不正出血と生理の違いと見分け方

不正出血と生理の違いと見分け方

不正出血と生理の基本的な違い
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周期性の違い

生理は25-38日の一定周期で起こるが、不正出血は予期しないタイミングで発生

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出血量と期間

生理は4-7日間の規則的な出血、不正出血は量や期間が不規則

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医学的意義

不正出血は何らかの異常を示すサインとして重要な診断指標

不正出血の基本定義と医学的分類

不正出血とは、月経以外のタイミングで性器から起こる全ての出血を指す医学用語です 。生理期間以外に起きた出血は、量に関係なくすべて不正出血として扱われ、「何らかの異常」と考えて医療機関を受診する必要があります 。不正出血は大きく分けて機能性出血と器質性出血の2つに分類されます 。

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機能性出血は、子宮や卵巣に器質的な異常がなく、主にホルモンバランスの乱れが原因で起こる出血です 。特に思春期や更年期など、ホルモンバランスが不安定になりやすい時期に多く見られます 。一方、器質性出血は子宮筋腫、子宮内膜ポリープ、子宮頸がん、子宮体がんなどの具体的な病気が原因となって発生する出血を指します 。

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不正出血には排卵出血や着床出血といった生理的な出血も含まれますが、これらも医学的には不正出血として扱われ、適切な評価が必要です 。

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生理の正常範囲と周期的特徴

正常な生理周期は25〜38日の範囲内で、この周期が一定であることが重要です 。生理期間は通常4〜7日間継続し、初日から2〜3日目に出血量がピークとなり、その後徐々に減少していきます 。生理は妊娠に備えて厚くなった子宮内膜が、妊娠が成立しなかった場合に剥がれ落ちる自然な生理現象です 。

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生理の出血には鮮血から茶色い血が混在し、子宮内膜も含まれるため経血として排出されます 。下腹部痛や腰痛などの症状が伴うことが多く、これは子宮収縮による正常な反応です。女性ホルモンであるエストロゲンとプロゲステロンの分泌によって調節されており、これらのホルモンの急激な低下により月経が開始されます 。

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周期が24日以下の場合は頻発月経、39日以上の場合は稀発月経と呼ばれ、病的な原因の可能性が考えられます 。

参考)https://mederi.jp/magazine/period/period147/

不正出血の症状別セルフチェックポイント

不正出血の適切な評価には、症状の詳細な観察が不可欠です。出血の時期と期間を正確に記録することが重要で、通常の生理時期なのか、生理間隔中に起きたのかを明確にする必要があります 。出血が一時的なものか、断続的に続いているか、通常の生理期間より長引いているかなどの特徴を把握します。

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出血量と色の変化も重要な評価ポイントです。普段の生理と比較して多いか少ないか、生理用品をどの程度の頻度で交換する必要があるかを記録します 。色については、鮮血のような赤なのか、ピンク色、茶色など、色の変化も医師に伝える際の重要な情報となります 。
随伴症状の有無も診断に重要です。下腹部の痛みや腰痛、発熱、めまい、吐き気などの症状が伴う場合は、器質的な病気の可能性が高くなります 。特に大量の出血や血の塊が出る場合、性交後の出血、痛みや発熱を伴う場合は、早急な医療機関受診が必要です 。

機能性出血とホルモンバランス異常

現代女性の多くがホルモンバランスの乱れを抱えており、これが機能性出血の主要な原因となっています 。季節の変化、デスクワークによる運動不足、ストレス、不規則な生活習慣などが複合的に作用してホルモンバランスを乱します 。特に自分よりも周囲を優先する傾向がある女性や、我慢強い性格の女性は、気づかないうちにストレスを蓄積し、ホルモン分泌に影響を与えることが多いとされています。

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機能性出血は排卵性出血と無排卵性出血に分けられます 。排卵性出血は生理後7〜10日頃に起こり、排卵時のホルモン変動により少量の出血が生じます 。この場合は特に治療の必要はなく、出血が止まるまで経過観察を行います 。

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無排卵性出血では、卵巣機能が低下し十分な女性ホルモンが分泌されないため出血が起こります 。この場合は生理周期を整える治療が必要で、卵胞ホルモン剤と黄体ホルモン剤を用いて周期的な生理を誘導し、出血状態を正常化します 。

器質性疾患による不正出血の特徴

子宮内膜ポリープは器質性出血の代表的な原因の一つです。数ミリから数センチメートル大のポリープでも、位置によっては不正出血を引き起こします 。子宮内膜には血液を溜める役割があるため、小さなポリープでも症状を呈することがあり、厄介な病態とされています 。症状としては月経周期に関係ない不正出血や過多月経が特徴的で、受精卵の着床を妨げることで不妊の原因となる場合もあります 。

参考)子宮の病気

子宮筋腫による不正出血では、生理量の増加(ナプキンが2〜3時間持たない)、血の塊の排出、生理期間の延長(7日以上)などが典型的な症状です 。筋腫の大きさや位置により症状の程度は異なりますが、進行すると貧血を引き起こすことも多くあります。

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子宮頸管ポリープは子宮口から垂れ下がる良性腫瘍で、粘膜が出血しやすいため性交後出血や無症状での不正出血を起こします 。再発しやすい特徴があるため、切除後も定期的な検査が推奨されます。悪性疾患である子宮頸がんや子宮体がんでも不正出血が初期症状として現れることがあるため、持続する不正出血は必ず専門医による精査が必要です 。

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