのリスク

筋肉量の減少は、単なる加齢現象ではなく、健康に深刻な影響を及ぼす可能性があります。サルコペニアとは、ギリシャ語の「Sarx(筋肉)」と「Penia(喪失)」から作られた言葉で、主に加齢によって筋肉の量が減少し、筋力と身体能力が低下した状態を指します。

参考)サルコペニア(筋肉減少症)|原因・症状・対策・予防法|大正健…


サルコペニアの診断基準として、握力が女性で18kg未満、または歩行速度が0.8m/s未満の場合が挙げられます。75~79歳の女性の約2割、80歳以上では女性の約半数がサルコペニアに該当するという研究結果もあります。特に女性では、閉経後にエストロゲンの減少とともに筋肉量が顕著に減少するため、40代からの対策が重要です。

参考)【図解】サルコペニアとは?フレイルとの違いは?特徴や対策方法…


筋肉量が減少すると、以下のようなリスクが高まります:​

  • 寝たきりや要介護状態のリスク増加
  • 糖尿病肺炎などの疾患発症リスク上昇
  • 死亡率の増加
  • 筋肉での熱産生減少による冷え性
  • 熱中症や脱水のリスク増加(筋肉の約75%は水分)
  • 免疫機能の低下

サルコペニア肥満という状態も注目されており、女性の場合、体脂肪率32%以上で骨格筋量指数が5.67kg/m²以下、または握力が18.0kg未満あるいは歩行速度が1.0m/s未満の場合が該当します。

参考)サルコペニア肥満|サルコペニア対策|アクティブシニア「食と栄…


健康長寿ネットのサルコペニアに関する詳細情報では、診断基準や予防法について詳しく解説されています。

女性の筋肉量を増やす食事とトレーニング戦略

女性が効果的に筋肉量を増やすためには、適切な栄養摂取と計画的なトレーニングの両方が不可欠です。女性は男性ホルモンのテストステロンの分泌量が男性の10分の1程度であり、女性ホルモンのエストロゲンがテストステロンの分泌を抑える働きがあるため、男性よりも筋肉がつきにくい傾向があります。​
たんぱく質の摂取は筋肉量増加において最も重要です。高齢期では加齢による同化抵抗性が起こり、骨格筋形成の同化抑制反応が若年期と比較して減弱化するため、十分量のたんぱく質摂取が重要です。65歳以上のフレイル状態にある女性に高たんぱく質食(1.23 g/kg/日)を摂取させたところ、蛋白同化が亢進し、窒素平衡のバランスもプラスになったという報告があります。

参考)2.フレイル・サルコペニアを予防する高齢者の食と栄養

筋肉量を増やすための食事のポイント。

  • 肉類・魚介類・卵・大豆製品・乳製品を1日3食で十分な量摂取する
  • 赤い色の動物性食材(牛肉など)から吸収の良い「ヘム鉄」を摂取する
  • 魚を使った料理でエネルギー量をコントロールする
  • 必要に応じてプロテインを活用する

トレーニングに関しては、女性が鍛えるべき主要な筋肉として、大胸筋(胸周りのボリュームアップ)、三角筋(肩回りをすっきりさせる・肩こり解消)、背筋などがあります。初心者はスクワットとプランクをそれぞれ1セットずつ行い、少しずつ回数や秒数を増やしていくと無理なく鍛えられます。

参考)https://ultora.co.jp/shop/pages/women-build-muscle


グリコのパワープロダクションでは、筋トレの効果を最大化するための食事メニューについて詳しく解説されています。
運動と食事による筋肉量の維持・増加は、健康寿命の延伸に直結します。若いうちからしっかり筋肉をつけておくこと、そして筋肉が減り始める時期をできるだけ遅らせることが、元気に動ける時間を増やすために重要です。

参考)【InBody】健康な体づくりの目安に!男女別・年代別の体成…