葛根湯効果風邪初期頭痛肩こり緊張型頭痛

葛根湯効果機序症状改善

葛根湯の主要効果と適応症状
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風邪の初期症状

発汗作用により体温上昇を促し、免疫力向上で症状改善

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肩こり・筋肉痛

血行促進作用により筋肉の緊張をほぐし痛みを軽減

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緊張型頭痛

筋肉の緊張緩和により頭痛の根本原因にアプローチ

葛根湯風邪初期発汗作用機序

葛根湯は、風邪の初期症状に対して独特な機序で効果を発揮します 。主要な作用メカニズムとして、体を温めて発汗を促すことで「病邪」を体外へ追い出す働きがあります 。

参考)https://yojo.co.jp/media/skin/18846/

この発汗作用は、葛根湯に含まれる7種類の生薬の相乗効果によるものです 。特に麻黄と桂枝の組み合わせが重要で、体力が衰えたときの風邪の初期に効く薬であり、体を温める作用をもつ桂枝に、強い発汗作用のある麻黄が加わることで、より強い発汗作用が期待できます 。
体温が上昇することで自然免疫にかかわる免疫細胞が活性化され、ウイルスを貪食する能力も高くなることがわかってきました 。つまり葛根湯を服用して体温が上がれば、一時的にくしゃみや鼻水が出ても比較的早い段階で回復しやすくなるのです 。

参考)https://www.kracie.co.jp/kampo/kampofullife/body/?p=53

葛根湯肩こり頭痛血行促進効果

葛根湯は風邪以外にも、肩こりや頭痛に対して優れた効果を示します 。この効果は、気や血の流れを改善する作用によるものです 。

参考)https://mencli.ashitano.clinic/33154

肩こりや頭痛は、体の中に滞った気や血の流れが悪くなることで起こると考えられています 。葛根湯は、気や血の流れを改善する作用があるため、肩や背中のこりをほぐし、頭痛を軽減します 。
体が温められることで血行が促進され、筋肉のこりや痛みを緩和したり、免疫細胞の働きを良くしたりする効果なども期待できます 。葛根湯に含まれる麻黄や桂枝といった生薬は、体を温め、体表部の血管を広げて血行を促進する働きがあります 。

葛根湯緊張型頭痛臨床効果研究データ

緊張型頭痛に対する葛根湯の効果については、詳細な臨床研究が行われています 。研究では、緊張型頭痛と診断された153例に対して葛根湯を投与し、その効果を検証しました 。

参考)https://www.jstage.jst.go.jp/article/jnkm/5/1/5_03/_article/-char/ja/

効果が確認できた121例中22例は無効で、99例は有効で最終有効率は81.8%という高い結果を示しました 。副作用はほとんどなく、有効群と無効群を比較すると年齢、性別や合併症には差がなく、他疾患を合併しても、葛根湯の効果はみられました 。
特に、緊張型頭痛と呼ばれるタイプの頭痛には有効とされています 。緊張型頭痛では特効薬はなく、鎮痛剤の長期連用は薬物乱用頭痛になる可能性が高いため、葛根湯は安全で効果的な選択肢となります 。

葛根湯適応症状体力判定基準

葛根湯の適応となる症状と体力判定基準について、明確な指標があります 。葛根湯の効能・効果は「体力中等度以上のものの次の諸症:感冒の初期(汗をかいていないもの)、鼻かぜ、鼻炎、頭痛、肩こり、筋肉痛、手や肩の痛み」です 。

参考)https://www.kusurinomadoguchi.com/column/articles/kakkonto-effect

体力中等度以上という条件は重要で、葛根湯は体力があまりない方や、風邪症状が現れてからある程度時間がたってしまった場合には適していません 。「実証(もともと健康で体力もある人が有害物によって身体の機能が阻害された状態の人)」に向けた漢方薬です 。

参考)https://www.kracie.co.jp/ph/k-kampo/hikihajime_no_hikihajime/kakkontou.html

汗をすでにかいてる方、こじらせた風邪、体力が低下している人には不向きということです 。葛根湯は発汗を促すことで汗をかき、熱を下げてかぜを治します 。

参考)https://hakuhoukai.net/news/?p=266

葛根湯独自の乳腺炎治療応用効果

一般的にはあまり知られていませんが、葛根湯は乳腺炎の治療にも使用されることがあります 。これは、葛根湯に炎症を鎮める作用や、乳汁のつまりを改善する作用があるためです 。
乳腺炎は乳管で乳汁がつまることによって生じる炎症性疾患ですが、葛根湯の血行促進作用と抗炎症作用が症状改善に寄与します 。この応用は、葛根湯の多面的な薬理作用を示す興味深い例です。
また、葛根湯は眠くなる成分が含まれないため、眠気が出ると支障がでるお仕事や家事・育児に休めない人にも服用しやすいお薬です 。この特徴は、授乳期の女性にとって特に重要な利点となります。

葛根湯副作用注意点医療従事者知識

葛根湯には副作用があることを医療従事者として正しく理解する必要があります 。主な副作用として、発疹・発赤・かゆみ、不眠・発汗過多、どうき・興奮作用、食欲不振・胃部不快感・吐き気、排尿障害などが報告されています 。

参考)https://soujinkai.or.jp/himawariNaiHifu/kakkonto/

葛根湯の「麻黄」に含まれる「エフェドリン」は、強力な交感神経を刺激し興奮させる作用があります 。気管支を広げるのにも有用ですが、まれに興奮しすぎる方がいます 。心臓や血管に作用がある「麻黄」の成分を含んでおり、高血圧心臓病、腎臓病など循環器系の持病がある方は服用に注意が必要となります 。

参考)https://www.kusurinomadoguchi.com/column/articles/mpuyu/

また葛根湯には甘草が含まれており、飲みすぎると手足がむくんだり、手がこわばる「偽性アルドステロン血症」という副作用が報告されています 。肝臓の重い症状として、だるい、食欲不振、吐き気、発熱、発疹、かゆみ、皮膚や白目が黄色くなる、尿が茶褐色といった症状も注意が必要です 。

参考)http://www.interq.or.jp/ox/dwm/se/se52/se5200013.html

葛根湯適切飲み方服用期間タイミング

葛根湯の効果を最大限に引き出すためには、適切な飲み方と服用タイミングが重要です 。葛根湯は、一般的な漢方薬と同様に食前(食事の30分~1時間前)または食間(食事と食事の間、2時間程度)の、胃に食べ物が入っていないときに、水または白湯で服用します 。

参考)https://www.kracie.co.jp/ph/k-kampo/hikihajime_no_hikihajime/kakkontou3.html

最も効果を発揮する服用のタイミングは風邪の初期段階で、鼻や喉に違和感があったり悪寒を感じたら服用しましょう 。「あれっ?風邪かな」と思ったときに、すぐ服用できるよう、葛根湯を常備しておくといいです 。

参考)https://www.kracie.co.jp/ph/k-kampo/teach/detail_1.html

服用期間については、風邪の症状に用いる場合と、慢性的な肩こりや筋肉痛、手足の痛みに対して用いる場合で異なります 。風邪の場合は数日間、肩こりや筋肉痛の場合は1ヶ月ほどを目安に服用し、改善がみられない場合は医師、薬剤師または登録販売者に相談してください 。
風邪の症状の改善を目的に葛根湯を服用する場合、数日を目安に服用しましょう 。もし数日間服用しても症状が改善しない、または悪化している場合は服用を中止し、医師や薬剤師または登録販売者に相談してください 。