子宮体がん初期症状
子宮体がんで最も多い不正出血の特徴
子宮体がん患者の約90%に不正出血の症状が見られ、初期段階から現れる代表的なサインです。不正出血とは、月経周期以外に起こる出血のことで、特に閉経後の出血は子宮体がんの可能性が高く注意が必要です。
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出血の色は鮮やかな赤色から暗い茶色まで様々で、量も点状のわずかな出血から月経程度の出血まで個人差があります。閉経前の女性では月経不順や月経が長引く、月経量が増えるといった症状として現れることもあります。
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日本婦人科腫瘍学会の報告によれば、閉経後の不正出血がある場合、半数近くが何らかの悪性腫瘍によるものとされており、早めの受診が重要です。出血量に関わらず、不正出血があれば医療機関を受診することが推奨されています。
参考)https://medicalnote.jp/diseases/%E5%AD%90%E5%AE%AE%E4%BD%93%E3%81%8C%E3%82%93/contents/171121-004-PR
子宮体がんのおりものの変化と見分け方
おりものの異常も子宮体がんの初期症状として重要なサインです。正常なおりものは透明から白色ですが、子宮体がんでは血液が混じって茶褐色になったり、量が明らかに増加したりします。
特に注意すべきおりものの特徴として、悪臭を伴う場合があります。子宮体がんが進行すると、がん細胞が壊死して子宮内に膿がたまる「子宮留膿腫」という状態になり、異臭や悪臭のあるおりものが出ることがあります。
数日以上おりものの色や量に異常がある場合は、婦人科を受診することが大切です。おりものに血が混じる程度の軽微な変化でも、継続する場合は検査を受けることが早期発見につながります。
参考)子宮体がんの症状と原因|腹腔鏡手術の安藤正明【婦人科】子宮筋…
子宮体がんの下腹部痛と腰痛の症状
子宮体がんでは、初期段階では痛みの症状がないことがほとんどですが、がんが進行すると下腹部の違和感や鈍痛が現れることがあります。この痛みは急激なキリキリした痛みではなく、お腹が重苦しい持続的な鈍痛や圧迫感として感じられます。
参考)子宮体癌の症状として、どのような痛みがありますか? |子宮体…
腰部に痛みや圧迫感が生じることもあり、これはがんが近くの神経や組織に影響を与えている可能性があります。さらに進行すると、神経への浸潤や圧迫による刺すような痛み、膀胱や直腸への浸潤による排尿・排便時の痛みが出現することもあります。
参考)ステージ1の子宮体がん「症状、診断、治療、および予後の詳細な…
月経時以外の下腹部の痛みや違和感が続いている場合、骨盤まわりの鈍痛が続いている場合は、早めに医療機関で検査を受けることが推奨されます。
閉経後の子宮体がん症状に特に注意すべき理由
閉経後の不正出血は子宮体がんの典型的な症状であり、特に注意が必要です。子宮体がんは閉経前後の年代に多く発症し、閉経後の出血がある場合には約半数が悪性腫瘍によるものという報告があります。
参考)子宮体がん(子宮内膜がん):[国立がん研究センター がん情報…
閉経後の女性では、子宮内膜が薄くなり通常は出血しないため、少量でも出血があれば子宮体がんを疑う重要なサインとなります。また、閉経後の子宮体がん患者の約9割に不正出血が認められたというデータもあり、このサインを見逃さないことが早期発見の鍵となります。
更年期や閉経後に不正出血があるときは、たとえ少量であっても放置せず、速やかに婦人科を受診することが大切です。早期発見により治療の選択肢が広がり、予後の改善につながります。
子宮体がんの検査と診断方法
子宮体がんの診断には、子宮内膜の細胞や組織を採取する病理検査が基本となります。検査方法には細胞診と組織診があり、細胞診では腟から子宮内に細いチューブやブラシのような器具を挿入して子宮内膜を軽くこすり、異型細胞の有無を調べます。
参考)子宮体がん(子宮内膜がん) 検査:[国立がん研究センター が…
細胞診で異常があった場合や子宮体がんの可能性が高い場合には、組織診を行います。組織診では細いスプーンやチューブのような器具を使って子宮内膜から細胞のかたまりを採取し、がんかどうかを確定させます。検査時にはチクッとした痛みを伴うことがあり、検査後数日間は茶色っぽいおりものや出血が続くことがあります。
参考)子宮体がん検診後の出血はいつまで続きますか? |子宮体癌
子宮体がんと診断された場合には、内診・直腸診、超音波検査、CT検査、MRI検査などを行い、がんの広がりや進行度を評価します。これらの検査結果に基づいて、最適な治療方針が決定されます。
参考)https://www.az-gynecologic-cancer.jp/shikyutaigan/diagnosis/
国立がん研究センターがん情報サービス「子宮体がんの検査」
子宮体がんの詳しい検査方法と診断の流れについて、信頼性の高い情報が掲載されています。