がん情報サービスと国立がん研究センターの活用法

がん情報サービスと国立がん研究センター

この記事でわかること
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最新のがん統計情報

罹患数や死亡数など、日本のがんに関する最新データを確認できます

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信頼できる医療情報

診断・治療・療養に関する確かな情報が無料で得られます

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相談支援サービス

専門スタッフによる無料相談や病院検索が利用できます

がん情報サービスの基本情報と運営主体

「がん情報サービス」は、国立がん研究センターがん対策研究所が運営するウェブサイトです。患者さんやご家族を中心に、広く一般の方、医療関係者、行政担当者や研究者などへ、がんに関する「確かな」情報を提供しています。毎月およそ170万人から200万人もの人に利用されており、毎月約400万から500万ページが閲覧される大規模な情報サイトとなっています。

参考)「がん情報サービス」が生まれ変わりました|国立がん研究センタ…


このサイトは2021年7月に全面リニューアルされ、最新の情報を探しやすいデザインに生まれ変わりました。スマートフォンでも見やすく、トップページ最上部の「病名から探す」から、最も利用者が多いがんの種類別の情報にすぐアクセスできます。がんの種類ごとに「検査」「治療」「療養」「臨床試験」「患者数(がん統計)」「予防検診」などの細かいページに分けられており、知りたい情報にたどり着きやすくなっています。​
国立がん研究センターは、日本のがん対策の中核機関として、研究開発から情報提供まで幅広い活動を行っています。がん情報提供部では、一般及び医療関係者向けのがんに関連する情報の作成、活用支援、普及や均てん化に関する活動を柱に、がん情報に関する体制の構築や整備を行っています。

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がん統計データと罹患数の最新情報

がん情報サービスの「がん統計」セクションでは、日本のがんに関する最新の統計データを提供しています。2021年に新たに診断されたがんは98万8,900例(男性55万5,918例、女性43万2,982例)でした。部位別の罹患数では、大腸が15万4,585人(15.6%)で最も多く、次いで肺12万4,531人(12.6%)、胃11万2,881人(11.4%)の順となっています。

参考)最新がん統計:[国立がん研究センター がん統計]


男性では前立腺がんが9万5,584人(17.2%)と最も多く、次いで大腸がん8万6,271人(15.5%)、肺がん8万2,749人(14.9%)、胃がん7万6,828人(13.8%)の順です。女性では乳房が9万8,782人(22.8%)で最も多く、次いで大腸がん6万8,314人(15.8%)、肺がん4万1,782人(9.6%)、胃がん3万6,053人(8.3%)となっています。

参考)がんの部位別統計 – 日本対がん協会


2023年にがんで死亡した人は38万2,504人(男性22万1,360人、女性16万1,144人)で、死亡数の部位別では、男性は肺が最も多くがん死亡全体の24%を占め、次いで大腸(13%)、胃(12%)、膵臓(8%)、肝臓(7%)の順でした。女性では大腸が最も多く(16%)、次いで肺となっています。これらの統計データは、がん対策の立案や評価、研究の基礎資料として活用されています。

参考)https://ganjoho.jp/public/qa_links/report/statistics/pdf/cancer_statistics_2022_fig_J.pdf

がん診断と治療に関する情報提供サービス

がん情報サービスでは、がんの診断と治療に関する包括的な情報を提供しています。がんの疑いがあるときや治療前、治療中、治療後に行う検査に関する情報、主ながんの治療法について詳しく紹介しています。

参考)診断と治療:[国立がん研究センター がん情報サービス 一般の…


診断に関しては、血液検査や画像検査、病理検査など、がんかどうかを最終的に診断するための検査について説明しています。がんと診断されたら、治療方針を検討するために、がんの広がりを調べる検査を行います。同時に心臓、呼吸、肝臓、腎臓の機能など全身の状態を調べ、治療を受けることができる状態かどうかを評価・判断します。

参考)がんの検査について:[国立がん研究センター がん情報サービス…


治療に関しては、薬物療法(抗がん剤やホルモン療法)、放射線療法粒子線治療など、主な治療法の種類、投与方法とその目的、副作用について詳しく説明しています。また、健康食品など代替療法についても情報を提供しており、患者さんが正しい判断をするための材料を提供しています。

