粉瘤手術費用と保険適用の完全ガイド

粉瘤手術費用と保険適用

粉瘤手術の費用と保険のポイント
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保険適用で負担軽減

粉瘤の手術は健康保険の適用対象となり、3割負担で約8,000円〜30,000円程度です

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大きさと部位で変動

粉瘤の大きさや発生部位(露出部か非露出部か)によって診療報酬点数が異なります

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生命保険の給付金

契約内容によっては手術給付金の対象となり、追加の給付を受けられる場合があります

粉瘤手術の保険適用と診療報酬点数の仕組み

粉瘤の手術は、診察・検査・診断・手術・病理検査などすべての医療行為が健康保険の適用対象となっています。診療報酬点数は厚生労働省によって定められており、粉瘤の大きさと発生部位によって異なる点数が設定されているんです。

参考)粉瘤手術の費用と保険適用について|治療の流れも詳しく解説!


露出部とは、頭・顔・首・肘から指先・膝から足先までの部位を指します。これらの部位は「半袖・半ズボンで外から見える部位」と覚えておくとわかりやすいですよ。露出部以外は、胸部・腹部・背部・上腕部・大腿部などが該当します。

参考)粉瘤・皮膚腫瘍の治療|川崎市宮前区の宮崎台スキンクリニック|…


診療報酬点数は1点=10円で計算され、患者さまの自己負担額は保険の負担割合に応じた金額となります。現役世代であれば3割負担、高齢者の方は1割負担となるケースが多いんですね。

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粉瘤手術費用の具体的な内訳と総額目安

粉瘤手術の費用は、手術費用だけでなく複数の項目が加算されます。初診料または再診料として約900円〜3,000円、処方料・薬剤料として約500円〜1,500円が別途必要になるんです。

参考)粉瘤の手術費用を徹底解説|保険適用から術式の選び方まで – …


さらに摘出した組織の病理検査費として約3,000円〜4,000円、超音波検査(エコー)を行う場合は約1,000円〜1,500円が加算されます。これらを合計すると、小さな粉瘤で約8,000円〜15,000円程度、大きな粉瘤で約20,000円〜30,000円程度が総額の目安となります。​
以下は3割負担の場合の手術費用の目安です。

参考)https://matsunagahifuka.com/epidermal_cyst/

部位 粉瘤の大きさ 手術費用(概算)
露出部 2cm未満 約5,000円〜7,000円
露出部 2cm以上4cm未満 約11,000円〜14,000円
露出部 4cm以上 約13,000円〜16,000円
非露出部 3cm未満 約4,000円〜5,000円
非露出部 3cm以上6cm未満 約10,000円〜12,000円
非露出部 6cm以上12cm未満 約12,000円〜14,000円
非露出部 12cm以上 約25,000円程度

病理検査費が含まれた総額では、露出部2cm未満の粉瘤の場合、約8,300円(手術代5,300円+病理検査代3,000円)となります。​

粉瘤手術の術式による費用の違い

粉瘤の手術には主に「くり抜き法」と「切開法(紡錘形切除法)」の2つの術式があります。くり抜き法は、粉瘤の中心に円筒状のメス(トレパン)で4〜5㎜ほどの小さな穴をあけて、粉瘤の中身を押し出してから袋を取り出す方法です。

参考)粉瘤治療のくり抜き法・切開法について|名古屋市中区栄駅のウェ…


切開法は、粉瘤を紡錘形に切除して縫合する方法で、再発リスクが低いという特徴があります。手術時間は通常15〜30分程度で、どちらも局所麻酔による日帰り手術として行われるんです。

参考)「切開法」で粉瘤は再発しない!手術手順と特徴をわかりやすく紹…


興味深いことに、術式による保険点数の違いはほとんどなく、費用は主に粉瘤の大きさと部位によって決まります。ただし、くり抜き法は傷が小さく済むため、術後の通院回数が少なくなり、結果として総費用が抑えられるケースもありますよ。

参考)[医師監修・作成]粉瘤の手術費用は病院によって違うのか:自己…


実際の臨床現場では、2〜3cm程度に大きくなった粉瘤ではくり抜き法の適応がなく、通常の紡錘形切開法が選択されることが多いです。また、炎症を起こして癒着が強いものや、深い部分まで広がっているものでは、くり抜き法の適応とならないこともあるんですね。

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粉瘤手術における生命保険の給付金

個人で生命保険会社や共済組合の医療保険に加入されている場合、保険商品によっては粉瘤の手術が手術給付金の対象となっている場合があります。給付金は診療報酬点数をもとに支払われ、粉瘤が大きければ大きいほど高額になる仕組みです。

参考)粉瘤手術の費用と流れ|京都烏丸駅前皮フ科スキンクリニック・ク…


例えば、露出部で長径2cm未満の粉瘤手術の場合、診療報酬点数は1,660点(16,600円相当)となります。長径2cm以上4cm未満では3,670点、長径4cm以上では5,010点と、サイズに応じて点数が上がっていくんです。

