肘部管症候群の症状と診断
肘部管症候群の初期症状としびれの特徴
肘部管症候群の初期には、小指と環指(薬指)の小指側半分にしびれや痛みが出現するのが特徴的です。尺骨神経は手のひら側と手の甲側の両方に通っているため、指全体がしびれるという点が他の神経障害と異なります。
参考)href=”https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/cubital_tunnel_syndrome.html” target=”_blank”>https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/cubital_tunnel_syndrome.htmlamp;#x300C;href=”https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/cubital_tunnel_syndrome.html” target=”_blank”>https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/cubital_tunnel_syndrome.htmlamp;#x8098;href=”https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/cubital_tunnel_syndrome.html” target=”_blank”>https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/cubital_tunnel_syndrome.htmlamp;#x90E8;href=”https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/cubital_tunnel_syndrome.html” target=”_blank”>https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/cubital_tunnel_syndrome.htmlamp;#x7BA…
しびれの症状は常時感じるわけではなく、肘を曲げた姿勢を続けた後や夜間・早朝に強く現れる傾向があります。これは就寝時に無意識に肘を曲げた姿勢をとることで、肘部管内の尺骨神経がさらに圧迫されるためです。
参考)肘部管症候群(尺骨神経の圧迫によるしびれ)について-こばやし…
肘の内側から前腕の尺側(小指側)にかけての広範囲に痛みや違和感を感じることもあり、この痛みは鋭く放散することがあります。日常生活では、長時間の電話やパソコン作業など肘を曲げる動作で症状が悪化しやすいんです。
参考)https://ar-ex.jp/nagano/745466289079/%E8%82%98%E9%83%A8%E7%AE%A1%E7%97%87%E5%80%99%E7%BE%A4
初期段階では症状が一時的で、日中に消失することもあるため見過ごされがちですが、放置すると徐々に常時しびれが残るようになります。
参考)肘部管症候群
肘部管症候群における手内筋萎縮と運動障害
症状が進行すると、尺骨神経が支配する手内筋の筋力低下と萎縮が顕著になってきます。特に小指側の握力が低下し、親指と人差し指の間の筋肉(骨間筋)が痩せて陥没し、手の甲が骨ばって見えるようになります。
参考)肘部管症候群
細かい動作、いわゆる巧緻運動が障害されるため、ボタンをかける、箸を使う、小銭をつまむ、紙をつまむといった日常動作が困難になります。手指の開閉もうまくできなくなり、小指が薬指から離れて手が完全に閉じられない状態になることもあります。
参考)肘部管症候群(指・手のしびれ)の症状・原因・治療法について|…
さらに進行すると、薬指と小指が伸ばせなくなり、指をそろえることができなくなります。これは手内筋の麻痺により、指の付け根の関節(MP関節)が過伸展し、第1・2関節が屈曲した状態になるためです。
参考)肘部管症候群
この特徴的な変形は「鷲手変形(わしてへんけい)」や「かぎ爪変形」と呼ばれ、尺骨神経麻痺に特有の所見として知られています。この段階まで進行すると、手術後も完全な機能回復が困難になる可能性があるため、早期の対応が重要なんです。
参考)尺骨神経麻痺
肘部管症候群の診断方法と検査所見
肘部管症候群の診断では、まず問診と身体診察が行われます。特に重要なのが「ティネル徴候」で、肘の内側の骨の出っ張りの後ろを軽く叩くと小指と環指にしびれや痛みが放散するかを確認します。この反応が陽性であれば、神経が圧迫されている部位を特定できます。
「フローマン徴候(Froment’s sign)」も診断に有用な理学所見です。両方の親指と人差し指で紙を挟み、互いに引っ張った際に、患側の親指の第一関節が曲がると陽性となります。これは母指内転筋の麻痺を確認する検査で、尺骨神経障害の進行度を評価できます。
参考)小指が痺れる、箸がつかいにくい、肘部管症候群、尺骨神経麻痺、…
画像検査では、X線(レントゲン)検査で肘の外反変形や関節の隙間の狭小化を確認します。MRI検査や超音波検査により、尺骨神経の走行状態や圧迫の原因(ガングリオン、腫瘤など)を詳細に調べることができます。
確定診断には神経伝導速度検査が有効です。手首や肘に弱い電流を通して神経の電気伝導速度を測定し、伝達速度に遅れがあれば肘部管症候群と診断されます。この検査は治療効果の判定にも使われ、神経が正常に回復しているかを評価できるんです。
参考)肘部管症候群|東京千住・尚視会クリニック 健診プラザ|足立区…
肘部管症候群の原因と発症メカニズム
肘部管症候群の発症には複数の原因が関与しています。最も多いのが加齢に伴う変形性肘関節症で、関節の変形により尺骨神経が慢性的に圧迫されるケースです。肘の外反変形(外側に曲がった状態)や内反変形も神経の牽引や圧迫を引き起こします。
幼少期の骨折(日本整形外科学会の解説ページには、肘部管症候群の詳細な病態と治療法が記載されています。
腫瘤性病変、特にガングリオンや神経鞘腫が肘部管内に発生すると、尺骨神経を直接圧迫します。また、先天的な尺骨神経の脱臼や異常走行も原因の一つです。
職業的要因も重要で、肘を頻繁に曲げる作業や長時間同じ姿勢でいる人、デスクワークで肘をテーブルに当てる習慣がある人に多く見られます。男性に発症が多く、重労働をする方や過去に肘関節の外傷歴がある方に特に生じやすいことが分かっています。
参考)手根管症候群・肘部管症候群の場合にやってはいけないことは?原…
肘部管症候群の保存療法と手術療法の選択
肘部管症候群の治療は、まず保存療法から開始するのが基本です。神経の回復を促すため、肘を曲げる動作を避けて局所の安静を保つことが重要になります。ビタミンB12製剤や消炎鎮痛剤の内服により、神経の修復を促進し症状を緩和します。
装具療法では、エルボースプリント(肘関節サポーター)を使用し、特に夜間の装着が有効とされています。肘の過度な屈曲を防ぐことで、神経への圧迫を軽減できます。痛みやしびれが強い場合は、肘部管へのブロック注射を行うこともあります。
参考)肘部管症候群 – with Life クリニック 大宮駅前<…
済生会の医療情報サイトでは、肘部管症候群の症状と治療について詳しく解説されています。
神経伝導検査での異常が軽度であれば、これらの保存療法で改善することもあります。しかし、筋肉の萎縮が出現した場合、保存療法でも症状が進行する場合、日常生活に支障がある場合は手術治療を検討します。
参考)肘部管症候群
手術は一般的に、尺骨神経を圧迫している靭帯の切離(キング変法など)やガングリオンの切除を行います。神経の緊張が強い場合は、骨を削る処置を加えたり、神経を肘の前方に移動させて緊張を和らげる「神経皮下前方移行術」を行います。
小児期の骨折による外反変形が残っている患者さんでは、骨切り術により変形を矯正することもあります。ただし、尺骨神経の障害では手術後も回復に時間がかかることがあり、早期診断・早期手術が術後の回復を左右するため、早めの受診が推奨されているんです。
参考)肘部管症候群