人工透析の費用と65歳以上の負担軽減制度

人工透析の費用と65歳以上の負担軽減制度


65歳以上の人工透析費用 概要
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月額医療費

血液透析で約40万円、腹膜透析で30~50万円の医療費が必要

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自己負担上限

特定疾病療養受療制度により月額1万円(高所得者2万円)に軽減

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各種助成制度

障害者手帳取得により医療費無料化や追加サービス利用が可能


人工透析にかかる医療費の実態

人工透析の医療費は年齢に関係なく高額で、血液透析の場合は1回あたり約3万円、月額約40万円の費用がかかります 。腹膜透析(CAPD)では月額30~50万円程度が必要となり、年間では500~600万円の医療費が発生することになります 。

参考)透析治療にかかる費用はどれくらい?払えない時はどうしたらいい…

透析治療には初期費用も必要で、シャント作成手術や透析導入のための入院費用を含めて15~30万円程度の費用がかかります 。これらの費用は、一般的な医療費と比較すると非常に高額で、日本人1人あたりの年間医療費約30万円、65歳以上でも約70万円と比べて圧倒的に高額です 。

参考)https://crowdloan.jp/guide/medicalloan056/

65歳以上での人工透析費用の自己負担制度

65歳以上の方が人工透析を受ける場合、まず健康保険の自己負担割合が軽減されます 。70歳未満は3割負担、70歳以上75歳未満は2割負担(現役並み所得者は3割)、75歳以上は1割負担(現役並み所得者は3割)となっています 。

参考)透析治療にかかる費用はどれくらい?医療費の助成制度についても…

さらに重要なのが特定疾病療養受療制度の適用です 。この制度により、慢性腎不全による人工透析患者の自己負担額は、一般所得者では月額1万円、高所得者(年収約770万円以上)でも月額2万円に制限されます 。これは高額療養費制度の特例として適用され、医療機関窓口での支払いも上限額で済みます 。

参考)知っておきたい注意事項 – 3.人工透析患者の自己負担限度額…

人工透析患者が利用できる障害者手帳と医療費助成

人工透析を受けている方は、身体障害者手帳(主に1級)の取得対象となります 。障害者手帳を取得することで、重度障害者医療費助成制度が適用され、健康保険適用後の自己負担額が無料となる可能性があります 。

参考)透析で受けられる使える医療費助成から手続きの方法まで

自立支援医療(更生医療)制度も併用でき、透析治療に関連する医療費がさらに軽減される場合があります 。これらの制度は自治体により運営されているため、お住まいの地域の福祉課や保険年金課での相談が重要です 。

参考)中央区ホームページ/後期高齢者医療制度において、人工透析をし…

人工透析の頻度と高齢者の治療選択肢

標準的な人工透析は週3回・1回4時間で実施されますが、高齢者の場合は体力や合併症の状況に応じて調整が必要になります 。日本の保険制度では月14回(週3回×4週+2回)まで保険算定が可能です 。

参考)人工透析は週何回がベスト?標準の週3回から週2回に減らしたり…

高齢透析患者の多くは新規導入時に適応力が低下しており、透析食への変更など新しい自己管理の習得が困難な場合があります 。また、支える家族も高齢化していることが多く、在宅透析などの選択肢も慎重に検討する必要があります 。

参考)https://www.hachikairen.com/wp-content/uploads/2022/09/20220922siryo.pdf

人工透析患者の合併症管理と緊急時対応費用

高齢の透析患者では、心血管疾患、感染症、骨ミネラル代謝異常などの合併症リスクが高まります 。これらの合併症治療費は透析費用とは別に発生し、緊急透析や救急搬送が必要になる場合もあります 。

参考)在宅における透析患者さんの合併症対応【事例あり】href=”https://www.ns-pace.com/article/category/feature/home-hemodialysis-4/” target=”_blank”>https://www.ns-pace.com/article/category/feature/home-hemodialysis-4/amp;導入時の心…

特に中2日明けの透析日(通常火曜日)は体重増加や呼吸状態の変化による心不全リスクが高く、定期的なモニタリングと適切な水分・塩分管理が重要です 。合併症予防のための検査費用や薬剤費も含めると、実際の医療費負担はさらに増加する可能性があります 。

参考)人工透析をはじめると生活費が足りなくなる?治療費などの費用負…

厚生労働省の透析治療に関する制度情報
特定疾病療養受療制度の詳細について

日本腎臓学会による透析ガイドライン
維持血液透析ガイドラインによる治療指針