参考)粉瘤手術における生命保険の給付金はいくら?おりる条件を解説 …


ただし、保険会社によっては「皮膚、皮下腫瘍摘出術」が給付金の支払い対象にならない場合もあります。一方で、新医療保険に加入している場合は手術給付金の対象となるケースもあるため、事前に保険会社の担当者やカスタマーセンターに確認することをおすすめします。

参考)よくあるご質問|オリックス生命保険株式会社


給付金が支払われるのは、粉瘤と診断され「くり抜き法」あるいは「切開法」にて粉瘤除去手術を行った場合で、契約している生命保険の内容によって異なります。​

粉瘤手術後の経過と治療期間に伴う費用

粉瘤手術後の治療期間は、たいていの場合1〜2週間で終了しますが、傷の回復には個人差があります。一般的に1〜2週間程度で傷口が塞がり、その後は段階的に良くなって数ヵ月かけて落ち着いていくんです。

参考)粉瘤の手術


くり抜き法で縫合した場合は、1週間後に抜糸のために来院が必要となります。施術の影響で肌に赤みや腫れ、凹みができることがありますが、これらは1〜2週間かけて少しずつおさまっていきますよ。

参考)顔にできた粉瘤の治療方法は?傷跡は目立つ?まとめて解説


切開法の場合も同様に、縫合した糸を1週間後に抜糸する必要があり、その後は半年〜1年かけて少しずつ傷が目立ちにくくなっていきます。この期間中、フォローアップのための再診料が発生することもあるため、総費用を考える際には通院回数も考慮に入れておくとよいですね。​
炎症を起こした粉瘤に対して一時的に切開排膿を行った場合は、1か月ほどで傷口が自然にふさがりますが、その後3か月を目安に粉瘤が残っているかどうかを確認し、残っている場合は再度摘出手術が必要になります。この2段階手術では、追加の手術費用がかかることになるんです。

参考)粉瘤|千代田区飯田橋駅から徒歩1分、飯田橋駅前さくら坂クリニ…

参考リンク:日本皮膚科学会の粉瘤に関する情報ページでは、くり抜き法の詳細な説明が掲載されています。

日本皮膚科学会 粉瘤のQ&A

粉瘤手術の合併症リスクと追加費用の可能性

粉瘤治療は人体にメスを入れるため、いくつかの合併症のリスクが存在します。まず、局所麻酔に使用する麻酔薬によるアレルギー反応が起こる可能性があるんです。

参考)粉瘤の治し方とは?治療後の過ごし方やリスクを解説 – 板橋区…


縫合部分に血液がしみ出すと血だまり(血腫)が起こりやすくなり、血腫が発生した場合は除去手術が必要となることもあります。血腫を予防するため、ドレーンと呼ばれるストロー状のチューブを入れたり、縫合の仕方を工夫する場合もあるんですね。​
ごくまれに化膿することがあり、特に炎症性粉瘤の手術の場合は化膿するリスクが高くなります。化膿を防ぐために抗生剤の予防投与が行われますが、この薬剤費も総費用に含まれることになります。​
傷を修復しようとする反応で、手術した部分が盛り上がったり硬くなる肥厚性瘢痕やケロイドが発生することもあります。体質や粉瘤の発生場所(口周り、耳、腹部の正中部、肩、背中の上部など)によって個人差が大きく、長引く場合は内服薬や外用テープを使用した追加治療が必要になることもあるんです。​
これらの合併症が発生した場合、追加の診察料や処置料、薬剤費が発生する可能性があるため、手術前に医師にリスクについて確認しておくことが大切ですよ。​

粉瘤の再発リスクと再手術費用

粉瘤は一度治療しても再発しやすいという特徴があります。再発する主な原因は、袋(嚢胞壁)の取り残しなんです。粉瘤は中身(皮脂や膿)だけでなく、袋の壁までしっかり取り除かないと再発のリスクがあります。

参考)繰り返す粉瘤—なぜ再発するの?


感染・炎症が強い状態で切開排膿のみで終わった場合、その段階では袋の摘出は難しいため、後日再発する可能性が高くなります。この場合、再度手術を受ける必要があり、再手術の費用が発生することになるんですね。​
皮脂の分泌が多い方や、摩擦の多い部位(背中・耳の後ろ・顔など)は粉瘤ができやすい傾向があります。同じ部位に何度も圧力がかかる生活習慣も再発要因になることがあるため、日常的な予防を心がけることが重要です。​
再発を防ぐには、炎症のない状態で袋ごと粉瘤を摘出することが最も重要なんです。形成外科では、周囲の組織へのダメージを抑えながら、丁寧に袋ごと除去することで再発リスクを最小限に抑えています。​
予防方法としては、皮膚を清潔に保つことが基本で、顔や背中など皮脂分泌の多い部位は毎日丁寧に洗うことが推奨されます。脂性肌の方や皮脂が多い部位には、皮脂吸着パウダーや皮脂抑制化粧水などを取り入れると効果的ですよ。

参考)粉瘤の治し方と予防法を徹底解説!再発を防ぐために知っておきた…