参考)https://www.mhlw.go.jp/shingi/2008/10/dl/s1024-9m.pdf


治療前だけでなく治療中にも検査を行い、治療効果の判定や副作用・合併症が起きていないかを確認します。主な治療が終わってからも、治療の効果が続いているか、転移や再発がないかなど経過観察のために検査を行います。検査と診断にかかる時間は、適切な治療を行うために必要な時間であることが強調されています。​

相談支援センターと病院検索機能の活用

がん情報サービスでは、患者さんやご家族が相談できる窓口として、「がん情報サービスサポートセンター」を設置しています。この相談窓口では、がんに関する心配事や知りたい情報について、電話で無料相談ができます。相談できる内容には、治療や療養に関する一般的ながん情報のご案内、心配なことやお困りのことを解決するお手伝いが含まれます。

参考)がん情報サービスサポートセンターのご案内:[国立がん研究セン…


ただし、「このような病状の場合はどうか」「この治療は適切か」といった医学的判断を要する病状や個別の治療についての質問、医師の見解を求める質問にはお応えできないことに注意が必要です。相談はお一人につき1日1回20分とされており、日本語のみ対応可能です。​
全国のがん診療連携拠点病院にも「がん相談支援センター」があり、がん情報サービスサポートセンターでは、これらの施設のご案内やご利用方法も紹介しています。がん診療連携拠点病院のがん相談支援センターでは、がんについて詳しい看護師や、生活全般の相談ができるソーシャルワーカーなどが相談員として対応しており、相談料は無料で、どなたでも幅広く利用できます。

参考)がん相談支援センター


病院検索機能も充実しており、「病名から病院を探す」「地域から病院を探す」といった方法で、がん診療連携拠点病院や希少がんを診ている病院を検索できます。院内がん登録データを用いた、がんや病院の検索システムも公開されており、全国のがん診療連携拠点病院の症例数などを確認することができます。

参考)地域から病院を探す : がん情報サービス相談先・病院を探す

臨床試験情報と療養・就労支援の独自コンテンツ

がん情報サービスでは、研究段階の医療(臨床試験、治験など)についての詳しい情報も提供しています。「がんの臨床試験を探す」ページでは、希少がんなどのがんの種類名で検索することができます。検索のコツとして、「○○がん」「○○癌」「○○腫瘍」などの「がん」「癌」「腫瘍」を抜いて「○○」で入力すると、より多くの臨床試験を見つけられるとアドバイスしています。

参考)がんの臨床試験を探す:[国立がん研究センター がん情報サービ…


国内で実施されている治験、医師主導治験を含む臨床研究全般の情報が登録・公開されているデータベースとリンクしており、患者さんが自分に合った臨床試験を探すことができます。がんの種類別に最適な検索方法を提示しているのも特徴です。

参考)研究段階の医療(臨床試験、治験など)の詳しい情報(リンク集)…


療養と就労に関する支援情報も充実しています。がん情報サービスでは、「がんと療養シリーズ」「社会とがんシリーズ」「がんと仕事のQ&A」などの冊子を提供しており、これらはPDFファイルとしてもダウンロードできます。がんになった従業員の治療と仕事の両立支援に関する情報も提供されており、職場での支援体制づくりに役立つガイドブックも入手できます。

参考)がん情報提供部


情報弱者(視覚障害者)向けのコンテンツも作成されており、音声コンテンツの作成やがんに関する情報の点訳・音訳資料作成支援が行われています。一部のがんの情報は音声で聞くこともできるようになっており、より多くの人が情報にアクセスできるよう配慮されています。​
国立がん研究センター がん情報サービス 公式サイト

がんに関する確かな情報を得るための総合的な情報源として活用できます。

最新がん統計のまとめ

日本のがんの罹患数、死亡数、生存率などの最新統計データを確認できます。

がん情報サービスサポートセンターのご案内

電話で相談できる無料の相談窓口の詳細が掲載されています。